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ここは地獄や!「サマヨイザクラ」(郷田マモラ)下
2009/04/07 [Tue]09:49
裁判員制度の漫画、下巻。実施が5月からだから、タイムリーに予習できる。
制度が固まっていく中でも制作は大変だったそうだが、手続きや心情について、読めば確実にシミュレートできる。
関西弁だからか、漫画だからか、どことなくウェットだけど。

漫画としては、本来は検察官や弁護士がやるべき「意義あり!」「待った!」を裁判員がやるし、オタクへの偏見がありつつもイベントが重要な証拠となって大逆転みたいなことで、ギミックフルな展開。
その仕掛けらしさが気になってしまう部分もあるが、裁判員制度自体がまだもうひとつファンタジーというか、「もしも」な設定なんだよな。もうすぐなんだけど。

なので、核となるのは「集団の悪」だ。
事件が起きた背景に、裁判員制度に、社会のそこかしこに「集団の悪」があり、誰もがそれに耐えて生きている。
人間は社会的な動物なので、社会性、社交力、空気を読む力は最重要の能力なのだが、経済的な動物でもあるはずなのに不経済にもその力が働くという不思議。
社会的に役立ってない人ほど「集団の悪」を働くって見方は偏見だけどさ。

そもそも裁判員制度が「集団の悪」を誘発するのでは、との警告も発している。
退屈しのぎに要するにのイジメを行うのだから、退屈しのぎに、無責任に死刑を宣告することはあってもおかしくない。
しばらくは、判事という経験者、プロの意見で左右されるだろうし、それはまさに「集団の悪」の発生だ。

でも、判事だけでことに当たらせても、そこに「集団の悪」は働く。
判例とか、出世とか、ましてや世論や「社会的制裁」なんてワケのわからないもので判決が動いてるじゃないか。
人間が集うところで、善悪はぶれる。さまよう。

裁判員制度の情報漫画としては王道、ドラマとしては定番。
でもえぐってる「集団の業」は、王道の定番だけに深い。

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (3) (アクションコミックス)サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (3) (アクションコミックス)
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オタクって怖いですねぇ「サマヨイザクラ」(郷田マモラ)上
2008/11/17 [Mon]09:35
裁判員制度についての漫画。「モリのアサガオ」と合わせて読みたい司法教養漫画でもある。
(モリアサも読んだけど、ログしてなかった。また今度に)
上下巻のワンポイント連載なんだそうだが、もろもろの謎や対立が解決されるのかと思うほど盛りだくさん。
集中連載だからこその勢いだ。主人公も「モリアサ」よりは気弱じゃないし。

展開としては盛り上がったところで下巻に続く……なんだけど、冤罪くさすぎるところが気になる。
漫画では「か・・・の・・・」しか被害者は口にしていないし、証言者の行方やホームレスの居場所もあいまいなまま。
冤罪っぽすぎるので、やっぱり犯人だった、というもう一周した展開になるのではないかと、無粋に思った。

事件の真相として「犯人は誰」「嫌がらせはあったのか」もあるし、それに伴って「量刑をどうする」も懸案。
弁護士の過去もポイントだし、アニメの影響も出したからには軽くでも納めておかないと。
人物的には審理情報を口外した人もいるし、相羽の人生観、吉井のまっすぐ正義もそのままではいけないだろう。

作中での議論でも、現実の裁判でも、結論を急がずに情報を集めて複数人で考えるを最重要視する。
でも話し合うことを重要視することと、最後には結論を出すことって、実は相反しているんだよな。

人間を裁けるのは人間だけです、とは言ってもねぇ。
機械的に量刑を決めるにしても、その機械(法律)を作るのは人間だからな。宗教の場合もあるけど、神を作るのも人間……と思いつめたところで下巻待ち。


横道の感想。
作者はライトにオタクというか、日本人の40代以下って結局アニメで育ってる。んで、今でもリメイクなどでキャラクターが現役だからな。そりゃ関心も続くはず。
その関心の継続がアニメ好きの大人が求めた末のことなのか、リメイクやトイをビジネスとして仕掛けられててうまいことオタク心をくすぐられちゃってるのか。
タマゴとニワトリだね。

そうだ、~~タン、って口語で言うかな。仲間内ではともかく完全な他者との会話で。そこだけは気になった。漫画だから?

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(2008/10/28)
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