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あるもんは認めねぇとなぁ「邪眼は月輪に飛ぶ」(藤田和日郎)
2008/02/08 [Fri]09:36
新刊がエアポケットだな、と思いつつ再読。「アオイホノオ」が届くのを待ってる関係で富士鷹センセイのを。関係ないか・・・

見るだけで殺せるフクロウがいて、それを撃てるのは殺気を消せるマタギだけ。サポート役にはフクロウの呪毒を散らせる拝み屋(巫女)。
この三者だけだと妖怪退治の昔話なんだが、米軍やCIAは乱入するし場所は現代東京のド真中。
こんだけ役者と舞台が揃うと納得ずくで引きこまれてしまう。絵とナレーションの力もつよい。

モニタや電波を介しても「見られたらみな死ぬ」なんて非現実度2000%の設定なのにな。
というか読む側の予想や鼓動より圧倒的に素早くジェノサイドが起きてしまうのだ。その絶望だけですっかり持っていかれる。もうこりゃ受け入れるしかねぇ、と。

んで、最後の最後にはフクロウ側にも感情移入させられるほど、読み手の視点や乗り所はぐるぐるしっぱなし。「次はコッチ!」「はいコッチも見てねー!」のガイドが巧み。
単行本一巻の構成できれいに世界を怖れ、愛し、味わいつくせるというか、構成が抜群だぁ。

ハリアー戦闘機とマタギの共闘という発想もカッコいい。素晴らしい。
そういえば「うしおととら」でも、飛行機上での“衾”戦はじめ、街中のシーンが好きだったんだよな。

続編も書けますよという雰囲気で、「イギリスで毒の角……」なるヒキがあるが、これは細部まで語らなくてもいいような。マタギと米軍が歩み寄っていく過程も面白いんだから、最初からコンビじゃしょうがない。

面白い漫画は何度読んでもいいなと思った。


→洋モノの短編の読みログ
回り道などせずに堂々と立ち去るのだ「黒博物館 スプリンガルド」


邪眼は月輪に飛ぶ邪眼は月輪に飛ぶ
(2007/04/27)
藤田 和日郎

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回り道などせずに堂々と立ち去るのだ「黒博物館 スプリンガルド」(藤田和日郎)
2007/10/21 [Sun]21:41
バケモノ、カラクリと来て英国都市伝説モンスターへ。意匠と行為にこだわりのある悪ってカッコいい!
これも都市伝説ブームの一貫だろうか、と思いながら読んだけど、そんなん関係なく面白いや。

バネ足ジャックについて知っている日本人はどれくらいいるだろう。実在した愉快犯が元になってるとか、当時の世相とか、解説がはさんである構成は博物館的で親切。唐突なキャラクターを受け入れる下地が整っていく。でも見た目や行動が面白すぎるので、ひょいと漫画に出てきても大丈夫だったかと思う。機械への畏怖みたいなのもあったのかね、ヴィクトリア朝時代は。

スプリンガルド自身に美学があり、すんげぇカッコいいのだ。後半なんかはもう変身ヒーローである。使いこなしが難しいとかあったようなないような理屈はおいといて、必要なときにはバネ足のヒーローがやってくると。その粋っぷりにリアリティがなんだってんだ。ええ。元が史実だ都市伝説だってのを大いに踏み台にして遊んでますな作者。

前半のフランシスが実は、とまでは読めすぎて軽いかと思ったが、後半も含めて二世代物語となっていて十分に濃厚。本当の都市伝説モンスターとしてのジャックが現れて……ではない。やはり人間を描いてナンボだ。このへん、少年漫画っぽい熱さがそのままで安心。妙に高い目線になっちゃうとねぇ。読みにくいだろうしねぇ。


昔、映画で「ヴィドック」見たときはフランスで有名でもオレは知らんがなと思ったが、なるほど描き方、組み方で見知らぬキャラクターも魅力的に。シリーズにもなりそうってんで、がぜん期待。

黒博物館スプリンガルド (モーニングKC) 黒博物館スプリンガルド (モーニングKC)
藤田 和日郎 (2007/09/21)
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