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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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ペロペロ君からもらった力を「少女革命ウテナ」(さいとうちほ・ビーパパス)1-5
2008/02/29 [Fri]09:30
少女漫画を読もう欲求を発散。キッズステーションで今年1月までやってた再放送アニメを見ていたので、いつか漫画もと。ネット古書店で5巻揃いが250円(送料別)なら即買いですわね。
アニメと並行した、アニメのためのコミック版という位置づけ。原作者のビーパパスはクリエイター集団で、そこにさいとうちほも所属している。最近も「SとMの世界」ってのをやってたようだ。

漫画はウテナが鳳学園に入学する前から始まり、黒薔薇編を抜かして(5巻に外伝的に短く収録)いるコンパクトな作り。アニメは4クールだものな。
ナナミも出てこないし、樹璃の恋心もわかりやすい設定になっている。
アニメでいえばギャグのパートがサクッと抜けていることもあるが、増刊号とかでちょいちょいとギャグのショートエピソードをやっている。カレーの人格交換とか(笑)

王子様とかお姫様とか薔薇とかがキーワードで、主人公はスポーツ万能。縦ロールの麗人まで出てくる。
そんなん97年にしたって古いだろうよと思うのだが、「古いから」にひっかかって読みにくかったりダサいと思えるわけではない。それはそれでのカッコよさ、美しさがある。思い切りがいいから?
典型的な少女世界を踏まえて、王子様の無力さとか、お姫様が守られてばかりじゃなく自立していく、とかの革命を含んでいる……ということだろうしね。

懐かしい少女漫画的なアイテムがいっぱいの、古き良き少年漫画のようなアクション&成長&巨大な力が合体したような漫画だった。
って、それを男装のウテナに重ねて読んだらいいのか。


正直、アニメもリアルタイムじゃないし漫画も今更の読みだし、受け取り方がわからない気分でもある。劇場アニメにまでなってる人気作なんだから当時の受け取り方がどんなだったか知りたいな。
特に「ちゃお」読者というか少女たちがどう思ってたんだろか。

友情・努力・勝利じゃなくて、ウテナは純情・奇跡・革命!
・・・・・・並べてみたら思い浮かぶかと思ったけど。どうにもこうにも。感想を持て余し気味だ。

劇場版アニメを見て、テンションを取り戻さないといけないようだ。

少女革命ウテナ (1) (小学館文庫)少女革命ウテナ (1) (小学館文庫)
(2003/08)
ビーパパス、さいとう ちほ 他

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何か自分でも説明できない「もやしもん」(石川雅之)6
2008/02/28 [Thu]09:18
限定版は買わないでおこう、と最初に決めてしまったので通常版を購入。
でもぬいぐるみは欲しかったなぁ。いまさら。向こうの表紙は美里・遥ペアだって。そっちのがいいじゃないの。

6巻は全編パリ。ワインうんちくを展開すべくドメーヌの跡取り娘と出くわす。
いきなり苛烈なパリ娘がワインを語る。しかも味じゃなくておもに業界トークだ。
相変わらず本筋よりも欄外やうんちくが騒々しい(そこが楽しい)漫画だな、と思ったが「もやしもん」の本編ってなんだよと。
遥の過去や後継者問題は洋の東西を問いませんねと語られてはいるが、なんだか逆に違和感があるほど、「展開」ってものが似会わなく読めてしまった。

いやいや本筋はしっかりあるんだよな(どっちだよ)。

キャンパスライフは進行して学祭もあったわけだ。前巻で学生らしさを見せてるじゃないか。それが今巻で進むとは限らないだろ。それだけだ。
美里と遥の夜空シーンにしても、思えば学祭で美里はプラネタリウムを見ている。それがつながってるってのはいちいち回想はさまなくてもいいし、つながってるかどうか、それに気づくかどうかも、どっちでもいいというか。
漫画の中のものは、主人公も脇役もゲストも菌も欄外も伏線もうんちくも等しく、構成物質として置かれている。
(おおげさだな。じゃ、なんで主人公なんてのを設定するんだろうね)
ぜんぶ、伏線はってから語るものでもなかろうと。
本筋はいくらでも読み取れるようにしてあるし、第一完結してねぇんだから「展開」「構成」で読者が騒いでもな。

自分は読み急いでばっかりで展開がワクドキ!をやってる漫画消費者なんだなと思った。ガックリ。
んー。全部読み返そうかな。新刊が出るたびに1巻から読みなおしたらいい作品なのかも。
ゆったりかもされながら読む漫画だ。でも情報量が多いから一気読みはできない。

特異なペースで読む漫画だな。


→学祭編、5巻の読みログ
目を見張るアイドル「もやしもん」5

→1巻を手にしたときの読みログ
表紙で読みこぼしてた「もやしもん」

そうか。表紙からして、沢木と菌の物語じゃないぜ、と主張しているのか。
農大物語として始まったけど、どんな漫画にするか約束はしてないぜ、と。
読み手の勝手なお約束も醸して変化させるとか、うまいこといおうとしたけどヤメ。


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(2008/02/22)
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将棋 好きか?「三月のライオン」(羽海野チカ)1
2008/02/27 [Wed]09:50
「ハチクロ」のウミノ先生がバイオレンス(ベルセルク)とエロ(ふたりエッチ)とギャグ(DMC)のヤングアニマルへ! という話題から始まった新作。
特技以外になにもない(といわれる)天才児の物語だから、主人公はタケモトじゃなくてはぐちゃんか、と読んでしまうんだけど、せっかっく振り幅の大きい変化(雑誌も舞台も)があるんだから気にしないどこう。(といいつつ気にしている)

美術の世界は自分との闘いだけど、将棋は相手ありき。ナマキズは絶えなさそうだ。「好きか?」と問われて、あの「はい」は、ねぇ。どっちも茨の道ですか。

冒頭のさびしくそっけないシーンから、騒々しい女の園をはさんで、巻末では冒頭につながる事情をずっしり置いてくる。なんといい一巻。うますぎる。
主人公もライバルも、三姉妹も、誰もが喪失感を抱えていて、明るさと悲しみを交互に打ちこんでくるから揺さぶられてしまうよ。

ギャグパートではキャラの設定や性格描写、状況説明がこれでもかとコマを埋め尽くす。動物がしゃべるのはもちろんだ。
絵で描いてあるのに「←寝ぐせ」とか「←結局あがりこんでる」「←よその子たち」。あげくに「←夢中」のわきに「もくもく」と書いてあったりして、もうクドいわ! 絵でわかるよ!
一巻だからでもないんだろうけど、今回用意したのはこんな人たちです、こんな場所です、こんなんなんってまーすと、作者が全力で語りかけてくる。愛情いっぱいで読んでるとホッコリする。

でも、過剰な説明はギャグ、余裕のあるところでしか使いませんよという確信的な作りだ。
将棋のお父さんの、専門家にある独特の「自分の賢さ、鋭さ、厳しさが基準になってて結果、空気が読めない」感じは、ウミノ式に過剰に説明すればギャグにもできる、のではないか。
例えば「私がそう呼べっていったんだよ」のシーンに、「←ただの本音」「←空気が読めてない」とかつけたらホラ、愛すべき将棋バカに見えるじゃないか。
将棋会館に集う面々は奇人だらけだしな。お父さんはそっち側なんだ。この辺は紙一重だと思う。

というわけで、勝負の世界の業をしょわされた人身御供、香子がギャグにならないといいなぁ、と思いながら楽しく読んでいるのであります。でもでも、最後は幸せにしてあげてよね、とも。

3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス)3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス)
(2008/02/22)
羽海野 チカ

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80年代に描いてます「ぶらっとバニー」(吾妻ひでお)1-2
2008/02/26 [Tue]09:10
徳間書店のリュウコミックスで完全版として復刊していた。全話収録にオマケもついてる。
バニーのデザインはかわいいな。フィギュア、ぬいぐるみが欲しい。

リュウの創刊号近辺で「バルバラ異聞」「不条理日記2006」を描いた関連で、コミックスのレーベルを彩る為に(このへん、ただの妄想)一作品を一本釣りしてきたようだ。

妄想管理関係の仕事をしているウサギ、バニーが人間の妄想を頭から引っ張り出してくれる漫画。
なのだが、わかりやすく男子学生の妄想に始まり、クラスのヒロインも妄想するよねの2話を経て、3話でいきなり猫が妄想する。妄想は人間だけの特権ではなかった!
3話目にして猫。その後も加速が(急激でもないが)続いて、恐竜の化石が、杉の木から植物や昆虫たちが、ゴキブリが、宇宙人が、もうなんでもかんでも妄想する自由が与えられる。化石って無生物じゃんかよ。

妄想を実体化させるなんてアイデア、普通のギャグ漫画なら悩める人々をきっかけに理想ではない妄想が現実化してギャフンでいいんじゃねぇの。
ってところだが、なるほど猫か。そうか。3話ですでにやられた。
アニメファンがアニメヒロインを妄想で実体化させるなんてエピソードが逆に浮いているくらいだ。これじゃ普通すぎる。

そんなだから妄想管理の設定はすぐになじんでしまい、マッドサイエンティストの予備校やら、男子禁制のパン屋(のた魚のパンを焼いてたり)、なんの説明もなく擬人化された乗り物といった、上乗せの展開も出てくる出てくる。
でもどれもちゃんとオチてたりして、妙にキッチリはしてるような。

しかしなんとも妄想することの楽しさよ。妄想できることだけでも幸せだ。壊滅させた世界に逃げ込んだままでいられるなんて。
世に必要なのは妄想だよ。

2巻の巻末に収録された松久由宇との対談は、読むまではいまひとつバリューがわからなかったのだけど、「夜の魚」を読んだことがあるなら副読になるのなと。
ボーナス収録分が古参のマニア向けだからなのか、オビの大塚英志、香山リカの推薦文はなんだか大げさなような。
新規をリュウコミックスに呼び込みたい戦略なのか。とにかくピンと来ない(ひでぇ書き捨てだ)推薦文なのだった。

妄想が足りないのかもね。自分は不幸だ。

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→最近の復刊の読みログ
ならばSFにするまで「チョコレート・デリンジャー」
再ブーム来てるよな。各社が復刊ネタを見繕ってたりして

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最期だ、テセラック。「度胸星」(山田芳裕)4
2008/02/25 [Mon]08:41
でっかい復刻版を購入。3巻で火星が出ちゃった表紙は、ロケットになってた。これ、どこのだろう。写真のクレジットが見つからず。
話からすればNASAでもはないし、H2Aとも違うっぽいのだけど。わかんない写真をもってきたのかも。

氷原サバイバル、スチュアートVSテセラックの顛末のあとは、展開が加速。
単行本半分では、ここまでのドラマを回収できないよなぁ。
火星に行くことの意味が、物理学で、人間の進化で、度胸の個人的なところで。いろんなレベルで「火星へ行く」が固まってきたところだった。
実際に最後のページに至るまで期待はしてたのだけど、やはり完結。堂々の「度胸星・完」だ。

しかしテセラックのわからなさと、この投げっぱなし完結が自分の中で妙に一致してしまってもいる。
そりゃね、主人公がようやく出立ってところで、最初から見せてきた最大の謎についての解説が始まったところで、テレパスの茶々と高次元の存在が、ってところで。とても完結とはいえないが、そんな事情もぜんぶぶっつぶすくらい、テセラックが圧倒的なものに思える。
度胸のガッツにもしびれつつ、それ以上にテセラックのわからなさをカッコよく読んでいたんだなと自覚した。

Q方向にいる高次元の存在って、ちょい前に話題になった「ワープする宇宙」の美人物理学者、リサ・ランドールの領域か。

訳者の方に作中のテセラックについて解説してほしい。
・・・いや、いいや。「度胸星」については謎のままでいいんだ。語るとすれば、やはり山田芳裕の仕事だし。だって漫画でどうなるか、が楽しみなんだものな。


→3巻の読みログ
人間は凶暴だということ「度胸星」3

度胸星 4 (4) (KCデラックス)度胸星 4 (4) (KCデラックス)
(2008/02/22)
山田 芳裕

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リサ ランドール

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気持ちの確定しているもの「漫画の時間」(いしかわじゅん)
2008/02/24 [Sun]20:50
執筆期間12年の大著を読んだ。
漫画は続々と出ているわけだし、紹介したい作者や作品がひょっと出てこないとも限らない。となると、どこで締めくくるかは作者にしか決められないが、その一段落は吾妻ひでおけのインタビューだったという。
実作者どうしでしか語り得ない部分を含んでいて、吾妻ひでおのコメントも生っぽく(吾妻本人の漫画だと笑いをまぶすからさ)、むきだし。
「失踪日記」を読んで笑った人には、最後のインタビューだけでも2100円の価値ありではないか。


いろんなところの連載、掲載に加筆して推敲した末のまとめ。あとがきによれば流行りの漫画ではなく、自分の中で気持ちの確定しているものを紹介している、と。
そうだな、これは紹介だ。もっといえばまさにノート。いしかわじゅんが作品(掲載誌含む)と作者と、どう向き合ったかが記されている。
細かい分析でもないし、描かれた世相がとか、作品から読み取れる社会がとか、あまり現実にリンクさせず、作品を真ん中に読者を対面に、面白さを語ってくれる。
読者からすると作品をはさんでいしかわじゅん本人と向き合うことにもなるので、自分語りはいーよ、とか思う人もいるかもしれないな、と思った。自分はソレ込みで読んでおもしろかったので、別にかまわない。

紹介作品の数もジャンルもバラバラだ。オビの推薦文(大瀧詠一)には「漫画を読まなくても漫画がわかる」とあるが、さすがに作者名も作品名もまったく知らないとピンとは来ないな。「わかる」ってのはそういうことに限ったことでもないだろうけど。
ただ、こう、なんつーか想像はできる。こんな漫画なのかなと。ま、いまどきは読んでから検索すればよろしいわけで。

前作にあたる「漫画の時間」は文庫で読んだことがあるはずだが、そのときはまだ漫画をいまほど読んでなかったし、もちろんブログもない時代。
自分と比較しちゃなんだけど、漫画読みの記録をつけている手前、こういうノートは自分がやっていたいものであるなと思うが、読みの量も、切り口の鮮やかさも及ばない。

座右にして地道に読んでいこう。


漫画ノート漫画ノート
(2008/01/25)
いしかわじゅん

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筋肉とて人を恨むのだ「シグルイ」(山口貴由・南條範夫)10
2008/02/22 [Fri]09:05
妙に穏やかな表情の最新刊。オビもない。もうここまで来れば作者の土俵。

とにかく、回想シーンも手術シーンも、襲撃シーンも一太刀の交換も、長い長い。非常に克明だ。
もはや、思いついたアイデアや浮かんだ場面を、すべて書き記したいのだ。削りたくない。それを許す環境にある。
読者は腹を空かせながら、メインディッシュを待つ。ひょっとしてオレもう満腹かもしれないけど前菜もうまいしいいか、みたいな。

いやしかし足を使った無明逆流れは仇討場で生まれるかと思いきや、1巻まるごと使うとは。
このままでいくと、締めくくりの御前試合は一太刀で2巻くらい使えるのではないか。
回想シーンで深めていく手法は、自分は「スラムダンク」で気づいたというか「またか」感を覚えたのだけど、それ以前からあったんだろうか。


特に権左の大暴れは予想も常軌も逸して続いたな。作者が権左を愛しているんだろう。清玄ともギリギリのところで命の交換をした。藤木が士道バカで、剣術、強さを愛し抜いてしまっていたのに対し、権左は虎眼流を守るために立ち上がったと。自分のために戦うよりも守るものがある方が強いのな。
……なんてね。読み返したらまた違うこと思いそうだ。
ここで藤木の強さ表示を凹ませる、潜伏させておくのが展開のアゲサゲで有効だ、ということでもあるよな。

清玄の見ているものと、実際の光景、人物像とのギャップは漫画的にもっと深みにいきそうだ。
だが最終的に抽象的なエネルギー体、思念のようなものでぶつかりあうのはナシでお願いしたい。
竜と虎のなにやらがからみあって天に昇るような、ソレはナシだ。


次から新章開始。ここから藤木の修行が始まるのだろうなぁ。
というか、原作小説のほかの剣士も出てきているから、彼らを深めていくのも新章かな。

うわぁ。まだまだ終わらないよコレ。



→8、9巻の読みログ
キャラ追加の先は?「シグルイ」8
権左は素手による「シグルイ」9

なんか、過去にも展開がもったりしたような感想を残してるのな。読んでると時が遅くなる漫画なのかよ。


シグルイ 10 (10) (チャンピオンREDコミックス)シグルイ 10 (10) (チャンピオンREDコミックス)
(2008/02/20)
南條 範夫

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以下関連

→平田版「駿河城~」の読みログ
人物は衣裳で見分けよう「駿河城御前試合―南条範夫原作集」上下

→屈木や雪千代も出てくる原作小説の読みログ
無明逆流れのほかに「駿河城御前試合」(原作)

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これが朝チュンてやつですか…「くらしのいずみ」(谷川史子)
2008/02/21 [Thu]08:45
原作がないほうの新刊も読んでみる。

細部は丁寧に、でも手や表情は描きこみすぎずにかわいい。やっぱり変わってないよ。
帯で石田敦子が「永遠の少女」と絶賛。乙女チックさについて保証がついてるようなもの。
掲載誌はヤングキングアワーズ系。やっぱり谷川史子はオヤジキラー作家なんじゃないのと、短絡的に邪推する。石田敦子もオヤジ殺しうまそうだ(暴論)。
アワーズは年齢層高めの、漫画読みなれた人が対象なんだろな。

内容は結婚をテーマにした短編が7本。仕事と恋愛とか、浮気や未婚妊娠が出てくるだけで「おお、大人だ!」とか思ってしまう自分の脳内は、どんだけ谷川世界に少女を求めているのかと反省。
でも結局は慎み深く、夫を愛し抜き、ささやかなイザコザで深く気づついて「大丈夫だよ」「好きだよ」の膏薬をぬりぬりしてあげるような、そんな世界は変わらない。

昨日読んだ「東京マーブルチョコレート」に続いて、男性(オヤジですか)の中の少女、女性像を裏切らない。
「朝チュン」ってのも、微妙に古いような……。お色気が最大値でソコ。

一話の「染井家」で、あれほど謎めいた妻が伏線となっていたのに、あっさりと解決。愛だけで、愛ゆえに。
いやまったく、男性向け女子漫画ですな。平和。


担当編集者は女性だと、あとがきにある。いまや青年誌は作家の属性を問わないし、作家も媒体を選ばないのかね。どうせ単行本で回収だ、みたいな論理はおいといても、指向として。
で、奥付を見れば連載担当編集氏のお名前と、最後に収録されてる「早春のシグナル」のヒロイン役の名前が一緒だったりする。漢字表記も含めて。
で、ヒロインに思いを寄せるのは婚約者だけではなくて……その人が思いのたけをぶちまけるシーンはひょっとして……モヤモヤと妄想をはじめようとしたのだけど、まぁ、名を借りただけでしょうなぁ。女子っぽいワイキャイ感。
ということで妄想を収めておこう。


→オリジナルアニメの「まんが版」の読みログ
俺ほんとにうれしかったんだ「東京マーブルチョコレート」


くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)
(2008/01/28)
谷川 史子

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俺ほんとにうれしかったんだ「東京マーブルチョコレート」(谷川史子)
2008/02/20 [Wed]09:57
少女漫画を摂取すべく谷川史子に手を出す。プロダクションI.Gのオリジナルアニメの原作、じゃないか。キャラクターデザインを手がけたきっかけで前夜にあたる「まんが版」の「ハロー、グッバイ、ハロー。」を描いたそうな。

読んでみれば昔、りぼんで読んでたまんまじゃないか。性のにおいがしない純情(純粋に思いだけ)失恋物語。
掲載は女性の漫画マニアのための(?)「Beth」だそうで、この昔ながら感は確かに上のほうの漫画読み向けなのではないか。

やはり少女漫画はこうでなくては! 悲しみを超えて次の恋をつかむまでのモヤモヤアレコレなんて楽しすぎる。

少女向けの少女漫画でもまだ、告白だけでドキドキ、思いのすれちがいでシクシクをやってるのかなぁ。やっていてほしい。
少コミの性描写が話題になったり、スレた少女少年キャラの“リアルな”大人ぶりが人気だったりとか、偏った知識しか持ってないや。
最近読んだのは「ハチクロ」「のだめ」「生徒諸君!教師編」と、「ライフ」を漫画喫茶で、か。
りぼん、なかよしあたりを立ち読みしてみたいがそれもまた。

そんな周辺のことはどうでもよくて。

およそ10年以上ぶりに読んだ谷川史子は、印象変わらず、「人」の猫口や「ー」の横一文字くっきり笑いをちょっと震えた繊細な線で迎えてくれた。
純情でカラっとした元気ぶりも同じくだ。化粧っけも抑えめで、人懐こいヒロインはファッションも地味目で恋愛が下手。
男の子にとって好ましい少女像、少女漫画像なのではないかと。
というかオヤジキラーのヒロインなのではないか。

優等生すぎやしまいかと思うが、これはこれでなくならないジャンルなんだろうなと思う。ジャンプにバトル漫画があるように、少女漫画には純情恋愛がなくてはいけない。

ああああ、告白されてぇーー!


東京マーブルチョコレート―ハロー、グッバイ、ハロー。 (ワイドKC)東京マーブルチョコレート―ハロー、グッバイ、ハロー。 (ワイドKC)
(2008/02/12)
谷川 史子

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断面図 見せて下さい!「まだ旅立ってもいないのに」(福満しげゆき)
2008/02/19 [Tue]08:20
少女漫画をもっと読もう、と思った矢先に福満しげゆき。積んである漫画の一番上がコレだったからしょうがない。

表題作の「まだ旅立ってもいないのに」は学生時代にガロで読んだことがある、と思う。新人賞かなんかじゃなかったっけ?
この本はそれを含めた初単行本の短編集。03年7月に初版で、手元にあるのは07年10月の5刷。売れてる!

「小規模」「カワイコちゃん」「生活」とさかのぼって読んでいることもあり、処女作にいたっても読みの違和感はない。一貫した個性があるのな。
いつまでもコタツのあるアパートで悲劇を夢想するような。暗い街と危ない人物が大好物。

しょぼく見える、七三分けの典型的なオジサンが意外な活躍をするものが目立つ。社会、会社では認められてないけど実は…!というのは「生活」でもしかり。
作者本人のルサンチマンを投影したものと読むのは簡単だけど、ギャップ狙いとしてはありがちかも。さかのぼって読んでるからそう思うのかもしれないな。
絵の特異さがあるからちょっとベタでもOKというか、なんだろ、ガロとかアックスらしくない??
(そのらしさってなんだ?それこそベタなのでは?と自己ツッコミ)


妄想のような世界を巧みで特異な画術で出現させている、というのが基本。
その妄想は子どもの空想のようでいて、女性を汚しがちなところがなんだか思春期くさいのだよ。世の破滅や偶然の事件、してやったりの犯罪。
しかし絵柄にピュアさがなくて、エロも下品だったり暴力もむき出しだったり。
中学生が妄想するとしたらもっとカッコつけてしまうのだけど、そこを逃げずにまんま、出す。半剥けのまま。

妄想するなら気持ちいい妄想をしちゃうのが半端なガキや丸くなった大人なんだよ。作者はその間にぶらりと浮いている。
そこがすごい。絶妙な剥け具合。
意図的でもそうじゃなくても、妄想のイタさをまんま出すことで自分がいちばん痛いのでは。
「カワイコちゃん」では無欲なのかと思ったが、違うな。マゾじゃないのか。



→収録した短編のいくつかを発展させた感じもある新作の読みログ
警備会社のような名目で「生活」1

→同時期発売の妄想短編集の読みログ
よく見たら黒目がちで「カワイコちゃんを2度見る」

→ブレイクのきっかけとなった漫画家漫画の読みログ
カワイイけどずんぐりむっくりしてるな「僕の小規模な生活」1


まだ旅立ってもいないのにまだ旅立ってもいないのに
(2003/07)
福満 しげゆき

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「少女マンガパワー!」を見物
2008/02/17 [Sun]20:55
少女マンガパワー


川崎市市民ミュージアムでやってる(08年3月30日まで)「少女マンガパワー! つよく・やさしく・美しく」展を見てきた。

少女漫画って「24年組って誰と誰?」ってほどかいつまんでしか読んでないのだが、原画展は作家のファンでなくても面白いものだしな、と。

知らないついでに初日(2月16日)の講演会も聴こうと、バスに乗ってえっちら。本数は多いが、駅から遠い。

展示の内容は原画+画集を中心とした閲覧。
というか詳しくはミュージアムのサイトにて。

いわゆる少女漫画家だけでなく、手治虫「リボンの騎士」や石森章太郎「龍神沼」なども。少年漫画家という言い方はないものな。女流漫画家とも言わないが。
展示にはCLAMPの「ツバサ」や「xxxHolic」もあり、それはもう少年誌、青年誌掲載じゃないのかと。まだ特異な例なんだけどその辺の線引きはもうあってないような。

展示で面白いのは「原画´(ダッシュ)」について。
ベタの濃淡やカラーの色合いはもちろん、鉛筆書きから汚れまで再現した複写物。原画と並べて展示してあったけど、正直区別がつかない。漫画原稿の保存が難しかったり、散逸することもあることから、「原画´」の技術は重要なのでは。
これだけ本物そっくりだと、逆に贋作騒動が出たりして。原画´には作成段階でなにか印が入るんだろうか。

原画→色校正→出版物で比較展示もあって、たしかに出版物では原画の色が再現できてなかったりする。
でも色校正段階で出ちゃってた「ホワイト修正」が出版物ではキレイに消えてたりして、印刷を前提に漫画が描かれ、編集や校正が入るんだから「原画´」の役割は漫画出版とは別にあるのだよな。
それは画集だよな。館内で販売してた図録のコメントで竹宮惠子は「色がでなくて悔しいから」と「原画´」の意義を語っているし。


講演会はイベントをアメリカから持ち込んだ徳雅美さん(カリフォルニア州立大学教授)。
アメリカではここ5~6年で、24年組からCLAMP、よしながふみ、「やおい」まで体験しているそうで、その圧縮具合はすごいな。
古いものは古いものとして、なんとなくでも時代感コミで読んでるんだろうか。初見だけど再放送という意識は持てるように。でも雑誌掲載で読み進めてると、進行形の体験になるような。
いきなりやおいか。でも70-80年代にも同性愛の少女漫画があるわけで、まとめて読んじゃった方が違和感ないのかもな。

性的な描写への抵抗感が文化的にあり、メジャーになるかってぇと難しいというかまだわかんないと。歴史が始まったばかりだし、ブームでオシマイかもしれないし、ブーム後にアメリカ国内のショウジョマンガ作家が出てきて(アメリカなりの)メインストリームになりかもしれない、よな。

などなど。少女漫画はたいして知らないなりに楽しかった。
図録を読み込んで、気になった少女漫画を読んでみるかと思っていたが、帰り道ですぐにも少女漫画が読みたくなり、谷川史子の漫画を買ってしまった。

テーマ:ヲタク人日記 - ジャンル:アニメ・コミック

どこかにわたしのことをぜんぶすきなひとが「女の子ものがたり」(西原理恵子)
2008/02/15 [Fri]11:25
続けて読んでみよう、サイバラ式・大人の絵本。いったん気になると固め読みするものだ。

大丸のある、海の向こうの街から引っ越してきて、小汚い少女時代を悪友と過ごし、悪友とお定まりに非行も経験して、上京する。
「上京ものがたり」の前の話とか、「野ばら」に続くとか、そうではないだろうが、切り取ったり持ちだしてきたものは同じ風景から。だと思う。

大丸でホットケーキを食べていた子供が、突如貧乏で汚い生活に引き込まれてしまうのだが、そこはそれ、子どもなりに慣れていく。

でも外様の気分は抜けなくて、海を見れば「かえりたい」し、ひとりで「にゅうにゅうさん」と遊んだりする。
誰かに愛されたい、かまってもらいたいんだけど、まなちゃんは「だいきらい」。
貧乏は耐えられるけど上から目線は憎い。
偽善やボランティア気分は感じさせちゃダメだ。
とか、そんだけでもなさそうな(嫉妬含みの?)理屈ではない「やな感じ」をついっと目の前に出してくる。
正直だなぁ。こういう嫌い方、読んでて理解できるけど、描いて世に出すのはしんどいと思う。


絵を描く面白さに目覚めて、非行を中断して上京するあたりはサックリと。「もうかえらない」のだ。
外様のまま、貧乏のまま、土地の磁場にとらわれたままではいられないけど、原風景として焼き付いている。

烙印というか刺青のような、描くことで覚悟を示し、足元を踏みしめるような。そんな作品か。

やー、サイバラ作品のようにはいい言葉が出てこないものだ。


女の子のころから、ひとり海を見つめていたのだな。
高知県のどこかに、この海はあるんだろうか。漫画のようにふにゃりとして割り切れない匂いがするのだろうけど、まだあるのなら見てみたい。


→上京してから漫画家になる漫画の読みログ
今でも忘れない「上京ものがたり」

→海の見える街へ出戻って、の漫画の読みログ
こんなおばさんがどこにいくのか「パーマネント野ばら」


女の子ものがたり女の子ものがたり
(2005/04)
西原 理恵子

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軟弱な見せかけの裏に「燃えるV」(島本和彦)1
2008/02/14 [Thu]09:36
「アオイホノオ」でスポット当てられ中の熱血漫画家によるテニス漫画。
単行本では書き直していたが、文庫版は連載時バージョン。「燃えるV」を今持ってる濃いファンは読み比べのため、持ってないファンは特に気にせず読むと。

1巻の段階ではまず、テニスをまともに扱ってないというか、敵視しているよな。
番長漫画とテニス漫画をぐちゃっと混ぜているが、テニスの「さわやかさ」と番長の「熱さ」のどちらもシラケている。番長の暑苦しさでもってテニスをぶっつぶす!…ならわかりやすいんだが、「炎の転校生」の立脚点が熱血の(過剰な)パロディだったから軸足はそこにもない。
両者への揶揄でバランスが取れてしまっている。
「全日本5位だぞ!」と「ビクトリー狭間だ!」が同居してるってのは、島本世界を期待してる読みとしては二方向の「常識破り」を楽しめて美味しいんだけども。全体ではどうかという。

1巻を終えてテニスの基本的なルールや、テニスの強さレースへの参加が決まってきている(ような)ので、今後のパロディバランスはまた変わってくるのかな。
本来はテニスも体育会系だ!というノリで、妙に暑苦しい本気テニスをバトル風に持ちだしてきたら、「テニスの王子様」のように……はならないか。
ともあれラスボスは父親になるべきであろう。
ヒロインのテニス能力もかなり高い位置で未知数だったり、実は15、16才だったりの行き当たりばったり感もあるけど、先行きは見えないくらいでいいな。


巻末のインタビューで「面白くできなかった」「理屈に追われた」とか、「取材先のテニスコーチが典型的だった」とか。
軽井沢で取材しちゃあ、なぁ。大学の体育会だったらまた違ったかもしれない。英才テニス塾とか。そこでもいっしょの「典型的」だったらテニス界の統一感おそるべしだ。


→いろんなのを具にいじくるSF短編集の読みログ
キミらにはたぶんわかるやろと思う!!「ワンダービット」1-3

→ガレージキットすら熱血になる!漫画の読みログ
あれだって…あれだって!!「ガレキの翔」


燃えるV 1 (1) (MF文庫 9-16)燃えるV 1 (1) (MF文庫 9-16)
(2007/12)
島本 和彦

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大ごとじゃ思えたころがなつかしいわ「この世界の片隅に」(こうの史代)上
2008/02/13 [Wed]11:42
「夕凪/桜」の作者が、戦中時代の呉をじっくりと描く。
戦場ではないが軍港のある街で、悲劇的でもないけど愛にあふれているような感じもない新婚生活が始まる。

戦争の手ごたえは日々、暮らしの苦しさとなって表れてくるんだけど、沖の軍艦は勇ましく、なんだか実感がわかない。
定点カメラで、動作、所作のひとつひとつを丁寧にコマ数を割いて描いていく。読者はカメラになりきるんだけど、ふいにすずの視点を任されてしまうことも。あ、と思ったらすず視点に同期している。
アタマに収録されてる少女時代の、絵を描くシーンなんか、特にそうだな。

カメラ(作者)=読者=すずと、視点がつながる。
手法自体はこの漫画に限ったことじゃないけど、やっぱ丁寧な描写があるから如実なんでないの。

で、しっとりとした描写からキレイなズッコケオチで締めるのは相変わらずなのな。
でないとしんどすぎる漫画になるしな。作者も描いてて照れる、のか。


少女時代を踏まえて読むと、戦争の中でも幸福に暮しましたとさ、という流れで(絵柄も暖かいしな)線を引いちゃうんだけど、連載が本格的に始まると結婚も生活も現実的でシビア。義理の姉にイビられるのはギャグのようだが。
水原があっという間に退場。

絵柄のほのぼの漫画らしさと戦争の現実のギャップを、大きな武器にしている。
ズッコケオチで締めつつも、作者の意図は明確だ。容赦なく鋭い。



→広島原爆三代記(こう書くとのんきな響きだ)漫画の読みログ
ぜんたい この街の人は不自然だ「夕凪の街 桜の国」

→愛なんて確かめなくてもの現代漫画の読みログ
照れ隠しに落とします「長い道」 


この世界の片隅に 上 (1) (アクションコミックス)この世界の片隅に 上 (1) (アクションコミックス)
(2008/01/12)
こうの 史代

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ティイイイイイアイッッッ!!!「グラップラー刃牙 外伝」(板垣恵介)
2008/02/12 [Tue]09:34
古書店でバキ外伝を発見。99年連載のもので、「グラップラー刃牙」と「バキ」の間、ジャイアント馬場の死後に描かれたもの。
花山薫の「疵面(スカーフェイス)」もあるし、外伝の多い漫画だ。役者揃いなのな。

現実ではありえなくなった、馬場VS猪木を漫画でやってみせたという夢のマッチング。
伝聞や周囲の反応からスゴさを語る手法、展開はここでも、「ピクル」でも変わってない。
清掃のバイトくんから格闘技雑誌、テレビ、そして日本中が動く。外科医も手術を投げだすほどの、愛する者の死に匹敵する緊急事態が伝染していく。
1/4くらいまではその描写、試合が動き出すまでで1/2を使う。
予備知識がなくても、プロレス業界全体が誌面から浮かんでくる濃厚さだ。

試合の運びも徹底的に“らしさ”を踏まえたもので、おそらく居酒屋でプロレスファンたちが「対決が実現したら……」の語りを繰り返し、繰り返し、夢想してきた末の、ひとつの結論なんだろう。
ただの有名レスラーでなく、スターとして、興行主として業界にかかわってきた思い、屈折した感情もぶつけあって“らしく”語る。
技は受けなくちゃいけないとか、プロレスが八百長だのなんだのを超えた“らしさ”が美しい。

これを理解するにはプロレスの知識がないといけないはずだが、自分もちゃんと乗せられて読めた。プロレスファンならもっと楽しいのかな。そこは残念だがもはやしょうがない。
でも「そこは違う!」「ありえない!」とかの拒絶反応もあるんだろうか。下手に知ってると。
「違うと思うが、板垣が描くならOK」という読み方もありそうだ。


オチは……まぁ、追悼漫画でもあるからして。
16文キックと同じ、「なんと雄大で…なんと力強く」「なんと斗羽的」な驚きがある結末なのではないか。


→青春の外伝の読みログ
快感を与える!!!「バキ特別編SAGA」

→最近の外伝の読みログ
彼の時代ですッッ!「範馬刃牙10.5外伝 ピクル」

グラップラー刃牙 (外伝)グラップラー刃牙 (外伝)
(1999/11)
板垣 恵介

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コンパスが…ぼくの…中に…「マップス ネクストシート」(長谷川裕一)3
2008/02/11 [Mon]10:30
惑星サイズの前作ボスを軽々と打ち破った宇宙船サイズの宇宙人に対して、恒星まるごとをエネルギーにして立ち向かう。
実にいい感じのインフレが起きてきました第3巻。盛り上がってまいりましたな。うわはは。
極端なパワーとか弱い精神、極端に巨視的な世界の流れと一個人の意思。どうやったら噛み合うのか理解できないが、「マップス」の中ではがっぷりよつだ。

だが主人公がまだまだ弱い! だがそこがいい。窮鼠猫を噛めばいい。
インストールでパワーアップしていく少女宇宙船の膝小僧を支えて、肩車してあげて、とうの少女がビクンビクンしながら「入ってくる」だのなんだの。
これはどこの「あなたと合体したい」かという。(違う)

メロンさんことガッハ、デニーとレニーも合流。そのうちラドウとダードや恐竜の博士とかも出てくるのかな。大トリはもちろんゲンとリプミラであろう。

で、大テーマにブゥアーを持ってきた。データベースになってブゥアーの中ででも存在していられればそれでいいという、バーチャルワールド的なアレが。
仮に主人公がブゥアー側で流れるとすると、白銀の支配者(巨女)は救世主だぜ。前作から逆転だ。
って、ブラックホール内蔵とか不死とか次元越えとか出てきたのに、前作から継承した話題にさらわれた感はあるなぁ。
混ざりっこして、どこまでもこんがらがって、んで気持ちよく納得させてくれると信じている。


→2巻の読みログ
三次元へとやってきた二次元人です!「マップス ネクストシート」2

→1巻の読みログ
幼女と宇宙船「マップス ネクストシート」1


1巻のころは、ウェブコミックなんてところで「マップス」が復活して、短期終了してもなんだなと思っていたのだが。
どうやら本気の「ネクスト」だ。勝手に侮っていたぶん、盛り上がらせていただいております。


マップス ネクストシート 3マップス ネクストシート 3
(2008/02/12)
長谷川 裕一

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そろそろ描いたら?「アオイホノオ」(島本和彦)1
2008/02/10 [Sun]22:10
「燃えペン」「吼えペン」前夜の、共同風呂の下宿でくすぶる青春時代のホノオモユルの物語。

表紙が異例のおとなしさで、燃焼前夜のアオさそのもの。でもそれでは書店で「島本だ!」と思われないので、でっかいオビで引きつけている。編集者としてはそうするよな。

タイトルは作中で使われている刺々しいロゴじゃなくて、消え入りそうな弱い書体。
なにしろ作家人生も序盤(てかまだ本格的に描いてないし)で、すべてがまだまだ、まだまだ、これから以前。スタートラインも引けてない。グラウンド整備もできてない。
一巻が終わって、腹筋が鍛えられてただけだが、かすかで確実な意義がある。

最初は読み切り前提だったとは思えない、壮大な出だしだ。
始まっちゃったよ、どうするんだよ。
本気でもがく過程に突入するんだぜ、大変だぜ。
だって漫画の枠を用意するだけでひと騒ぎなんだよ。この段階では。

万全のデビューをすべく、天才だという自負を持て余すなんて普通ならイタい人だ。アオすぎる。
大いなる先達への生意気なツッコミを恐れないアオさをショートギャグにして「これからだ!」だったらスカッと笑えるんだけど、この物語は続いてしまうのだ。
描いてない純然たる読者のままならツッコミで終われるが、描くと決めたら、自分のアオさが自分に返ってくる。
「俺の思い描いてる原稿じゃない!!」と。
このガックリ感からして、単行本にまとめようとした際に表紙がくすぶった感じにまとまったのではないかと勝手に思った。


当時のサンデー連載についてのライブ感想(うますぎる模写あり)とか、学内の雰囲気、庵野秀明の発見(一方的認知)、今の漫画・アニメ業界で活躍する面々のこと、アニメの見方などなど、時代描写も面白い。

ともあれ焔クンはモテて、いいなぁ。タイプの違う2人が寄ってくる。うらやましい。
直接の糧にはなってないけど、漫画家への一歩はトンコさんとルーカスが踏み出させたのだよな。
見る側から作る側にいかないと本当に、本当にダメだというきっかけに。
ギャグなんだけど、なにかこう、アツくなるね! 三十路こえてるけど大学生とシンクロさせていただいた。

で、巻末の広告ページは「新人マンガ大賞」。
……そりゃ、ね。いれたくなるよね。


→その後のホノオモユルは立派な多忙作家に……の読みログ
「新吼えろペン」7,8,9(このブログ内の検索結果)

→本作と直接関係はないが、漫画家になるんだ男の許せない方はこっち。
「俺はまだ本気出してないだけ」(青野春秋)1

アオイホノオ 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)アオイホノオ 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)
(2008/02/05)
島本 和彦

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あるもんは認めねぇとなぁ「邪眼は月輪に飛ぶ」(藤田和日郎)
2008/02/08 [Fri]09:36
新刊がエアポケットだな、と思いつつ再読。「アオイホノオ」が届くのを待ってる関係で富士鷹センセイのを。関係ないか・・・

見るだけで殺せるフクロウがいて、それを撃てるのは殺気を消せるマタギだけ。サポート役にはフクロウの呪毒を散らせる拝み屋(巫女)。
この三者だけだと妖怪退治の昔話なんだが、米軍やCIAは乱入するし場所は現代東京のド真中。
こんだけ役者と舞台が揃うと納得ずくで引きこまれてしまう。絵とナレーションの力もつよい。

モニタや電波を介しても「見られたらみな死ぬ」なんて非現実度2000%の設定なのにな。
というか読む側の予想や鼓動より圧倒的に素早くジェノサイドが起きてしまうのだ。その絶望だけですっかり持っていかれる。もうこりゃ受け入れるしかねぇ、と。

んで、最後の最後にはフクロウ側にも感情移入させられるほど、読み手の視点や乗り所はぐるぐるしっぱなし。「次はコッチ!」「はいコッチも見てねー!」のガイドが巧み。
単行本一巻の構成できれいに世界を怖れ、愛し、味わいつくせるというか、構成が抜群だぁ。

ハリアー戦闘機とマタギの共闘という発想もカッコいい。素晴らしい。
そういえば「うしおととら」でも、飛行機上での“衾”戦はじめ、街中のシーンが好きだったんだよな。

続編も書けますよという雰囲気で、「イギリスで毒の角……」なるヒキがあるが、これは細部まで語らなくてもいいような。マタギと米軍が歩み寄っていく過程も面白いんだから、最初からコンビじゃしょうがない。

面白い漫画は何度読んでもいいなと思った。


→洋モノの短編の読みログ
回り道などせずに堂々と立ち去るのだ「黒博物館 スプリンガルド」


邪眼は月輪に飛ぶ邪眼は月輪に飛ぶ
(2007/04/27)
藤田 和日郎

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家まで奪ったのにな「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平)9-10
2008/02/07 [Thu]11:25
9巻で「フリーターくん」編、大団円。

ゲストハウスやホームレス生活の恐ろしさよ。服装や言動や小道具が実にリアル。絵でリアルなのは描きこんだり資料に基づいたりなんだけど、さまよう街の寂しさは写実を超えた現実感があるよな。普通に目にすることもある風景をあそこまでさびしく描かれちゃうと、困る。自分のいる世界とつながって見えてしまう。あくまでも漫画にさせておいてほしいよ。

でだ。「フリーターくん」編の完結で妙に救われた気分になってしまったが、おかしいだろ。
勝手にハメられてなんとかなって「よかったね」ってのは。

ウツイ個人でいえば、自業自得からの自主的再生で苦労や努力も経ているため、カタルシスのある「いい話」だ。
でも母親がウシジマにハメられてた(最後まで田嶋さんだしな)のは事実だよなぁ。それも自己責任とか、父親の早期退職(リストラ?)が家庭崩壊を招いたとか、ウツイ家側に責をもっていく気にはならない。

ウシジマはウツイに優しいってのは、遠回しのギャグだ。
最後に「男同士の約束だ!」として「毎月5万円一年間」が「優しい」ことになるとは。
借りたのは50万円で返済総額が60万円。(それ以前に返済してたみたいだが…)
年利20%。法定金利を守るだけで「優しい」と言われてしまうウシジマよ……。


10巻からは「サラリーマンくん」編。
正社員の職があり(ボーナス80万円)、妻と2人の子供がいて借金はない。仕事に悩みはあるけど根本的に無能ではない。
そんなまともな人が主人公というかターゲット。幸せは崩壊、喪失のために描かれるものだ。板橋氏から延焼するんだろうな。

マサルがどんどん闇金業者的にスキルアップしている。あの少年が立派になりましたなぁ。


→5-8巻の読みログ。「フリーターくん」編は7巻から
株で絶対、儲かる方法って「闇金ウシジマくん」5-8

→1-4巻の読みログ。序盤はまだヤンキー漫画臭い部分もあったよな
家がビンボーで金がねェ!「闇金ウシジマくん」1-4


闇金ウシジマくん 9 (9) (ビッグコミックス)闇金ウシジマくん 9 (9) (ビッグコミックス)
(2007/08/30)
真鍋 昌平

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闇金ウシジマくん 10 (10) (ビッグコミックス)闇金ウシジマくん 10 (10) (ビッグコミックス)
(2008/01/30)
真鍋 昌平

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今でも忘れない「上京ものがたり」(西原理恵子)
2008/02/06 [Wed]10:30
続けて読んでみよう、リリカル西原。少女期の夢想が実現する、上京・上昇物語。
「毎日かあさん」で、漫画家になるのが夢だったからと語っているよな。確か。

大口開けてハハハハってコマは少なくて、伏し目がちに口を尖らせてばかりいる。
困り眉毛になれるほど、苦労やあきらめへの理解がない、少女の顔だ。

買えない美術書を前に「私はかっこわるい」
手作り名刺で「何でもかきます」
初仕事に「やったぁ」
担当者からほめられて「やったぁ」

ド根性じみた努力エピソードこそそんなにないが、作者の、描きたいという渇望がしみ出して止まらない。
やっぱり売れる人は才能があるんだなとか、運が良かったね、いい人と出会ったねとか、やっかみ禁止。
特訓して売れたら納得するもんでもないよな。そして、努力はぜんぶ見せなくてもいいものだ。こねこはもうひろわない。

パブ嬢を辞められない先輩へ「お先に」
売れてやっかまれても「でも平気」
泣いてる同業者に「あんたがつまんないから、わるいんだよ」

なにかをなした、なそうとしているものの強い言葉。両刃の覚悟はあるだろう。
下手に暑苦しい起業家の半生記よりも、勇気づけられる。漫画家じゃないのに、自分がトレースできる軌跡でもないのに素直にそう思う。

そして、人をほめることは、こんなにも人を動かすのだなと。ほめられてうれしかったことは確かに忘れないもの。
正当な報酬をもらえなきゃ継続的に人生をかけてつきあうのは現実的に難しくなるけれど、ホメられて温かくならない人は少ないわけだし。


なんか子どもみたいな感情を抱いたな。自分はもう三十路だっつーの。
たまにはいいよね。


→っても女の生き方いろいろ、という作品の読みログ(ややダウナー)
こんなおばさんがどこにいくのか「パーマネント野ばら」

上京ものがたり上京ものがたり
(2004/11)
西原 理恵子

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こんなおばさんがどこにいくのか「パーマネント野ばら」(西原理恵子)
2008/02/05 [Tue]10:53
「ぼくんち」に似た風景の、女の物語。物語ってぇか、日常だ。
いつでも困り眉毛で少女の心。

強烈なババァの極彩色メイクなんか、フルカラーで見せるなよ!と吹き出して笑ってもいられないのはお約束。
海や折々の日差しの遠さ、夜の冷たさは彩色漫画じゃなきゃな。

社会において女性ってのはさー、男ってねぇ、恋なんて、結婚が、夢が。という大人の絵本。
オチはありません。笑いの部分のまとまりはあるけど、人生なんだから死ぬまでオチない。
「で、どうしたいの?」「抜本的な解決策を考えなきゃ」ってのは男のものなのかしら。泣いてザンゲして愚痴ればいいのか。明日があればいいのだ、なのか。

女は優しいので、ツッコミや笑い飛ばしはあれども、全否定はしない。
「世間が注文した女をやってきた」自負。その自負からの強さ。
「毎日かあさん」で自立した女性像の強さも描いているし、母親最強だな。母親集団になれば特に。
男からすると、同じ人類とは思えない。ポジティブなのか無気力なのかバカなのか。怒ってるのか泣いてるのか。わからんよ。

そして「野ばら」は主人公がギャグやってくれないのな。珍しく整った顔立ちをしているし、見守る立場で、自身のアレコレを噴出させなくて、最初から最後までつかめない。

自分の実家も男性社会っぽいところがあるから、こんな光景は見たことないよ。
女はわからん。ただ尊敬する。


パーマネント野ばらパーマネント野ばら
(2006/09/28)
西原 理恵子

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警備会社のような名目で「生活」(福満しげゆき)1
2008/02/04 [Mon]10:44
「小規模な~」で広く(広いよね?)注目を集めている作者の長編新作。連載はアックス、版元は青林工藝社。
あとがきにもあるが、作者の不安神経症なところと、過剰に備えてしまう強さ(とにかくいろいろ気をつけよう!)を表した漫画。
個性的なキャラ豊富、アクションあり、怒涛の展開続きで名作の予感。メジャー誌の「小規模な生活」よりもメジャー誌らしいのではないか。
アクションや武器もカッコいいし、妙にカッコいいなりのカッコわるさも残ってるし、出てくる人たちの顔が面白いこと。かわいい丸顔女子も出てくるしな。

タイトルはなぜか「生活」。表紙には「a life」と付いてるが、タイトルそのものは「生活」のようだ。圧倒的に検索負けする名前だ。
善とか悪とか、裁くとか正しいとかじゃなくて、それぞれが気持ちよく生きるためにどうこうって漫画だから、このタイトルかなと、納得してみる。

闇の懲罰行為を個人的にやってたら、いつのまにか人が集まって必殺仕事人、怨み屋本舗みたいなオオゴトへ。
テレビや新聞で情報化されて、行為の結果と快感だけが広まってしまった。
普通に考えれば警察組織の法的、組織的な弾圧とぶつかりそうだが(今後の展開か?)、いまのところそれはナシ。人間対人間の弱肉強食(トンカチおじさんが言ってたようにだ)、狩猟生活が生まれてしまった。

妄想的な世界が現実を覆い尽くして逆襲してくる。種火の延焼が激しすぎたな。
あっけらかんと描かれてはいるが、それだけに読んでいて「いつのまにかオオゴト」感に巻き込まれる。
実に緊張感のあるところで2巻へ。面白い!


→タイトルは似ているが別漫画、の読みログ
カワイイけどずんぐりむっくりしてるな「僕の小規模な生活」1

→妄想が暴走する短編集の読みログ
よく見たら黒目がちで「カワイコちゃんを2度見る」

青林工藝社の福満しげゆき単行本、軒並み読みたくなってきたな。


生活 1 (1)生活 1 (1)
(2008/01)
福満 しげゆき

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屈折させなきゃ恥ずかしくて「愛のさかあがり」(とり・みき)天/地/無用の巻
2008/02/02 [Sat]23:12
古書店で角川書店のB5判、87年発行のものがまとめて売っていた。なんと500円。以前に文庫で読んだことがあるんだけど、記念に買ってしまった。95年に筑摩で文庫になってるのはAmazonで確認できたけど、その後はどうなったのか。埋もれたか。

作者が語り手として主人公、進行役を務め、基本的に実話で構成されるエッセイ漫画の元祖。
キレイなオチのある実話、体験談、聞いた話(都市伝説)ってのは、今の「あるある話」「すべらない話」でも有効なことが示されてる、上質な笑いの作法だよな。
各話に注が付いていて、連載当時と単行本時でもちょっと事情が違ったり裏話があったり。となると文庫版も読みたくなるのだが手元にないのが残念だ。文庫版が手元にあったら買ってない可能性が高いけど。

街角でオジギビトやレプリカント(マネキンや警官の人形)について思いを馳せ、知人や読者から痛い話、金縛りにあった話を収集する。取材、狩猟する漫画だ。
時代や社会がざくっと切り取られたニュアンスは、作者が得意とする「実写からの模写」「実写のワンシーンのような」ひとコマ表現とよく合う。連載当時(85年~)のサブカル標本(偏ってるか)ではないか。

ネタ元となる編集者、知人にも奇人が多い。
最終話近辺では武田徹まで出てくる。当時は月刊NAVIで警官人形の研究をしてたとかで、オジギビト研究と交差したと。
ああ、雑誌が情報量至上主義になってないころの、文化というか世の中の「面白」を引き受けていた時代っぽいよなぁ。いいなぁ。

そして知人として登場するのは米田裕、河森正治、出渕裕、横山宏とか。
ジャンル分けして生きてるわけではないだろうけど、ここを踏まえると後年に「パトレイバー」劇場版「WⅩⅢ」でとり・みきが脚本を書くのもわかるというか。根っこがそっちだったかと。(当時は「TVブロスでシュール9コマ描いてる人がなんで?」だったという反応もあったはず)


エッセイ漫画はいまやよくある一ジャンルだけど、「愛のさかあがり」はテーマの掘り出し方、収集・研究、オチのつけ方(漫画としての構成だ)のいろんな面で遜色ない。
そりゃネタは古いけどさ、古いものを古いまま楽しめるのは構成の力だ。作者がちゃんと主幹してるんだよな。

とり・みき責任編集でウェブマガジンでも立ち上がらないものか。そのアイデア自体が80年代か。


→96~07年の狩猟漫画の読みログ
将軍様いらっしゃい「時事ネタ」

愛のさかあがり 天の巻愛のさかあがり 天の巻
(1987/10)
とり みき

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ならばSFにするまで「チョコレート・デリンジャー」(吾妻ひでお)
2008/02/01 [Fri]08:30
杉作J太郎の男の墓場プロダクションが実写映画化するということで復刊していた。
もとは秋田書店だが青林工藝舎から。青林工藝舎にしては小さめの判なのね。
帯には映画情報と作者の「好きに作ってね」コメントがあるが、読んでみればたしかにな。実写映画化はかなり困難じゃないの。

不条理探偵ギャグとか、不条理ハードボイルドとかいわれている作品だけに、コマとコマの間の飛躍がすさまじい。読みながら想像していた展開、場面のつながりをシラーと避けていくのだから。
読み手にイニシアティブのある漫画ではその飛躍が心地よく「不条理」になるが、送り手主導の映像でこれをやるとただの意味不明、身勝手映像になるんじゃなかろうか。
特撮もそんなに予算なさそうだし・・・・ビジュアルの異様さで攻める線もなさげ。美少女がちょいエロもある探偵ギャグをやるってだけでもいいのかも。
公開や続報を待つしかない。


で、漫画は面白かったはずなのだが、すべてを笑ったのかという不安も残る。
いしかわじゅんや新井素子が紛れ込んでたり、「カリギュラ!」とかアトム風の恰好で「人間はなぜ争うのか」とか、説明なしのパロディ、遠くからの引っ張り込みネタがある。
となると「死んだ馬牧場」や「漬けもの男」にもなにかあるのかなと思ったり。
たき火やってたらマンモスとか、ジョギング男がゲコゲコとか、考えなくても面白いんだけど、つい何か背景が?と思ったりして。
のた魚や「しっぽがない」のおなじみキャラも出てくるし、三蔵については「ネムタくん」を読んでたらよかったか。

最初の数話はひとコマのなかでなにが起きているかを把握するのに手間取ったのだった。
さらっとは読ませてくれない、読み手が脳内で最後の味付けをして面白がるものかも・・・と思うことにした。いろいろ考えなしでも面白いからいいんだよ。


ハードボイルドや推理物、少年探偵もの、熱血、SFなんかをイジったネタが目立って、連載の80-82年当時は「これはどのジャンルか」「SFはもう死んだ」とか、ジャンルに対する言及や新しさってなんだ論がまきおこっていたと思われる。
掲載誌「プレイコミック」のせいなのか、凝ったギャグができたんだなぁ。内輪と言えばそれまでなのかもしれないが。


チョコレート・デリンジャーチョコレート・デリンジャー
(2008/01)
吾妻 ひでお

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