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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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武士はいったいなんのために「カムイ伝講義」(田中優子)
2009/04/30 [Thu]09:02
「カムイ伝」を読んだのは4年前かな。第一部を読み終わって、第二部を読みたいなー、外伝はどうしようかな、という段階を引っ張ったまま、気になっていた解説本を読む。

大学の江戸時代講義で「カムイ伝」をテキストに使ったことが元になっている本なので、「カムイ伝」を読み解くというよりも「カムイ伝」の描写を江戸風俗解説に使っている構成。
テキストに使えるほど「カムイ伝」の描写にリアリティがあるそうな。
そうそう漫画表現は文章よりも優れているんだよ。かさばることを除けば。
その嵩にしても電子化されれば問題ないが、それだと再生機が必要になるので映像でもよろしいということになる。
また、描く技術をだれしも持っているわけではないことも、最良の表現手段とはいえない要因だ。

と、逸れた。

「カムイ伝」の半分は百姓の「正助伝」で、もう半分を非人のカムイと武士の竜之進で分けているなという記憶だったけど、この解説本も同じくらいの割合。(身分別に話が分かれているばかりでもない)

農林水産業のあれこれ、戦争のない時代の武士の在りよう(官僚)も詳しくて面白い。
武士が官僚化し、生産しない商人が勢力を伸ばす。既得権や流通を押さえている「権利者」が強くなる。
活気はあふれるが、生産者の弱い社会の脆さを現代と重ねていて、江戸も戦前も現代も相似ですなとガックリ。
なんで記憶を遺伝できないのかね。人類史においてやり直しが多すぎやしないか。


そして、なにより「カムイ伝」ベースならではの非人穢多についての解説が興味深かった。
身分制度が「ありもの」の世の中での、自由や自分らしさや豊かさを求めていくのが「カムイ伝」の根底。
職能としての区別、技術が尊重されていたことも触れている。

衣服にも制限が課せられていて、現代からすると自尊心を踏みにじる制度でもあるんだけど、講義を読んでいると印象が変わる。
皮革加工業の技能を持ち、そのために保護された集団は、動物の死に接することの忌避を負ったわけで、それって身分が下ってよりも宗教的に別次元、精霊の方向へスライドされた存在だったんじゃないか。
敬して遠ざけられた存在。
身分の頂点的にも宗教的に別次元にスライドした場所があるけどさ、実はそこと背中あわせなんじゃないか。


その身分差別をただ「かわいそう」と上から見てしまうのは、平等ありきの現代人の豪だな。
平等ってことは平均。つまり、真ん中以下の人ってかわいそう、という考え方だから、そこには身分への意識があるんだよな。
宗教、精霊への考え方が江戸と現代では違う。
ただ、現代の問題を解決するのに、そこから始めると遠すぎるんだろうな。

カムイ伝講義カムイ伝講義
(2008/10)
田中 優子

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僕につきあって死んでもらう「MW(ムウ)」(手塚治虫)3
2009/04/29 [Wed]09:54
想像以上に壮大なことになった。

錠前破りの達人を脱獄させ、駐留軍に侵入し、MWを奪取し、ハイジャックまでして、MWの量産と人類絶滅を夢想する。
どう考えても量産から人類絶滅までは飛躍がすぎるのだが、ここまで読んじゃうと受け入れちゃうのな。
現代ならロケット発射場でも占拠して上空で爆発させるぞとか。
MWを使うことにこだわらなきゃいけないんだけど、ギミックとしては核を使った「太陽を盗んだ男」。
「太陽」の方は、悪の矮小さと正義の強さでバランスが取れていたけど、「MW」は悪の完成度が高すぎる。
って「太陽」は79年なのか・・・「MW」が先だったのね。

その悪に対して、正義がまったく追いつけてない。格が違う。

賀来の「ここで結城を止めなければ」って、何度目だ。
ヘタレにもほどがあり、かつ、男色や共犯の後ろめたさからの保身も伺えてじれったい。
人間らしくてよろしい、と思っていたが、保身のまま中途半端で、ケジメをつけていないようにも取れる。キャラとしてかわいそうかな。それは澄子さんの当て馬っぷりもなんだけど。
細かいところ、生かしきってない、からめてないってのが作者の後悔なのかもしれない。全部まとまってても小さく読めちゃうけどさ。


そして、結末としては正義も悪も事件の真相も、時代にのまれた部分がありながらくすぶり続ける。
って、結城にはタイムリミットがあるんじゃなかったか。ニヤリっても、意味ないような・・・。

MW〈3〉 (1978年) (ビッグコミックス)MW〈3〉 (1978年) (ビッグコミックス)
(1978/06)
手塚 治虫

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なにが善でなにが悪なのか「MW(ムウ)」(手塚治虫)2
2009/04/28 [Tue]09:33
結城自身のタイミリミットが克明になって、狂気のご破算主義へ突っ走る。

ストーリー展開は強力な毒ガス兵器のMWが日本に隠されていたことが事件として新聞、国会に及ぶものの、なんとなく「どうにもならない」感じが漂っている。
下から騒いで政治や社会が変わるわけないんだよな。78年にしてそんなだったのかとも読める。
読んでいて、あー、別の事件が起きたら新聞の紙面やニュースの枠は置き換わっていくんだろうな、と。

そんな世を変えるならば、物理的な殺傷力を持っていないと主張できないってのはモロにテロリズムで、それも種類が毒ガスで、目的が思想というよりは「おしまいにな~れ~」ってなご破算思想。
それってどこぞやの真理教ですか。

そんな純粋な結城に対して、ブレまくる賀来神父の人間らしいこと。
世界から結城を退場させれば皮一枚の正義は守られるんだけど、それならわざわざフィクションで悪を描く理由はないわけだ。
結城の悪を処理すればいいってものではない。そういう提言だろう。


いやしかし、伴を責める拷問は「アドルフに告ぐ」でさらに戦慄したことを思い出すんだけど、
(描かれたのは「アドルフ」の方が後だ)
拷問って自白させるために加えて、全部自白したかを確認するためでもあるから、白状したって終わらないだな。おっそろしい。

MW〈2〉 (1978年) (ビッグコミックス)MW〈2〉 (1978年) (ビッグコミックス)
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手塚 治虫

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道ならぬ関係「MW(ムウ)」(手塚治虫)1
2009/04/27 [Mon]10:08
実写映画になるというので引っ張り出して再読。
ここんとこ再読ばっかりだな。ちょっと前の新刊、新規開拓のマイブームはなんだったんだ。

持ってるのはかつて古書店で手に入れた78年のビッグコミックス。
前書きには
「従来のような手塚カラーを打ち破り、あっけにとられるピカレスクロマンを書いてみたいと思って」
「ありとあらゆる社会悪」「とりわけ政治悪を最高の悪徳として」
しかし「すべて描きたりないまま完結させてしまった」
とある。

78年の世相ってもうヒッピーでもなかったろうけど、政治は今も昔もヤレヤレの思いだったんじゃないか。ロッキードの後だし。
そのまま説教臭い漫画にするんじゃなくて、悪を主人公としてメッセージを透かしてる作品だ。


一巻の段階では、結城の危険を顧みないピカレスクぶりが最高にカッコいい。
華麗すぎる悪ではなく、純粋な復讐心だと思っていると無駄なリスクや回りくどい手法に狂った美学があって、そこがまず「わからないから恐ろしい」。
手が込みすぎているんだよな。

その狂った美学に押されて、女装の見事さも納得してしまうのだった。いやあれ、漫画だろ。普通に考えたら。親も見分けられない女装なんて。でも、結城の異常性、MWの狂乱にふれてしまうと、もうなんでもアリだ。
でも、MWにふれた過去については、もうちょっと引っ張ってくれてもよかったような。
過去の描写を知ると、納得でき過ぎてしまう部分もある。


しかし、賀来(ガライ)神父はゴルゴ13のような顔をして、誘惑に弱すぎる。
人間らしく悩んで苦しむから弱いんだよな。

実写映画で、玉木宏はバイセクシャルを演じるんだろうか。
怪しい要素がないと、ただの粗暴なテロリストになりかねない。そこは残してほしいなー。

MW〈1〉 (1978年) (ビッグコミックス)MW〈1〉 (1978年) (ビッグコミックス)
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手塚 治虫

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木を巡る対立「天孫降臨」(諸星大二郎)
2009/04/21 [Tue]11:29
家にあった諸星漫画を読む。

古事記の漫画は結構読んできたしな、と思って気軽に「天孫降臨」を読んだのだけど、表題作の情報量におののいた。
まず「海竜祭の夜」を読んで「花咲爺序説」「幻の木」から話がつながるのだな。
その読みログはこれだけど、両作への言及はなし。
大雑把に「いつもの稗田だな~」なんて読んでだけだった。あらら。

「天孫降臨」には、古事記の天孫降臨、瓜子姫とアマノジャク(木を巡る対立)、生命の木に関する創生観、河童などがからまっている。おそらく矢を射る、モノを投げる、移動する方角なんかもなんか意味があるんじゃないか。

それぞれの基礎知識がなくても伝奇ホラーの漫画として読めるんだけど、それに集中するにはノリが悪い。
主人公の稗田は(やはり・笑)完全に語り手で、最後にようやくアクションでかかわるものの、見て驚いて解説して巻き込まれるのが仕事。
読み手としては、知識がないと入り込めない世界なんだよな。
うーん。これは、もうちょっと勉強してから読むべきだった。


併録の「闇の客人」「天神さま」は鳥居を使った異世界モノで、わかりやすいんだけど、作者の本領は伝奇を組み合わせた「天孫降臨」にあるのだな。
諸星世界の本気、恐るべし。

って、最近の作品はまだ読んでないや。最近ので作風や漫画描写がどんなんなってるのか、気になってきた。

天孫降臨―妖怪ハンター 稗田礼二郎フィールド・ノートより (ヤングジャンプコミックス ワイド版)天孫降臨―妖怪ハンター 稗田礼二郎フィールド・ノートより (ヤングジャンプコミックス ワイド版)
(1993/02)
諸星 大二郎

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海竜祭の夜―妖怪ハンター (Jump super ace)海竜祭の夜―妖怪ハンター (Jump super ace)
(1988/07)
諸星 大二郎

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イグアノドン達の世界が・・・・「恐竜発見記」(所十三)
2009/04/17 [Fri]09:09
古書店で恐竜漫画を発見。100円だったし、恐竜好きとしては買っちゃいますよ。
かつてジャンプでは『恐竜大紀行が一番面白い』と公言して周囲を呆れさせたもんだ。
あれも読み返そう。当時版と復刻版の両方を持ってる。

これは恐竜というジャンルそのものを発見したマンテルの伝記漫画。
当時は爬虫類で大型、草食ってのが規格外で「あるわけない」だったそうな。
イブアノドンと肉食恐竜の2種類しかなかったから、まだわかりやすいものの、これで魚竜や翼竜もいっしょに見つかってたら混乱しそうだ。
イグアノドンから始まるべきだったという運命も感じる。

理解されずに苦しむ主人公、功績が認められて調子づく主人公、晩年になぜかいい人になる主人公。
作者が「特攻の拓」の人だけに、キレる描写に見覚えがありすぎて、いつ「!」がコマの中に飛び交うかという感じだが、もちろんケンカはしない。
会話部分が正面の顔ばかりでいまひとつ凝ってなく、見どころに欠ける部分もあるが、作風なのかな。

というか、作者のブログを見てみると、今や恐竜漫画家じゃないか!
知らなかった。

漫画部分は半分で、後半の恐竜解説は作者の書き下ろし。自説も含めて、誰がこういう説、ここでは別の説と、いかにも(それこそマンテルのような)地でいく研究っぽくてユニークだ。
この作品を通じて恐竜にハマってしまったらしい。
機会があればほかの恐竜漫画も読んでみよう。うーん。こういうジャンルがあったのね。

恐竜発見記―霧の彼方に (少年マガジンコミックスDX)恐竜発見記―霧の彼方に (少年マガジンコミックスDX)
(1997/08)
所 十三

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おじさんが鬼だよ「ぼくとフリオと校庭で」(諸星大二郎)
2009/04/15 [Wed]09:40
古書店で入手していたのを読む。現代が舞台の作品集。
「鎮守の森」は柳田国男の影響もあるそうで(あとがき曰く)、元ネタを読みたくなるけど、この漫画ほどは面白くないのだろうな。

「鎮守の森」は、なりゆきで与えられた社会的立場から逃避したら人間をやめることになった悲劇。
「流砂」では街の外に出ようとする視点で、不便はあっても安定した秩序からの脱却する話。
「蒼い群れ」は個人が経済的かつ肉体的に、社会にからめとられていく話。

で、「沼の子供」は、欲や知恵を知ってしまった人間を描いた作品と思われるが、特に聖書的なアレコレがなくてサラッとしている。
ここでは読み手は社会の側で、無垢なる存在を知らずに異世界へ連れ込んでしまう。手前の秩序に取り込んで管理しようとする。

ざっとまとめていくと、個人と社会なのよな。人間の社会性。
個人の思いは尊重されるべきだが、社会的な役割や集団の引力があってこその自由。所詮は与えられた権利なんだよ。自然権とかいっても。
それの描写が、しかつめらしく語ったり、危機的にあおるんでもなく、シニカルに笑えもする小話になってる。

「黒石島殺人事件」みたいに、誰かわからない死体ならなかったことにしてもOKという、安易でもなんでも秩序があればいいんだ、というものだ。社会側の理屈は。


要は物語の巧さが素晴らしいですね、という感想なんだが。
こういうのを普遍の面白さというんだろうな。


ぼくとフリオと校庭で (アクションコミックス)ぼくとフリオと校庭で (アクションコミックス)
(1991/07)
諸星 大二郎

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私は天の神の子「火の鳥 太陽編」下
2009/04/14 [Tue]09:45
壬申の乱と、未来社会の宗教戦争を同じ視座で描いてある。
大海人がだんだん神がかっていく過程が地味に描かれていて、そうか、出陣の際の黒雲は日本書紀に書かれていたのかと。

しかしなぁ。あんなに強かった仏教勢力が、神がかった大海人の前では活躍できない。
産土の精霊も退場済みで、壬申の乱が始まってしまえばもう、物語は天皇のものだ。

犬上たちが未来で結ばれるロマンスというより、違い世界を同じ視点でドラマにできてしまうということ自体が、相変わらずな人間の描写になっている。

仏教を押し付けるのも、太陽を崇めるのも、自分が神となるのも、同じくアホらしいこと。
火の鳥なんて、もう完全にみてるだけ。どうしょうもないからほっとこ、ってな感じだ。

そういえば犬上は、火の鳥に接しても変わらなかった。珍しいパターンじゃないか。
宗教のむなしさを知っても、未来を垣間見ても、近江権力と戦うことは変わらない。
人間になってしまったからな。火の鳥にすれば狗族も人間も一緒なんだろうけど。

主人公だから態のいいロマンスを与えられてるけど「相変わらず人間」ってことには変わりないのだな。
という、さらに上からたしなめる要素も含んでいる。


生きるのに宗教的なものは必要だ。それが権力と結びついて、他者の生き方に干渉するようになってはよろしくない。
手近なところに神様を見出すからさ。火の鳥のようにほっといてくれ。それでいいのかも。

火の鳥 11 太陽編 下 (11) (朝日ソノラマコミックス)火の鳥 11 太陽編 下 (11) (朝日ソノラマコミックス)
(2003/09/01)
手塚 治虫

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外つ国の神々が渡ってきたのだ「火の鳥 太陽編」(手塚治虫)上
2009/04/13 [Mon]09:48
「天上の虹」と同じ時代なので、関連で再読。
壬申の乱へ向かう時代は、仏教が入ってきたころ。

産土(うぶすな)の神々は邪鬼として四天王にふんづけられ、追われてイテキの扱いになる。
「天上の虹」ではもうちょっと神々も大事にされてたと思うが、政治的な道具として使いやすいのがストイックで階層的な仏教だというのはわかる。
のちに天武天皇側は産土の神々も含めて日本の始祖が自分たちであり、そのうえで仏教を認める形式にしているのだから、この時点で産土の精霊側は「ただの山の生き物」。

争う必要がない武器がなく、平和的であるというのは、自然の恵みがあればこそ。
その恵みが争いの対象となりはじめる時代なのよな。

大海人が中大兄の足元に槍を突き立てて反意を示すシーンは、「天上の虹」でもあった(あっちは剣だったが)。
また、中大兄が大海人を呼んで後継者に指名、謀反ひっかけの罠だと知ってるから大海人は仏教に帰依して逃亡、大友は自分の身辺を固めるように仏像に祈祷して「俺が後継者」アピール。

この辺が同じ描写ということは、どこかに史料があるのだろうな。
さすが壬申の乱。


で、「火の鳥」としては未来社会での光教団と、それに従属しない人たちの争いが交錯していく物語。
人が人を支配するのには、正統性(血統や選挙)か暴力か、カリスマが必要なんだけど、それをまるっと持って来れるのが宗教と信者の軍勢なんだね。
もともと人は平等であるが、神への距離で階層がある。ルールを作った側が支配者になるのは当然よな。
やれやれ。

火の鳥 10 太陽編 上 (10) (朝日ソノラマコミックス)火の鳥 10 太陽編 上 (10) (朝日ソノラマコミックス)
(2003/08/01)
手塚 治虫

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一次定年を56歳とします「ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集」(藤子・F・不二雄)下
2009/04/10 [Fri]09:55
下巻も読む。これ、37作品で上下1680円って安いだろ。
なんというお得感。

下巻はカメラものが多く、「ドラえもん」のようなギミックが目立つ。
価格交渉の末に「談合させてもらいましたわ」で10万円とか、いろんなところに大人の味が。そこも笑える。
大人の滑稽さというか、人間の行動、思考パターンをよくここまでざっくり書くものだ。
観察眼もさることながら、抽出してキャラクター(漫画表現)化する手際は「あざやか!」だ。
巨匠の仕事に何をいまさら、なんだけど。

で、上巻でもそうなんだが、SF的なコト、モノに対してどこか「嘘」「ズル」である後ろめたさがある。
使ってて便利だけどしっぺ返しがあるのは「ドラえもん」でも一緒だが、たしなめるドラちゃんはいない。溺れても大人だから自己責任とでも言いたげ。

作者の視点としては、逃避してもいいじゃない、だったんだろうか。
それとも、逃避しててもどうもならんよ。悲しいね、だったか。
読んでいて、前者だろうと思いつつも、わからなくなる。
「やすらぎの館」なんて、その最たるところで、優しさへの後ろめたさをどう受け止めたらいいのか。

大人になることの恐ろしさって、楳図作品と同じく、藤子作品にもあるのかなぁ。

ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集 下 (3) (ビッグコミックススペシャル)ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集 下 (3) (ビッグコミックススペシャル)
(2009/03/30)
藤子 不二雄F

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道を誤るのは若者の特権「ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集」(藤子・F・不二雄)
2009/04/09 [Thu]09:37
太いSF短編集を読もう読もうと思っているところでこんなのが出てしまうと、つい。
あっちを持ってれば、全部読めるのだろうなと思いつつ、上巻から。

ビッグコミック系の雑誌に掲載した作品群だけあって、大人向けの内容というか、オジサンとSFのミスマッチが着想になっているものが多い。
オジサンは仕事に疲れ、過去を振り返り、希望に欠ける。

そこで、世界の成立条件がコロッと変わってしまうSFと出会うと、いい憂さ晴らしになるのだな。
呑み屋で一杯ひっかけて「俺が社長だったらヨー」ってのと基本的には変わらない。
まれにそのコロッと変更が地球規模だったりして、あまりの変化についていけなかったりするし、そのルール変更で自分が不利になったりする。
みっともなさもオジサン的なんだよな。

ってな大雑把な感想。
「ミノタウロスの皿」はやはり傑作だよな。
あ、「女には売るものがある」「は、(若い頃の)筒井康隆のような作品だ。

ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集 上 (1) (ビッグコミックススペシャル)ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集 上 (1) (ビッグコミックススペシャル)
(2009/03/30)
藤子 不二雄F

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ここは地獄や!「サマヨイザクラ」(郷田マモラ)下
2009/04/07 [Tue]09:49
裁判員制度の漫画、下巻。実施が5月からだから、タイムリーに予習できる。
制度が固まっていく中でも制作は大変だったそうだが、手続きや心情について、読めば確実にシミュレートできる。
関西弁だからか、漫画だからか、どことなくウェットだけど。

漫画としては、本来は検察官や弁護士がやるべき「意義あり!」「待った!」を裁判員がやるし、オタクへの偏見がありつつもイベントが重要な証拠となって大逆転みたいなことで、ギミックフルな展開。
その仕掛けらしさが気になってしまう部分もあるが、裁判員制度自体がまだもうひとつファンタジーというか、「もしも」な設定なんだよな。もうすぐなんだけど。

なので、核となるのは「集団の悪」だ。
事件が起きた背景に、裁判員制度に、社会のそこかしこに「集団の悪」があり、誰もがそれに耐えて生きている。
人間は社会的な動物なので、社会性、社交力、空気を読む力は最重要の能力なのだが、経済的な動物でもあるはずなのに不経済にもその力が働くという不思議。
社会的に役立ってない人ほど「集団の悪」を働くって見方は偏見だけどさ。

そもそも裁判員制度が「集団の悪」を誘発するのでは、との警告も発している。
退屈しのぎに要するにのイジメを行うのだから、退屈しのぎに、無責任に死刑を宣告することはあってもおかしくない。
しばらくは、判事という経験者、プロの意見で左右されるだろうし、それはまさに「集団の悪」の発生だ。

でも、判事だけでことに当たらせても、そこに「集団の悪」は働く。
判例とか、出世とか、ましてや世論や「社会的制裁」なんてワケのわからないもので判決が動いてるじゃないか。
人間が集うところで、善悪はぶれる。さまよう。

裁判員制度の情報漫画としては王道、ドラマとしては定番。
でもえぐってる「集団の業」は、王道の定番だけに深い。

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (3) (アクションコミックス)サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (3) (アクションコミックス)
(2009/03/28)
郷田 マモラ

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人と人との約束はどうなる?「闇金ウシジマくん 」(真鍋昌平)14
2009/04/06 [Mon]09:41
銀座のタクシー群は写真からの描き起こしだよな。生々しい。

一巻丸ごと「スーパータクシーくん」だが、結末は先送り。
闇金業社に人の道を説かれてしまうとはな。

「100万ボルツかっこいい!」に笑って、バカだけどまともな人かと思ってたら、それなりに金や女にルーズな人でゲンナリ。
でも、人間なんてそれくらいダレてるものかもな、と思ってしまうのはウシジマを14巻までも読んでしまったからだ。
娘にはカッコつけられるのか。つけてほしいような、転落も見たいような。
でも、12巻(読みログ)のラストに出てきたタクシードライバーも人間性を回復してたのよな。

タクシー運転手がワケありげな人の集まりだというのは、納得できるような気がして、やはり同様にワケありな人があつまる職種はあるだろうし、資格を取って体ひとつで稼ごうって前向きさは、まっとうなのではないか。
水揚げ商売で、孤独で自立的だから、自分さえ強くあればなんとか。

木村さんのように実直な人もいる。なんだかだ生活していくぶんには大丈夫のはずだ。
「それでイイ訳?」とか言われるのさえよければ。
なんて、アドバイス的な見方で読んでもしょうがないのだけど、実直であること、分をわきまえること、悲しいけど他人に優しくしないこと。
これはウシジマ世界でのルールだ。ウシジマ世界に入らないためのというべきか。

それができたら苦労はないよな。
てか、罠を仕掛けてるのはウシジマだ。ティッシュ配るな。

闇金ウシジマくん 14 (ビッグコミックス)闇金ウシジマくん 14 (ビッグコミックス)
(2009/03/30)
真鍋 昌平

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今さら引けない2人「シマシマ」(山崎紗也香)4
2009/04/04 [Sat]09:47
後に、まとまりそうな混乱の巻。全体的に、少なくとも第一章は確実に完に向かっている。

シオ×ガイの恋模様が大人しく明らかになり、でもランも介入してドッキドキは止まらない。
ヒビキさんも出てこないし、シープ内の閉じた世界で恋愛がはじまってしまった。

一方で、マシュとリンダは外の世界に居場所を見つけていく。
となると、ガイとランは持って行く場所のない自分のために、シオさんを追いかけているのではないか。
そりゃ、魅力的な女性ではあろうが、本気でどうこうという年齢でもなかろうに。
フツーに考えたら2人とも遊びとしか。

純粋な思いと、社会性との間で揺れる大人の少女漫画だな。


漫画らしいのは相変わらず撫子ちゃんで、彼女が出てくると顔が漫画になる。
シオ×ガイの時の緊張感とは逆だな。
ここでガイを選んだら、その緊張に酔った末の勘違いなのではないかと思う。意地悪な読み方だが。


てか、イケメンの若者たちが夢や希望を持ち、美しい女性がモテながら働いてがんばる漫画で、
30代男性としてどう感情移入して読んだらいいのかわからなくなってきた。

4巻は、ハッとする表情も見つけられなかったんだよな。
キャラの背景が見えてきて、観察しているよな読み方がしにくくなったこともある。うーむ。

ということからも、そろそろまとまる時期なのかと思ったりして。

シマシマ 4 (4) (モーニングKC)シマシマ 4 (4) (モーニングKC)
(2009/03/23)
山崎 紗也夏

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理想の国造りのためでした「天上の虹」(里中満智子)6
2009/04/03 [Fri]09:19
大海人が死に、大津が自滅し、草壁が退場していく破滅的な展開。
大津は、漫画的に考えると大伯に会いにいったこと、アマメに子どもができたことが、死亡フラグだよな。あれは、死ぬ人がやること。
負けからスタートしないと勝てないんだよ。

文庫版はこの6巻までで第1期完結だが、これだと讃良が本当に悪女だ。
母としてのわがままが政治を混乱させたのに、「私が後を継ぎます」で丸く収めたことになっちゃうのは、自作自演もいいところ。
ただ、政治力や人望などではなく、「天皇だから」「皇后だから」の強さで押し切ってしまったのは、結果的にでも「天皇中心の国造り」の始まりとしてはアリだったのではないか。
勝手に天皇の言葉を代弁できるあたりは、もう身分や血統で強さが決まるってことだし。
やはり讃良は、吉野を出る際の「神になった夫」を引きずっていたのだろうな。

でも高市から「母として、草壁のためだったんでしょ?」と反語的に追求されていて、高市が初めて強く見えた。
その葛藤なくして、今後の主人公はまかされないだろう。


大友は妻にも裏切られた絶望で退場したが、草壁の場合は母と妻、友人の死霊に責め立てられた自己嫌悪で退場。
逃げ場がなかった悲劇では相似形だな。
阿閇には、この悲しみを踏まえて、強さと優しさを兼ね備えた女になってほしいもの。

この続きは単行本で、か。ぼちぼち読みたくなってきた。

天上の虹―持統天皇物語 (6) (講談社漫画文庫)天上の虹―持統天皇物語 (6) (講談社漫画文庫)
(2000/04)
里中 満智子

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飾りものではないのか「天上の虹」(里中満智子)5
2009/04/02 [Thu]09:11
戦後処理が着々と進んで、早くも次世代の権力闘争の匂い。
思えば大化の改新からの中大兄政権が次世代で悩んだように、クーデター、内乱で政権を取った後に安定を求めて権力争いが激化するという、そのまんまトレースしたようなことに。

讃良は中大兄、大津は大海人と高市、草壁は大友、大名児は十市。そして阿閇は讃良をトレース。
虚しき繰り返しだ。政治が安定したら弱い天皇でもいいって、大友のときもやってなかったか。
特に大津が実に微妙な立場。生き方が大海人に似ているだけに、おおらかさがアダになるのだよな。生まれてくる時代が高市と入れ替わっていたら。それも十何年も違わないだけだし。
漫画としては、山の民との交流を「もしも」の要素で入れている。大津が天皇になったら、もっと(現代の平等社会的な意味で)良い国作りができたのでは、と。
ここは判官贔屓にしてもな。

高市にしても、子を持って成長はしたが、遅かった。鎌足と比べると天皇サポーターとしては推進力が足りない。泥をかぶらないし、リスクを取らない。
実務はできる良き官吏のようではあるんだけど。
兄として、大津と草壁の仲介を務めるべきだった。
でも、自分の弟分の権力争いって、よく考えたら興味ないか。十市とも結ばれなかったし、俺なんももらってないのにヤル気でないよ、だったのかも。逆らうとめんどいし、生活と対面のために仕事はするが。
ってなところだったのではないか。
(想像は勝手にできていいね)

で、もう明らかに問題は讃良にある。
政治のため、国のために働いているつもりが、知らず知らずに息子、草壁のためにとなっていく。その発想が中大兄のものだとは気付いているはずなのに、目を背けるのは女だからかな。
形式上の権威にとまどいつつ、血脈という形式にこだわる。
そして、そんな讃良の密かな狂気に大海人が気付いてないんだよ。

最強夫婦の断絶こそが暗雲。

天上の虹―持統天皇物語 (5) (講談社漫画文庫)天上の虹―持統天皇物語 (5) (講談社漫画文庫)
(2000/04)
里中 満智子

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月面ローバー気分「宇宙兄弟」(小山宙哉)5
2009/04/01 [Wed]09:33
讃良から浮気。新作も読んでおります。
新作読みは以前よりは意識的に絞って、「DMC」「ハチワン」「カウンタック」「絶望先生」は、面白いんだけど後回し。

でも読んでいるのは「宇宙兄弟」。なんでこれは新刊を随時って理由はないんだけど、今年は宇宙イヤーだしね。
てか07年あたりから宇宙の話題はずっと続いてるから、そのライブ感もある漫画ということで。


で、5巻に至って、「ツキはないけど人望はある」ムッタでのドラマは一周したように思える。
ジャンケンで負けることも、その後の選抜で逆転することも、読んできた側としては予想できる。
ここでいっそ落ちてしまって、ロシアのロケットで追いかける(度胸星かよ)とか、
ヒビトが事故死して繰り上げで採用されるとか(うわ、ありがちー?)
それくらいの逆境がないとな。(ドラマジャンキー的な発言)
月面ローバーの感覚でシンクロするほのぼの兄弟漫画に、宇宙開発ウンチクを入れ込んで、なんて、学習漫画のようで行儀がいいのだよな。

面白いんだけど、同じような感覚で5巻まで読めてしまったので、変化を求めている心持ちでもある。


そうだ。ムッタのモノローグで、□の枠に入ってるもの。
部分的にか、一人称が「私」になってるんだよな。普通は「俺」なのに。
となると、もっとも高いところから見ている語り手のムッタは、ひょっとして未来にいるのでは。全部、回想だったりしてな。

宇宙兄弟 5 (5) (モーニングKC)宇宙兄弟 5 (5) (モーニングKC)
(2009/03/23)
小山 宙哉

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