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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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命ある限り食え!「恐竜大紀行」(岸大武郎)
2009/05/19 [Tue]09:05
所十三「恐竜発見記」で思い出した恐竜愛、その原点を振り返ってみる。

中学生のときに「恐竜大紀行」と出会って、恐竜ファンになったのだよな。
ドラゴンボールはじめ、派手なジャンプ漫画が全盛だったので、周囲からは「マジで?」「すぐ終わるでしょ」「ほらもう終わった」などとイジられたけど、どうしたって名作は名作だ。

新装のジャイブ版では鳥山明も同じ誌上での連載で感銘を受けた旨、書いてあるのだ。
どうだ。派手好きな漫画権威主義者の同級生!!(当時に向かって叫ぶ)

と、溜飲を下げるだけが目的ではない。

恐竜大紀行は、作者も言うように、恐竜の最新資料とか、ただしい解釈の漫画表現を目指していなくて、描くのは生き物たちのドラマだ。
親子や仲間と育む愛、男のプライド、成長と進化、生と死。キーテーマだけを抜き出すとベタなんだけど、獰猛で巨大で、愛すべき鈍重な恐竜(と古生物)たちが織りなすと、それは無駄のない王道となる。

自分はコレで恐竜ファンになったつもりではあるが、個体のユニークさとドラマに魅かれたわけで、どうりで恐竜研究はおろか理系の関心を持たなかったわけだ。
隣の世界のファンタジーとして楽しんでたんだから。
だから、一番好きなのは「サンダー(アパトサウルス)とペッカー(アルケオプテリックス/始祖鳥)」の話だったりする。
ケロンじいさんが見た、海洋生物の弱肉強食、盛者必衰の理なんて、「ブッダ」にも通じる生命観だぜ。
でもそんな生きるか死ぬかって時代を呑気に生きるアンキロサウルス一家の話もある。
(最後に「絶滅の時が・・・」なシメ方も深いけど)

そもそも、当時でも今でもジャンプでこんなにも絵が素敵な漫画はなかっただろう。
緻密なだけじゃなくて、躍動感や巨大感、一瞬の動きをスローで見せることで逆にスピードが際立つとか、うますぎる。
スカーフェイスが獲物を襲うシーンとか、プテラノドンの母がエラスモに食いつかれるところとか、サンダーの立ち上がりとか、ドンの「最後の務めだ」とか、雨に打たれたキングの泣いたような、地を浴びたような表情とか!
名場面が随所に出てきて、良質のドキュメンタリーなのよ。

って、中学生のころに読んだから、ってのもあるんだろうけど。
一巻完結の名作を5つあげて、って言われたら、コレは絶対に入るね。
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テーマ:今日読んだマンガは? - ジャンル:アニメ・コミック

TVを観ながらスケッチ!「アオイホノオ」(島本和彦)2
2009/05/18 [Mon]09:41
80年代のアニメ漫画事情を背景にした漫画家あすなろ青春漫画。

2巻の最後でも原稿が描けていない! 何やってんだホノオ!
「何ともならなかったら、お前が何とかするしかあるまい!」
じゃなかったのか!

と、読んでいて実にジリジリ来るのは「吼えペン」の炎尾を知っているからか。
もしくは自分が大人だからか。

どうしたって、アオイホノオの焔くんはじれったい。
イデオンやアニメの説明ができなくて口ごもるし、そうでなくても考えセリフが多いし、漫画を描くこと自体に照れがあってコピーも堂々と取れない。
その割には「棚からジャムを出す」程度の動作に3コマも使ってたりする。
遅い! そしてどうでもいい!
(当時の学生生活の描写として描いてあるのはわかるんだけど)

でもトンコさんには漫画論を熱く語れる。語るだけではなく、トンコさんには途中でも構想段階でも見せられる。
んで、トンコさんは「なんで描かへんの?」「基本ができてへんなー」とちゃんとツッコミを入れてくれる。
津田さんも和むけど、付き合うならトンコさんだぞ!
とにかく描くんだ。そして、完成させて、反省するのだ。
それを19歳の時にやっておけば、下手でも評価されなくても恥ずかしくても「漫画を描いたことがある」自分になれる。

「やりたい」と「一度でもやった」は大違いだ。
と、おじさんは思うのだけど、19歳でも30代でも、横を意識するとロクなことがないんだよなー。でも、下(空手道場の小学生)を見てニヤリとしている場合でもない。

ゲッサンも買ったら、新幹線に乗っていてヨシヨシ。とりあえずはそれだ!

うーん、見事に現在&過去の自分と重ねてしまうなぁ。

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)
(2009/05/11)
島本 和彦

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アニメは国境を越えやすい「アニメ文化外交」(櫻井孝昌)
2009/05/15 [Fri]11:53
外務省のアニメ文化外交に関する有識者会議委員の方が書いた、海外(アジア・中東・ヨーロッパ)での講演レポート。

~~~日本のアニメが海外でも人気。絵がきれいだし、ドラマが深い。
アニメをきっかけにキャラや制服や日本語や鷲宮神社まで、日本全体に関心を持ってくれている。
みんなネットで違法動画を見ているのは悩ましいけれど、文化外交としてアニメはもっと活用できるだろう。~~~

ざっくりいうと、この内容。
正直、この手のジャパニメーションすごいぜ本は結構、読んできてしまったので物足りなかった。
外務省のエージェント活動を生で知れる資料という面で意義あるのだろうな。

でも、

海賊版問題と「見てもらえる」メリットをどうバランス取るのか。
そもそも海賊版は誰が流し、誰が字幕をつけているのか。
アニメ制作での協力はどんな形でありうるか。
日本の文化財として具体的にどんな活用ができるか。
その辺、外務省はどんな現状認識で、どう取り組むつもりなのか。

という、書いてありそうなことにあまり触れられてないのだよ。残念。

新書一冊では情報量がオーバーするのかもしれないが、半分以上が「~~国に行ったら『NARUTO』大人気!」というレポートだけ。
これ、オーバーに言ってるんじゃなくて、実質半分以上は講演記録で、しかも、行く先の国が違うだけでほぼ内容は変わらない。また壇上でみんなでアニメポーズやってるよという。
どうにも単調な面があるのだよな。読み物として。

場所別でなく、トピック別に考察や資料を提示してほしかった。そんな贅沢な要望でもないと思う。
せめて外務省の展望は入れるべきだろう。
欲をいえば海外進出している出版社や映像制作会社への取材はもっと欲しい。海外でエージェントをやってる会社もあるだろう。
案内されて行った先だけのレポートじゃないか。

アニメ制作技術に現地の若者が関心を持つのは当然として、ボランティアやメセナベースでの交流提案は無理がないかとか、現地人のアニメ愛にアテられちゃって、思い入れがありすぎる。
アニメ外交に意欲的で、アニメや漫画で日本を知ってほしい、愛してほしい、人と人が結ばれてほしいという、作者の懐の深さや愛情は伝わるのだけど・・・・。

海外での日本漫画アニメの人気ぶりについては、以下の本の方が参考になる。

ル・オタク(清谷信一)
フランスのおたく文化について。90年代ベースだが、現地のファン事情と全景が抑えられているし、文書も面白い。
ル・オタク―フランスおたく物語 (講談社文庫)ル・オタク―フランスおたく物語 (講談社文庫)
(2009/01/15)
清谷 信一

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中国の日本アニメ事情なら
「中国動漫新人類」(読みログ
中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす (NB online books)中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす (NB online books)
(2008/01/31)
遠藤 誉

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アジアの漫画について。レポートメインだけど、後半の各国の漫画制作事情の違いは面白い。
アジアMANGAサミット(読みログ
アジアMANGAサミット (寺子屋新書)アジアMANGAサミット (寺子屋新書)
(2005/06)
関口 シュン秋田 孝宏

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アメリカだと以下。

9.11後のアメリカに日本のアニメ漫画がいかに受け入れられたか、という解説、考察。
ジャパナメリカ 日本発ポップカルチャー革命(読みログ
ジャパナメリカ 日本発ポップカルチャー革命ジャパナメリカ 日本発ポップカルチャー革命
(2007/05/24)
ローランド・ケルツ

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アメコミに見るアメリカ文化、という本。
戦争はいかに「マンガ」を変えるか(読みログ
戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌
(2007/03)
小田切 博

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外国人オタクからの視点だとやっぱりコレ。文章のノリもユニーク(オタクらしいというか)
オタク・イン・USA
オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史
(2006/08/09)
パトリック・マシアス町山 智浩

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アメリカに日本の漫画を輸出する「はじめて物語」、正規版への奮闘記として面白い
萌えるアメリカ
萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか
(2006/08/14)
堀淵 清治

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というわけで、2時間くらいで「日本のアニメは海外でも大人気!」という事情をさらっと知りたいなら、「アニメ文化外交」を読めばいいんだけど、もうちょっと現地事情というか、当事者のコメントや考え方、ビジネスベースでの実録を知りたいなら、上の本たちがオススメ。

ま、新書だから前哨戦なんだろう。外務省らしさのあるレポートの続報、待ってるぜ!本当に。
アニメ文化外交 (ちくま新書)アニメ文化外交 (ちくま新書)
(2009/05)
櫻井 孝昌

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神々はもっと多様だった「世界遺産 神々の眠る『熊野』を歩く」(植島啓司)
2009/05/12 [Tue]17:35
古事記漫画や「ヤマタイカ」の(事後的)副読本になるかと思って購入。
さすがに漫画読んだだけだとついていけないハードルも感じるが、巻末の参考資料集を見れば数に納得。
資料に裏付けられたアウトプット例しか読んでないと、知識の基礎は築けないなぁ。

と、いう自分への慨嘆はおいといて。

基本的には、紀伊半島の熊野は、古事記や日本書紀より古い神々が宿る地だった。
その原初的な聖地の器に、古事記をはじめ神話や仏教世界がおさまって現在にいたっている。

という、主張に基づいて、実際に熊野を歩きつくしたレポートとなっている。
出雲と熊野の共通点に神の移動を感じ取り、イワレヒコ(神武)の足跡を実際の土地で確認する突撃取材だ。
阿蘇のカルデラにおける火山信仰と、火山のない熊野の不思議な一致(元火山?)というくだりは、実に「ヤマタイカ」だよな。
火山を信仰し、鍛冶の技術を持つ火の民族が移動してきた。これぞ古代ロマン。

きれいな写真も多いし、古事記モノを読む際には知識とビジュアルイメージの補完としてどうぞ、な本。

ただ、レポートとしては神話や寺社の解説と実地報告が融合していて、読みにくさも少し。
これは、知識が不足しているから語りにおいつけてない部分もあるだろうけど、構成として「行ってみた」「感じた」ことと、ほかの資料からの関連裏付けはもうちょい分けてもよかったのではないか。

世界遺産神々の眠る「熊野」を歩く (集英社新書 ビジュアル版 13V)世界遺産神々の眠る「熊野」を歩く (集英社新書 ビジュアル版 13V)
(2009/04/17)
植島 啓司鈴木 理策=編

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ウチの仕事場は違うからねっ「まんが極道」(唐沢なをき)3
2009/05/11 [Mon]14:51
刑事事件も多発して、まさに極道の第3巻。

アシ食いの先生がいるってことは、仕事のために食われる女子がいるということで、
サークルで有望そうな男子を漁るとか、コミケで売り上げ持ち逃げするとか、息子のヒット作売上を使い込む母とか、
女性はシタタカだなとか言い出しそうになる。

前半はサークルや志望者のエピソードが多くて、描くことの(客観的な)気恥ずかしさや未熟さへの滑稽さをビシッと突く。
大作しか描きたくない巨匠病や、罪悪感ナシにトレースしちゃう病、エロで儲けて創作意欲を忘れ(ようとして)てる病とか。
創作への決意って、どんなバランスを取ったら表明「していい」んだろう。

描きたいことがある人は、頼まれなくても描く。売れようが売れまいが、同人臭かろうが下手だろうが。
会議ばかりしていて描かないのはカッコ悪い、同人くさくてひとりよがり、儲かってるけど創作意欲の面では評価できない、儲かっても忙しかったり家族でアレコレあって面倒くさい。
「吼えペン」のように、熱く純粋に読者と漫画と編集者に向かう人がいないってのが、極道だよな。

創作ワナビーたちを二重三重に笑う漫画。触れたら切れる。
個人名がありえないほど狂ってる(アバラ岳肉志とか)のは、万が一、実在の漫画関係者と一致したらヤバイからってことでもあるよな。まさに極道。

まんが極道 3 (BEAM COMIX)まんが極道 3 (BEAM COMIX)
(2009/04/25)
唐沢 なをき

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許されていることをしているだけ「鈴木先生」(武富健治)7
2009/05/06 [Wed]09:43
鈴木裁判(クラス討議)が絶妙に着地して、足子先生の話へ。
同業者が壊れる話って前もあったよな。そんなストレス過多の職場なのか。
もはや笑ってもいられない。でも帯にはカーベーの絶叫と般若顔の足子先生がいて、やっぱり抜き出しで見つけると笑ってしまう。

それにしても、公園の野外授業でもそうだったが、もはやゴーマニズム宣言もかくやのネーム量だ。話す、語る。そしてその状況を透かす。学生時代を思い出したり、会話のパスコースを見切ったりの瞬間はあれど、ひたすら会話だ。
6巻までの生徒像があっての話なので、読むのも手応えがある。

で、終わった後に「俺なんか・・・」と参加できなかったことを悔やむ生徒も出てきて、そこがこの漫画の面白いところ。
話の中心にいなかった子も出すんだよな。
にしても、カーベーは卒業まで、いや卒業後もお盛んな子がいたよねと語り継がれるのだろうな。てか、どうしたってヤリすぎだよ。中学生の文化圏からして、流行ったら止まらなそうなのもわかるけどさ。

それにしても、やっぱり鈴木先生に丸め込まれた感は残る。
そして、疑いを持つことを「許された」状態で時計は動き始める。
うまく着地したようでいて、「許された」だけの状態には自制で立ち向かわねばならない。そこに成長があるのだろうが、なかなかにきつい宿題を渡したもんだ。

で、「許されている」ことへの自制と限定解除が自分に依っちゃってるプレッシャーは大人も同じで、だから細かいルールや風潮なんかで考えずに従い、楽をする。
足子先生はそこで「手を抜いた」と言われたような、自分でも気付いたような影響でおかしくなったのだろうな。

生徒側でいくと、向上心と倫理観が強くて「認められない」とか言い出す神田マリも、流れに沿うことで「許された」状態の苦しみを忘れようとしていた節がある。
足子先生が好きなのは、その波長も合うからだろうか。

足子先生と神田マリの両方を救済しなくてはならず、一方で中村と入江の関係もいじられそう。
で、全体で文化祭も始まると。

忙しいよな。先生。笑える立場で読むことを「許されている」んだから、考えますよ、こちらも。

鈴木先生 7 (7) (アクションコミックス)鈴木先生 7 (7) (アクションコミックス)
(2009/04/28)
武富 健治

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迷惑な神風じゃ「この世界の片隅に」(こうの史代)下
2009/05/05 [Tue]09:11
一国民の戦争体験が完結する。物語は現代に続いていくのだけど、すずさんの物語はどうなったのかな。
カバーの絵は髪を切ったすずさん。読み終えて、折り返しの先を見ると、ああ、となる。

兵士でもなく、死者でもなく、夫も子どもも失うことがなく、残る大怪我は抱えたけれど、すずさんはどうしても脇役だ。
漫画の人物としては、もっと大事に面して、悲劇を背負って(十分な悲劇なんだが)、そこから雄々しく立ち直るというドラマを通じてキャラが作品にねじこまれていくんだけど、すずさんは、まるで絵に描かれたように、ぽつんと状況に置かれてしまった。

戦争という奇妙な家庭に嫁いできてしまって、それでも現実と受け入れて、つつましく暮らしていたのに、すべてがウソのようで、現実感がないまま終わってしまった。
想像だけど、作者は描くことによってすずを不幸にせねばならないことに抵抗があったのではないか。
それでも、鬼イチャンが鬼になって帰ってくるような、描かれた幻想が現実を救済していくことで、結末、作品の意義としたのだろう。

生活描写の細やかさに見入っていた漫画だけど、生きて、居場所を見つけて、そこで暮らすという、平和だと意識すらしないことへの思いが描かれている。
思わないことを描いてることで、あるものが見える。それは、怒りでも悲しみでもあることで描くよりも難しいかも。

すごい漫画を読んだな。

この世界の片隅に 下 (3) (アクションコミックス)この世界の片隅に 下 (3) (アクションコミックス)
(2009/04/28)
こうの 史代

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もがきを楽しむねずみなのだろ「考える侍/やぁ!」(山田芳裕)
2009/05/04 [Mon]09:35
続けて山田芳裕文庫。

彷徨う侍(ってか浪人だよな)と、性格の偏った会社員の短編がいっしょになってて、どちらも世の中や集団でなく自意識に準じて生きている人の話といえば相似形。

生きている、生き方に凝る漫画って、今は少ないような気がする。自分が読んでる範囲なんて狭いけど、職業漫画だったり、異世界ものだったり。
しかも、それで世の中や集団がどうってことはなくて、苛烈な人物像だけでオチる。
そこがなんだか新鮮だった。
物語を求めてしまうのがすでに粋ではないな。

無粋な今の自分は、巻末の「グレート2」の刹那さがむしろ、肌になじんだ。時期を変えて読むとまた違うんだろう。


でも「やぁ!」のキャラたちは、もうちょっと世間をかきまわしてほしかったんだよな。
源なんて、あの緩い間合いで会社やスポーツだけでなく、政治や戦争くらい左右してほしかった。
それくらいの破壊力はあるだろ。
小鳩の三角とかエロ妄想も使い切ってないし。
どこかで続編が読みたいが、「へうげもの」で十分に変人を描いてるんだよな。

山田芳裕傑作集 (2) (小学館文庫)山田芳裕傑作集 (2) (小学館文庫)
(2000/02)
山田 芳裕

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生きている価値が問われてしまう「大正野郎」(山田芳裕)
2009/05/02 [Sat]09:10
「へうげもの」作者の初期傑作文庫を買う。

夢二と芥川を好み、アナクロなスーツを着て、レトロな自転車にまたがり、切手収集に盛り上がる。
これが大正時代なのか。今から古く思える80年代・昭和からさらに古いもの。
大正時代ってわりと、日本は豊かだったんだよな。安定と危うさが共存し、海外へ向けて世が動いているという。
古くはあるが、筋が通りつつ独特のスタイルがある。
モノやスタイルに凝っていく主人公は「へうげもの」に通じるものがあるし、描く方向はすでに定まっていたのかも。
キウイ棚の土屋さんなんて、ヘチ貫だよ。顔が。


モノやスタイルで上っ面を飾るだけでなく(対して佐山は情報に踊っているように見える)、勉強もして思想もコスプレしているのだよ。
昭和人がやるんだからコスプレにしかならないんだけど、そこまでの趣味と覚悟は褒めねばならない。
なんというか、読み終わると平くんがかっこよく見えるんだから作者の思うつぼ以上だよ。


これがデビュー作。だけあって、絵は拍子抜けするほど拙い部分がある。
太陽なんて、小学生の宿題みたいだもの。マルにギザギザ。
10話もすぎると線を描き慣れてきた感が出てきて、それでスタンダードにうまい、見やすい、丁寧になるのではなくて、細部や表情や構図の強調に技術向上が使われていく。

擬音がユニークなのも「へうげ」ってか作風だよな。
足音は「こしゃこしゃ」、体を洗うのは「じょしじょし」。
でも太陽は「かーっ」なんだよな。そこはベタだ。

山田芳裕傑作集 (1) (小学館文庫)山田芳裕傑作集 (1) (小学館文庫)
(2000/01)
山田 芳裕

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