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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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歳のいった人のものである「センセイの鞄」(谷口ジロー・川上弘美)2
2010/04/29 [Thu]09:50
ツキコさんとセンセイの恋物語に幕。

30代女性とシニア男性の2人で話をつむぎだしたら、こうならざるを得ない。
まとまるべきところに向かってゆっくりと恋愛を描くためには、今はこういう距離のある2人が必要なのかしら。
同年代の男女では話が早くなりすぎるのか。

過程の美の作品を彩るのはくどくどした感情の吐露でなく、食事や散歩で見た風景。
そこは「孤独のグルメ」「散歩もの」の谷口ジローだけに、生っぽい絵によって食べ物見るもの聞くものすべてが印象的になる。
恋愛に没頭しているときはすべてが輝き意味ありげに見えるという現象にはちょうどいい。
そのうえで純愛のような精神的交流が深く静かに進んでいくのだし。

さらに天狗のくだりが、ほどよく唐突で、「2人にしかわからないことがあったんだなぁ」という重しにもなっている。
境界や天狗のシーンがなかったら、あの2人のすべてを理解したつもりになってしまいそう。


読んでみて、すがすがしい思いもあるのだが、小説だったらこれほどは入り込めなかっただろうと思う。
想像だと、小説の登場人物が素敵に浮かびすぎる。
漫画で、美人だけど少し崩れたツキコさんと、よく見りゃただのおじいさんでしかないセンセイの「普通っぽさ」がドラマチックさの抑制となっている。

なんだろうなこの抑制は。上村一夫とは対照で、どっちも好きなんだけども。

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以前一人でことごとを行っていたとき「センセイの鞄」(谷口ジロー・川上弘美)1
2010/02/25 [Thu]09:28
もうそろそろ2巻が出るころなんだが、ずっと前に読んで放置していたんだっけ。

帯には
谷口ジローいわく「ほとんど小説のままに」、
川上弘美いわく「あらためて、いや、はじめてほんとうに、知ったような心地です」
とあって、どっちやねんと思うのだけど、それだけ読みの幅がある作品ということか。

原作は読んでないのだけれど、川上弘美の作品だと「ハヅキさんのこと」を読んだことがある。
それだけで判断するのもなんだが、どうも「イイオンナ」が出てきてうさんくさいな~という思いはある。
こう、そんなうまい具合の女性がいて、ちょうど小説になっちゃいそうな人間関係を築くなんてなぁという。小説なんだからそりゃそう書いてあるんだが、おっさん読者としては「イイオンナ」願望を満たすわけでもないので、よくわからなかった。

しかしまぁ、谷口ジローの漫画で読むとだ。ちょうどいいじゃないか。
センセイのジェントル感、枯れ具合がいやらしくなく、月子さんの美人度と不器用さ(モテなさ)のバランスがよく、「女性が思い描いたちょっとステキなカンケイ」ではなく読める。

特に月子さんの裸が面白い。自宅でひとり、全裸で冷蔵庫を開ける姿は、美人なのにややガッカリ感のあるスタイルで、漫画の人物としては生々しい。若くもなくちょっと崩れた感じ。
ここに女性ファッション誌のような幻想はない。

ああ、きれいでも若くはないのだなぁ、と。一片の哀愁を帯びる。
それを踏まえると、月子さんの孤独と自立を行き来する心理がひしひしと伝わってくる。
泣いてしまう月子さんがただ甘えているのでなく、切実にさびしいのかと思える。

というわけで、静かに続きを待っている。

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一介の夏目金之助として「坊っちゃんの時代・不機嫌亭漱石」(谷口ジロー・関川夏央)5
2010/01/29 [Fri]09:19
最終の第5部は、再び漱石が中心人物。
不機嫌どころではない、危篤、半死半生、いや30分の完全死を中心に、明治人としてどうあるべきかが語られていく。

日本という木に西洋の竹を継いだ明治時代は、いろんな可能性を見出しながら潰していった。
第4部の大逆事件を引っ張る読みだと、愚かなる政府が道を誤っていく端緒がここにあるとも思えるのだが、
啄木のような個人ではなんともならない人を思えば、無政府であっていいともいえない。
多元宇宙に答えはない。

間引きをして、竹を継ぐうえで、誰かがワリを食う。
そこに個人として何を申すか。漱石だって、自身の帰国の際に意図せずしてハーンを追いやっている。
そのまま教員として呑気に暮らすこともできたし、それができたら胃も壊さないかもしれないが糖尿で死んでたかもしれない。
そんなことはわからない。
前後に広がる歴史の中で、個人はほんの数十年なんだから、もしもあの時とか今のうちにとか、考えてる場合ばかりでもない。

個人も国も時代も変わる。絵は変わらずに、言葉は変わるとも記されている。
この言葉の意図は読み切れない部分もあるが、漱石は言葉の人だから、変わっていける可能性を自覚できるわけか。
対して、変わらない絵というのは、故郷のことだろうか。
心に刻まれた、啄木が見上げた蒼空のような、絵。ビジョン。ああ、理想のことかな。

理想は実現されなくてもいいが、変わらずに手元に置いておけばいい。
そして、変われる可能性の力を込めた言葉で時代と向き合う。

それがわかれば、時代がどう動こうとも、個人としてやっていける。
暑苦しい偉人伝もいいけど、この作品ですごく励まされる。

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国家と個人が対決する「坊っちゃんの時代・明治流星雨」(谷口ジロー・関川夏央)4
2010/01/28 [Thu]09:06
第4部の中心人物は秋水幸徳伝次郎と、菅野須賀子ら。
主義者として、はっきりと反近代の精神を表現した人たち。

洋に学んだのは同じで、たまたまロシアだったということだ。
正しいとか間違ってるとか、善とか悪とか、たかだか100年とかのことだからなぁ。
という、評価でなく活写に徹しているところが、この作品のいいところ。
今こそ秋水に学べとか、言わない。言われても困るし。

政府にモノ申しても通じないので、無政府主義者になる。
秋水はわかりやすく、個人の力を信じている。
個人の力で生まれた政府はすでに老害になっているのなら正せばよい。不器用なほど正直だ。
確かに取り巻きの進言を理解できず、秋水逮捕を決めてしまった山縣有朋の老けっぷりはひどい。

横道だが、優れた個人も老いて害になるというのなら、どうしたらいいんだろう。
仮に秋水らが無政府主義革命を成し遂げて、だ。維持できるのか。維持しないのか。
個人の力ってどこまで信じていいのか。現代の交通や通信インフラでも、個人って結束しきれてないんだよ。
原点の理想や思い(須賀子にいたっては生い立ちに根ざしてる)は継承できない。

システムを作らなきゃいけないんだけど、それはただの新政府だよね。
だから、爆裂弾を投げていても、何も変わらない。


やはり歴史に正しいも間違いも善悪もなく、ただ、そうだった、そうあったと。
あとは受け取り手次第なんだ。
だから、歴史の流れに対しては、爆裂弾を投げこむんじゃなく、思いを言葉などで定着させておくほうがいい。
秋水はそれをわかっていたんだな。ちょっとだけ間に合わなかったのと、呑気だった。

個を貫いた漱石、国や家を受け入れた鴎外、個に逃げ込んだ啄木、国と向き合った秋水。
明治人もいろいろだが、自分を通じて、個人の力や価値を見つめるのが人生よな。

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貧乏はぼくの病気です「坊っちゃんの時代・かの蒼空に」(谷口ジロー・関川夏央)3
2010/01/27 [Wed]09:49
第3部の中心人物は啄木石川一。
じっと手を見る、なのだが、不幸な不遇というよりも、自堕落なダメ人間である、と読めてしまう。
欲に弱く、借金まみれで、文芸ワナビー。

ただの貧乏ならかわいいが、自分の才能を信じる人や、勤め先から金を借りては飲みに行き女を買うのでは同情できない。
金田一はなんで啄木に入れ込んだんだろう。そこは(この作品では)わからない。


啄木は無用の人になりたいけれど、有用の世間に対してコトを構えきれない。
短い詩をつぶやくだけでは届かないというか、出版物に定着させて評価されるステップを踏めない。
才能はあるはずなのに、という自我もあって、なんとも苦しい青春だ(ってもいい大人なんだが)。
病気で表現を彩ろうとするのでなく(関連で平塚女史もクサされているのだが)、
真摯に言葉と向き合って表現の定着に努めなくちゃいけなかったんだなぁ。

漱石がたどりえた、アザーパターンの人生なのかも。無用の人を選んでも困るかもよ、と啄木の人生は言う。
たいていの人間にとって、有用の社会で働く、己を位置づける方がナンボか楽だ。


第2部で長谷川辰之助(二葉亭四迷)絡みのシーンに登場しているが、中心を張る第3部になってなんとも幼い顔になってしまったのは、客観的には大人でも主観では永遠の青二才だったんだろう。


啄木があくまでも安全なところで崩れていく(いや、一生懸命なのもわかるけど)のに対し、
脇で描かれる幸徳秋水、菅野須賀子の必死さはきらめく。命がけで表現、主張している。無用のものという逃げもない。
続く第4部はその秋水幸徳伝次郎が中心人物か。

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東は東、西は西「坊っちゃんの時代・秋の舞姫」(谷口ジロー・関川夏央)2
2010/01/26 [Tue]09:46
第2部の中心人物は鴎外森林太郎。
石川啄木も少し出てくる。さらりと描かれているが、同じ朝日新聞社員でも漱石との賃金格差がでかい。
「無用の人」を選びつつも、高い賃金や安定した生活を築いてたんだなぁ。それも才能といえばそうなんだが。

留学先でドイツ婦人エリスと出会い恋に落ちる一青年の鴎外と、森家の跡継ぎであり、近代日本に関わる公人の森林太郎がせめぎあう話。
せめぎあうといっても、漱石のように胃を壊して苦しむこともなく、静かに悩んだ末にエリスとの別れを選ぶわけだが、そこで「鴎外ひでぇな」で済まさないように描写が積み重ねられている。

エリスは日本を理解し、柔道の理に感心する。
個人にとって国も東西もないというのを地でいく人物だ。
対して鴎外も同じかといえば、似ているようであくまで武士なんだよな。
ドイツで母国をバカにされたら「心を鍛えて来た数千年」を持ち出し、「たかが数百年の洋智」と言ってのける。
日本人や武士道好きが喝采したくなるシーンではあるが、これは相手の自国文化自慢に対して自国文化自慢を持ち出しただけで、レベルは一緒だ。

分けることで整理するのは国や組織の理論。
分けずに融合(まさに結婚)するのが個人の生き方だろう。

鴎外が微妙に苦悩しつつも、エリスでなく家や日本を選んだのも当然だよな。
読んでいても若気の至り以上には思えない。
でも、なんだかだ個人の才能を発揮できる環境や時間があったんだから、もう良いとこ取りすぎるぞ鴎外。


個人の作家、つまり社会からは「無用の人」として亡くなった長谷川辰之助(二葉亭四迷)が、妙に幸せに見える。

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無用の道をつらぬくべし「坊っちゃんの時代」(谷口ジロー・関川夏央)1
2010/01/25 [Mon]09:52
谷口ジローにハマる流れで、新刊(復刻)ではなく歴史漫画を読んでみようと、明治時代の群像劇に手を出す。
子どものころに読んだ記憶だけあるのだが、もちろん楽しめていない。

紙幣のスマートな顔つきでおなじみの夏目漱石は神経症で胃弱。
留学から帰ってきたところに時代に浮かぶ青年たちが集まって、という、雰囲気ある出だしがいい。
漱石の伝記とか、「坊ちゃん」のメイキングとか、学習漫画ではなくて、
漱石を中心にぶわっと風呂敷を広げて、いろんな人を包む。

なので、思い返して「ストーリーの盛り上がりが!」「展開にハラハラ」みたいな感触はないのだよな。
包んであった「明治時代の一風景」の風呂敷を広げてもらった内容だから。
物語の盛り上がりとして、胃の痛みや葛藤が伏線や展開でねじ込まれて来ない。でも漱石の胃の痛みは鈍く伝わってくる。


風呂敷の中身は「新しい」「古い」に分けられていて、漱石は「新しい」側の知性として帰ってくる。
新しさに足場を置く余裕も金もある。

青年のひとりをモデルに「坊っちゃん」を書きつつ、時代と自分と作品を見つめては見つめ直す。
生来は呑気で、変化や上昇志向や対決を好まない人なのに、新しい側として煽るポジションに着いたんだから、そりゃ胃も痛くなろうというもの。

でも結局は自らが追いやった「古い」ハーンと同じ、無用の人として小説家を選ぶ。
胃の痛みを思えば、新しい側に徹して、教鞭を取り続ければ良かった。伊集院のように。
「坊っちゃん」が破れた柔道の試合を見ながら、小説家を決意するのだから、新しさを進める力に降参して、見限っているわけだ。

そんな漱石の「反時代の精神のありか」が主人公であり、結論も主張もない。
歴史はそうあった。漱石や「坊っちゃん」はそこにいた。
そういう面白さの漫画だな。空気、風景を読むもの。もちろん人物も面白いけど、読みどころは、その間だ。
だからかっこいいんだな。


第2部は鴎外森林太郎のお話。「舞姫」、高校生の現代国語で読んだっけ。

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悪霊がとり憑いている「ブランカ」(谷口ジロー)
2009/12/01 [Tue]09:16
谷口ジロー読んでみようシーズンにつき。
東へ向かってひたすら走る白い犬、ブランカを巡る漫画。

作中、ほぼブランカは走っているのだが、絵的にはほぼ跳んでいる。
漫画だから静止画なんだけど、ほぼ宙を駆ける絵のため、見ようによっては地表を低く飛んでいるようだ。
それでいいほどの超常の犬だからして。

狼を従えるカリスマ性、銃弾をかわしながら喉笛をかっきる戦闘能力、地形に応じて戦法を変える知性を持っていて、まー強いこと。
最初は存在そのものがミステリーで、徐々に正体、来歴が明らかになるのだが、84-86年の作品だけあって、そこはちょっと普通だったりする。

犬が強いから不思議で面白いんであって、筋肉や細胞が強化されてたら普通じゃないか、と思うのだが、そこに気付いたときにはすでに「科学の暴走」「人間にいじられた自然の逆襲」みたいな視点に話が移っていて、ブランカ自体もどしどしパワーアップしていくのだな。

人間側が外国人で、感情移入しづらい(これは読み手によるところか)のと、厚みに欠けるドラマではあるので、一気読みしたい作品。

勝手に自分が谷口ジローに「ジェントルなもの」を求めて読んでいるので、意外な感触だった。
あ、これ「神の犬」に続くのか。ほどよい終わり方だったと思うけど……厚みが出ればいいな。

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たったひとり起きて歩いているんだな「散歩もの」(谷口ジロー・久住昌之)
2009/11/26 [Thu]09:36
「孤独のグルメ」のコンビによる散歩漫画。
掲載は通販生活で、買い物ネタが入っているのはそのためだそうだが、どうにも全体的に、くたびれた感じが漂っている。
そこが味なのだが、通販生活としてはいいのかわるのか。
ともあれ、こうして文庫になってしまえば「孤独のグルメ」関連作である。
谷口ジローの絵を思えば、文庫で読むのはもったいないが。


男が一人で東京の街並、路地を歩く漫画だから、「モヤモヤさま~ず2」や寄り道しない「ちい散歩」「ぶらり途中下車の旅」のよう。
うんちくがない「ブラタモリ」でもある。

散歩は隙間だと、久住昌之があとがきで記している。この作品で町の隙間に落ちているのは過去だ。吹きだまっている。
井戸や雪駄、ゴムボール、ヒッピー祭りの空気。ハーモニカ横町が消えるのもさびしいけど観光スポットになるのも違う。

考えてみれば贅沢な男のわがままだ。
自分は若さを切り捨てて、企業の部長になっている。停滞した町を懐かしみ、隙間に残った過去を愛おしむ。
自分はそんな立場にないと思いながら。

これで説教や愚痴を垂れようものなら、オヤジ語りに反吐が出るところだが、街の隙間の過去に、自分を重ねる回想は、実に孤独で味わい深い。
しかしジャスト同世代の東京育ちじゃないと共感しにくい、どうしても個人的なことに思える部分もある。
「孤独のグルメ」のように、食い物がテーマだと「あるある」と思うのだが、街や時代の記憶というのは感応しにくいのかも。

その意味で、本作の主人公、上野原の方がよっぽど「孤独」なんじゃないかと思った。
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(2009/10/29)
谷口 ジロー久住 昌之

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なかなかね……死ねないもんだよ「犬を飼う と12の短編」(谷口ジロー)
2009/11/15 [Sun]09:27
なんだか単行本発売ラッシュの谷口ジローを、この機会に少しずつ読んでいく。
自分の読みログからして、読んだのは「飢狼伝」と「孤独のグルメ」か。思い返してもこれら以外読んでない。
どっちも原作付きだから、個人作を読むのは初めてになる。

最初の「犬を飼う」からして、じんときた。これはすごい短編集だぞと、いきなり確信した。
老いた犬が弱り、死んでいく。犬の命は人間より軽いとされているが、それだけに「たかが犬」の感覚が描写に重たい抑制を働かせている。
というゴタクはおいといて、描写から逃げていない。
老いて、傷ついて、ボケて、汚れて、痙攣して死んでいく。現実でも目を背けたいし、漫画/フィクションでわざわざ見たくないものをそのまま出している。

絵がうまいだけじゃないんだよなぁ。生命感まで捉えているような表現だ。

それに続いて「そして…猫を飼う」の短編が続くのも、キレイゴトの漫画ならナシなんだけど、現実のペット愛玩としてはアリ。ありうる。
読んでる方も「ええ~っ」と思いながら、猫に「かーわい~~」となってしまう。
そのわがままというか、気ままな人間とも向き合ってる……のではないかと。

それでいて露悪的にならないのは、紳士的な登場人物たちのおかげだろうな。
なんというか、「シャツをイン」しているきっちり感。
暴言や激高とは無縁ではないかと思える、ジェントルな空気。
その落ち着きの上に、緻密な描写がのっかり、安心して自然の情緒を汲み取れる。

だって、松華樓に独り住まいしている貧乏青年が自室でごろっとしているときですら、シャツをインしているのだ。
なんというキッチリ感。


で、残念なのは、この単行本、初出が書いてない。
書いた時期は知りたいものだと思うんだけど、なんでだろう。

というわけで、小学館と双葉社の作品フェアに乗るようにして、谷口ジローを読んでいこうかなと。
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