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見ての通りの大バカです「バクネヤング」(松永豊和)
2008/06/14 [Sat]15:09
「邪宗まんが道」で話題の漫画家、松永豊和。そうだ完全版を持ってたよと思いだして再読。
「邪宗」を頭に入れて読んでいくと面白い。

絵がうまいなー。擬音の置き方が面白い。ペーパーバックを意識した装丁で海外版も出たとかだけど、これ、どうなったんだろ。剃神の頭を貫く哄笑とか。そのまんまでも伝わるか。
マネできない、されない力があって、しかも構想ができあがった状態で描き始めていたというんだから、そりゃ編集者が作ったとか言われたら怒るだろう。
(編集者が存在を消しながらサポート、ナビできるのが理想だろう。作ったと自分で思ってても言っちゃいかん)

なにしろキャラがカッコいいよな。剃神が好き。登場当初の「オーラでヤクザを止める」ところとか、すげーかっこいー。あんま活躍できなかったけど。
ヤクザとか警官のモブも面々が面白い。

大阪城を占拠して100兆円要求という、大味のバカに翻弄されてされてされて、バカひとり処置できない現実の弱さもおかしい。
バクネがいじってる相手はヤクザにケーサツに国。ベタに考えれば「あれ邪魔だなー」という素朴な思いを代弁ってところか。
バクネなりのスジってのはつかめないのだよな。お年寄りは大切にするけどヤクザの親分は対象外。弱きを助けるための金でもない。

自分は暴力礼賛漫画はギャグになってないとしんどい性質なんだけど、これはなんだかサファリパークだな。暴力を見ている気がしない。さわやかだ。バイオレンスが気持ちいい漫画のはずなんだが、再読だと違うのかな。
おいてかれたのはロシアンルーレットからだな。あそこで「三人は運がいい」と親分が締めたため、超人たちの物語となった。
(実体はバクネに2人は追いついてなかったが)
運がいいというのは最強のスペックなので、ケンカが強くても銃には負けるとか、人数には勝てないとか、そういう理屈を超越してしまう。強さの表現としてはジョーカーだ。
そこでもう、読者としては四の五の言わずについていこうと思ってしまうのだった。

でだ。要は馬鹿が強いというところから始まって、バカに理屈を背負って対抗しなきゃいけない法とか体制の脆いことでひと笑い。
法の領域から外れたヤクザが泣きながら斬りかかったら即、解決ですわ。ケーサツなにしてんねん。最初からヤクザは俺らにいかせぃいうてたやろ。
とモノマネの大阪弁で考えてしまう。

運のいい馬鹿は覚悟を決めた情熱には勝てない。「幸運+馬鹿<覚悟+情熱」と、えいやと単純化。
蓮華はどうかって、運もいいけど自分で引き寄せてるクソ度胸が売り。あとと知恵だ。それはヤクザよりも強かったことになる。
「幸運+馬鹿<覚悟+情熱<度胸+知恵」。ねぇ、書いてみてもなにもわかりまへんがな。

蓮華がその度胸を持てたのは大いなるイエスマン、プリマの頷きがあったから。誰かに承認されることで度胸をつけ、運を引き寄せて勝ってき。言霊の力を信じている感じ。
なので最後に「抱擁+受容」のプリマが、というのは、泣ける。

漫画としては、バクネを見てから蓮華を楽しむのは難しい。小賢しさは前半の爽快感に欠ける。
が、爽快感ばっかでもいかんしな。勢いで終わらないためにも、バクネが死んでからのボリュームがこんだけあるのはいいことではないか。


うーんキになってきた。
ほかの作品も読んでみようかしら。「エンゼルマーク」と「竜宮」だっけ。

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