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可愛ーい!きれーい!「私の人形は良い人形」
2007/04/12 [Thu]09:29
ホラーで市松人形とはベタな、と思いつつも読む。86年初出だからベタではなくて、むしろ凝っているか。「あなたの知らない世界」を思い出す怖さ。「私の人形~」のほかに3作が収録されている自選作品集。

何が怖いって、理解できない、把握できないものが怖いわけだ。理屈がわかっちゃ幽霊じゃない。収録作品は全部、恐怖の解決策が示されていない。表面を理解したところで許さないぞというしつこさが不可解で怖い。生者の理屈は通用しないのだなぁ。
ガス爆発にしても心臓麻痺にしても、幽霊とかが実際に作業するところは見せない。タメてタメて加速する。勉強になるなぁ(ってホラー小説を書くわけではないが)。


中でも「千引きの石」の西町くんの存在が面白い。ホラー世界まっただなかで「おれここ…怖いもんね」のみ。彼がいることで、自分は感じてないけどあるのではないか理屈が生じる。で、いつ自分が感じる側にいくのかという懸念が生じる。「自分は感じたことないし」なんていって恐怖から逃れる隙間が埋められたような気分になった。

と、こうやって客観的に考えよう、捉えようとしているあたりが作品に呑まれている証左。

いやしかし、市松人形って怖い。お菊人形の髪が伸びる話も「あなたが知らない世界」世代には有名だろうし、これはもう刷り込まれている恐怖だ。セルロイドになるまではあれが人形のスタンダードだったとは、高級品オーラが畏敬となり恐怖を押さえていたか。むしろ高級品だからなにかが宿るというのか。

日本人形メーカーは苦労しているのではないか。
むしろネタにしてホラー風味の新製品を出せばいいのかもしれないが、それで万が一実際に事件事故が起きたらシャレにならない。

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