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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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迷惑な神風じゃ「この世界の片隅に」(こうの史代)下
2009/05/05 [Tue]09:11
一国民の戦争体験が完結する。物語は現代に続いていくのだけど、すずさんの物語はどうなったのかな。
カバーの絵は髪を切ったすずさん。読み終えて、折り返しの先を見ると、ああ、となる。

兵士でもなく、死者でもなく、夫も子どもも失うことがなく、残る大怪我は抱えたけれど、すずさんはどうしても脇役だ。
漫画の人物としては、もっと大事に面して、悲劇を背負って(十分な悲劇なんだが)、そこから雄々しく立ち直るというドラマを通じてキャラが作品にねじこまれていくんだけど、すずさんは、まるで絵に描かれたように、ぽつんと状況に置かれてしまった。

戦争という奇妙な家庭に嫁いできてしまって、それでも現実と受け入れて、つつましく暮らしていたのに、すべてがウソのようで、現実感がないまま終わってしまった。
想像だけど、作者は描くことによってすずを不幸にせねばならないことに抵抗があったのではないか。
それでも、鬼イチャンが鬼になって帰ってくるような、描かれた幻想が現実を救済していくことで、結末、作品の意義としたのだろう。

生活描写の細やかさに見入っていた漫画だけど、生きて、居場所を見つけて、そこで暮らすという、平和だと意識すらしないことへの思いが描かれている。
思わないことを描いてることで、あるものが見える。それは、怒りでも悲しみでもあることで描くよりも難しいかも。

すごい漫画を読んだな。

この世界の片隅に 下 (3) (アクションコミックス)この世界の片隅に 下 (3) (アクションコミックス)
(2009/04/28)
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とうとう呉へも「この世界の片隅に」こうの史代(中)
2008/07/16 [Wed]09:09
戦時生活マンガの第2巻。上巻は嫁入り編だった。下巻が敗戦(死者多数?)に向かってのまとめになりそうだ。
というわけで中巻は戦時下の生活描写をじっくりと。

いやもう、見てきたかのような戦時中の生活描写。情報の細やかさ(って知ってるわけでもないんだが)から。いきおい生々しくなりそうなところを四投身の人物がひょいっとやわらげて、現代人の感覚でも悲惨さだけが見えてこない。そういう生活、時代だったんだなと身にしみる。
昔は大変だったとか、倹約してたとか、一生懸命くらしてたんだとか、上から目線の説教臭い「昔はね」語りがないから、素直に読める。

みたいな、解説はしないのだ。小物や風物をあんだけ丁寧に描いておいて人物の内面は読み手に任せる。
漫画ではつい説明臭くなってしまうが、その「そっと」感がいいのだよな。
「これはリンさんにあげるつもりで買ったものでは……(ショック)!?」
と、そこまでは描かない。さらりと。ぐっと入り込むのだよな、そこで。


流れとしてはラブコメもあって、戦時下を舞台にした少女漫画のようだ。女同士の会話はストレートで、そこもまた自然な生活感がある。
でもなんか、こうなると水原は確実に死んでしまいそうだし、周作も危ないのではないか。
リンさんは生き残るのか。あの平和な家庭にも死傷が割り込むのだろうな。
それまでのタメとして中巻を読んでしまうのはつらいが、勝手にいわゆる戦争漫画の展開で予想してもしょうがない。

下巻はいつだろうか。8月に出れば、実にそれらしいけど。

この世界の片隅に 中 (2) (アクションコミックス)この世界の片隅に 中 (2) (アクションコミックス)
(2008/07/11)
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大ごとじゃ思えたころがなつかしいわ「この世界の片隅に」(こうの史代)上
2008/02/13 [Wed]11:42
「夕凪/桜」の作者が、戦中時代の呉をじっくりと描く。
戦場ではないが軍港のある街で、悲劇的でもないけど愛にあふれているような感じもない新婚生活が始まる。

戦争の手ごたえは日々、暮らしの苦しさとなって表れてくるんだけど、沖の軍艦は勇ましく、なんだか実感がわかない。
定点カメラで、動作、所作のひとつひとつを丁寧にコマ数を割いて描いていく。読者はカメラになりきるんだけど、ふいにすずの視点を任されてしまうことも。あ、と思ったらすず視点に同期している。
アタマに収録されてる少女時代の、絵を描くシーンなんか、特にそうだな。

カメラ(作者)=読者=すずと、視点がつながる。
手法自体はこの漫画に限ったことじゃないけど、やっぱ丁寧な描写があるから如実なんでないの。

で、しっとりとした描写からキレイなズッコケオチで締めるのは相変わらずなのな。
でないとしんどすぎる漫画になるしな。作者も描いてて照れる、のか。


少女時代を踏まえて読むと、戦争の中でも幸福に暮しましたとさ、という流れで(絵柄も暖かいしな)線を引いちゃうんだけど、連載が本格的に始まると結婚も生活も現実的でシビア。義理の姉にイビられるのはギャグのようだが。
水原があっという間に退場。

絵柄のほのぼの漫画らしさと戦争の現実のギャップを、大きな武器にしている。
ズッコケオチで締めつつも、作者の意図は明確だ。容赦なく鋭い。



→広島原爆三代記(こう書くとのんきな響きだ)漫画の読みログ
ぜんたい この街の人は不自然だ「夕凪の街 桜の国」

→愛なんて確かめなくてもの現代漫画の読みログ
照れ隠しに落とします「長い道」 


この世界の片隅に 上 (1) (アクションコミックス)この世界の片隅に 上 (1) (アクションコミックス)
(2008/01/12)
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照れ隠しに落とします「長い道」
2007/08/08 [Wed]12:18
古書店にて発見。「夕凪の街 桜の国」効果なのか、見つけやすい所に、こうの史代コーナーができていた。「ぴっぴら」「さんさん」じゃなくて「長い道」を選んだのは、ただ単に一冊だったから。

でもあとがきからして、コレを手にしたのは正解だったと思った。


見合いどころか顔合わせもないまま始まった夫婦の生活漫画。夫の荘介も妻の道も、お互い以外の人にモテたりする。異性としての相性がとことん合わない(ことになってる)が、だんだんと情が移ってきて、空気がちらっと変わる(気がする)。「愛してる!」「一生いっしょ!」みたいな告白無しの夫婦関係だ。異常なはずなんだけど、嘘っぽいセリフや行動でかためた関係よりは誠実だな。思えば。

いやしかし、器用で生活力があって明るい道は強い。ノーテンキとされるが、ただの鈍感じゃない。なにしろこちらの(夫視点)生活にあっさり紛れ込み、ちょっとした出来事から幸せにされたりなられたりしてしまう。
なんだこの完璧ウーマンは? ダメ男の元に現れた妖精さんとか女神様か?

短編を重ねて編んでいって、人物の過去や思いや変化を溶け込ませていくのって、「自虐の詩」(文庫版でしか読んでない。こっちも夫婦の話だ)のような感じか。


そうだ。義務感に駆られたようなオチがとってもかわいいのだ。竹林どのとの再会を振り切って駆けだした……という情緒的なコマが、オチを読むことで「あそこ、コケてたんかい!」とツッコむべきボケのコマに変わる。そんなんばっかだ。

でも、優しい人って、「違うのコレはこーいうことなの」って照れ隠しをするもんですからね。(つい丁寧語に)

「ぴっぴら」「さんさん」も近いうちに読んでしまいそうだが、短期間に大量摂取しちゃいけない読後感とも思った。ゆっくり読もう。

長い道 長い道
こうの 史代 (2005/07/28)
双葉社
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ぜんたい この街の人は不自然だ「夕凪の街 桜の国」
2007/07/30 [Mon]14:24
夏が来て(梅雨どこ?終わり?)、嫁が棚から引っ張り出してきて読んでいた。季節モノで済ませちゃ失礼だが、きっかけから自然に手が動き、なにかが染みるのだからいいこと。
もういろんなところで語られている漫画ですわね。なにをいまさら。

描線の柔らかさから人物たちの素朴な仕草に茶目っ気も漂ってきて、そこで暗部をチラ見せ。意識のレイヤーを一枚越しただけで見えるものが違う、感じるものが変わる。生活から短く語る。理想的な“お説教”。


3つのエピソードを通じて残るのは、広島に残された「不自然の正体」ではないか。
丸焼け、死体だらけ、原爆症、傷跡はありありと残っているのに、戦後の生活は始まっちゃうし、結婚などの幸せも舞い込んでくる。
子孫まで手持ちの「不自然」は受け継がれるのに、終わったことになってるってのは、あれは一体なんだったのかなーという気にもなるよな。被爆後にうめいてたら終戦だものな。

世間との違和感。悲しみでも怒りでもなく、違和感があったのか……。
戦後世代からすると「悲劇を忘れるな」なのだが、本来は「忘れたくても逃れられない」ものだったと。この意識の違いは埋まらないにしても、作品で残されていく。

絵と人の動き・表情がとてもかわいらしい。トーンじゃなくて手書きが暖かいなどとわかりやすいことはないだろうけど、均質な密度のコマ運びがゆったりと読ませてくれてるんじゃないのかなー。ほかのも読んでみよう。

夕凪の街桜の国 夕凪の街桜の国
こうの 史代 (2004/10)
双葉社
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