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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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笑いの力とは強きもの「へうげもの」(山田芳裕)9
2009/07/30 [Thu]09:34
どうにも、秀吉すらも世の流れをコントロールできてない。わび数寄を一切やらない、実務派の三成がからむと、テキパキと物事が進みすぎる。
なんで利休が邪魔なのか? そこまでしないといけないのか?
わかりきらないまま、結論が出てしまう。

利休が退場し、数寄の天下を担うことになる古織だが、その心中には変化が去来していて・・・・
という9巻。


師匠を自ら介錯したあとに、4ページ見開きがどどんと。
視界上手の2ページで雷雨が空を打っていたが、視界下手の2ぺージでは晴れ間が見えてきて、わかりやすく心情を説明している。

古織の天然な数寄マニアっぷりを笑えるほど、利休がほどよく崩れたのも、天下が一応おさまった状態だからか。
その利休から古織も笑いや崩れの面白さを実感していく。

利休の暴れっぷりは唐突かつ強すぎて読者としても笑うしかない。拳で猛進。脱いだらスゴイ。
最期は緊迫感が最高に高まったところでズッコケてみせる。緊張と緩和だなんて、お笑い学校で学ぶような基礎の基礎。丁寧に笑いをとってきたな。

師弟が魂で交感した、いいシーンだなぁ。
「わび」が進んでいく。進行はきっと直線じゃなくて、時代を横目に蛇行しながらなんだろう。


天然と作為が、わびを作る両側にあるのな。
憧れて、趣味で始めた数寄と、仕事としての茶頭筆頭。
自然の崩れと、人による崩し。でっかく見ると神と人の対決。
町人文化の茶の湯から、武家風の茶の湯へ。

天然、神を超えた「良さ」文化をもって、さらに天下を平定せんとする秀吉。
そりゃ荷が重いぞ。大丈夫か古織。



ああ、「アナタガ スキタカラ」の朝鮮王子もこの巻の見所。なにを唐突に。
利休の死という重たすぎる展開を和らげるのに最適なキャスティングなんだけど。
「スキタカラ」と「ちょっちゅね」がなんで見つめあってるの(笑)

作者、利休を超えたかったんだな。笑いで。
へうげもの 9服 (モーニングKC)へうげもの 9服 (モーニングKC)
(2009/07/23)
山田 芳裕

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発明ではなく発見から始まるの「もやしもん」(石川雅之)8
2009/07/29 [Wed]09:56
ビール編。6巻がワインで、7巻が味噌と醤油だった。

地ビール醸造を営む新ヒロインが登場して、これがまたメガネで小さくて地味で童顔。
美女が多い漫画で、隙間をちゃんと埋めるポジショニングだ。

ワイン編と同じく(だと思う記憶)、ビール/地ビールとは? 製法は? 業界は? のウンチクをブチあげるところから始まる。
で、美女が飲んだくれてオヤジが語って、最後は祭りでシメ。きれいな一巻構成だ。
この巻だけ読んでもOK。

ウンチクなんで要らないの、と語るウンチクがあり、ウンチクがあればこそ楽しめる余地があり。
酒を楽しく飲むことに対する情熱に打たれる。


ラスト、すっかりドイツになってしまう農大内の異空間ぶりが圧巻だ(作画としても)。
臨時イベントにしては盛り上がりすぎだが、これまで、テーマパーク的な農大世界に慣れてきているから問題はない。

現実の地ビール会社も巻き込んでいる。
菌が見えるとか、農大の内部とか、いろいろ見所はあるんだが。

ウンチクを語りつつ、読んでる方、発酵食品にかかわり、好む人を巻き込もう、楽しませよう、って漫画だよね。
素晴らしい。

もやしもん 8―TALES OF AGRICULTURE (イブニングKC)もやしもん 8―TALES OF AGRICULTURE (イブニングKC)
(2009/07/23)
石川 雅之

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奸賊と同じじゃないかっ!!「テロルの系譜」(かわぐちかいじ)
2009/07/28 [Tue]09:15
文庫で読んでみる。

明治から西郷派による大久保利通暗殺、来島恒喜による大隈重信襲撃、大逆事件。
大正から朝日平吾による安田善次郎暗殺、甘粕正彦による大杉栄謀殺、難波大助による皇太子襲撃。
昭和から血盟団事件、二・二六事件、東條の自殺未遂。

大義、信念のためには手段を問わないテロルの現場をフィクション的な演出で描いた漫画。
非合法であろうと、どこが悪いのか? 法や現行の秩序に俺の大義は反する、または俺はその法そのものに異議を唱えるぜ、ってことだ。
そのアウトローな姿ってのは、型破りなヒーローであるわけで、漫画で読んだからまた、妙にカッコよろしい。

特に最後の「一人だけの聖戦」は、東条英機の自殺失敗を軸に、フィクションで味付けして「東條のバーカ!」をやってる。
大義のある若者がヒーローで、討たれる東條がバカだと。

作者は意図的に、カッコよろしさを強調して、危うさを逆照射してるとは思えない。
「漫画だからね」「一種の表現だから」を武器にして、真っ向からヒロイックなテロルを訴えているのだな。きっと。

思えば小中くらいの歴史の教科書だと、ナントカ事件の説明は被害者側というか、現行秩序につながる側の視点で描かれる。
テロリストの名前よりも大久保利通が先。
小中学生はこの漫画読まないだろうけど、高校生になったら読んでおくといい漫画かな。


いやしかし、手続きを経てデモ行進する、合法政治活動って奥ゆかしいな。
本来、大きな秩序に不満があるはずの層が、小さな犯罪にこそ目ざとくつっこむってのは、平和でよろしいってことかな。
(コトの大小が問題じゃないが・・・)

生活エリアは秩序だっててほしいが、社会全体だともっと混乱して硬直が打破されてほしい。
そんな都合のいいテロル、ないよな~。

テロルの系譜―日本暗殺史 (ちくま文庫)テロルの系譜―日本暗殺史 (ちくま文庫)
(2002/07)
かわぐち かいじ

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サウナで入浴!!!「東京都北区赤羽」(清野とおる)1
2009/07/26 [Sun]09:51
フルカラーの、地元散策漫画。
漫画家の漫画だが、よくある「漫画家漫画」の臭いはまるでなく、
タイトル通りに近所の話限定。

赤羽って、イメージはともかく東京の北の方ではかなりのデカい街。
でもそれは京浜東北線とかが通ってるからという、JRとか通勤的な理由でデカくなったので、半世紀も前にはただの田舎だった。
郊外どころかド都心か埋立地でもなければ、日本中がそんなんなんだろうな。

しかし、そんな「変わってるけどありふれてる」ような風景の中で、
よくぞ変人と出会うものだよ。
ペイティさんにジョージさん、末期ガンの師匠。
赤飯お婆ちゃんなんてホラーだぜ。

絵のボヤボヤ感と、街のモヤモヤ感の相性が最高だ。
「モヤモヤさま~ず2」が来てもおかしくないが、割と、夜に面白いことが起こってるからな。ロケに来ても「なんもない」かも。
生活者ならではのゾワゾワした「変な所にいる」感触がいい。

でも、ネタ、続くのか?

東京都北区赤羽 1 (GAコミックススペシャル)東京都北区赤羽 1 (GAコミックススペシャル)
(2009/06/16)
清野 とおる

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もうひとつの銀河へ!「マップスネクストシート」(長谷川裕一)1
2009/07/25 [Sat]09:21
主人公自身に謎があり、自分探しをしながら銀河を渡る。
思えば、7巻にもなってまるで解決してないな。細かい謎は理屈がわかってくるんだけど、そもそもなんでそうなってるのってことがわかんない。
どっかにまとめ&予想のサイトがありそうだけど。

最初のリープの星は、アンソロジー作品との連動ポイント。
ここでフラグを立てておくと、世界観が広がる。宇宙は広いしリープタイプは10万もあるので、どんだけでもサイドストーリーを考えてOK。
原作にしてにおいは同じだが、同人誌でも使えるタネをまいてくれてる。


「アスカ@未来系」と続けて読んだせいか、
リプリリスの
「きさまらの野望は……」
ってセリフはギャグだとわかってしまった。
くさいセリフもそのままは使わない。難しい時代だな。

というわけで、大筋ではなんもわからんまま、続く。


あ、白銀の支配者の出番がクスグリのみってのは、どうなんだ。処理に困ったか。
追ってこないのか、これないのか。
しかしこのノリだと、モエ絵で宇宙全体が救われる可能性があるぞ。

まさかの勇者カネコ。ある。あるな。

マップス ネクストシート 7 (Flex Comix)マップス ネクストシート 7 (Flex Comix)
(2009/07/09)
長谷川 裕一

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バトルの真っ最中なんだぞ!「アスカ@未来系」(島本和彦)
2009/07/24 [Fri]11:06
サンデーGX連載の最新作だそうだが、オビによれば「コレもう、ストーリー変わってる」とか。
ちょっと気になる。

超能力を持った主人公のアスカ(転校生)がやってきて、同種の能力を持つ敵やライバルとバトルする。

表面的にはそういうありふれた漫画。転校生ってなぁ、学園バトル漫画をパロった自作のセルフパロディかと。
いろいろ踏まえたようなモヤモヤがあり(それをネットで共有し)、バトルものへの照れもある。いまどきってこういうことか。

未来人といっても信じてもらえない。
バトルでは
「この“力”を使ってしまうのか…!」(強いけどリスクもある力だし)
などという、腐りきったバトル漫画セリフを吐かされたかと思えば、助けるべきヒロインが強いというズッコケ(死語か)をかます。
ようやくバトルになっても、勝利にはこだわらず、ヒロインの現状維持のみを求める。
てか、バトルってもにらみ合って時間を浪費しあうというだけ。
敵・ライバル側の組織も、闇の勢力じゃなくて匿名掲示板。

いまどきっぽくしすぎて、あざとさも覚えるが、学園バトル漫画のパロディ新路線だな。

ただ、時空圧エネルギーの設定は、時間をかけて、つまり努力でなんとかしている成果を短縮して得ている。つまり根性の力だ。
となれば、今後は時間をかけてもなんともならないことが壁になる。
「お前の背はもう伸びない!」
「俺たちの愛は変わらない!」
「20年かけてもここまではたどりつけない!」
とか。

安易に考えれば、恋愛や友情など人の心は時間をかけても変わらない、
となるだろうが、そこは3から4週目のバトル漫画。
時間をかければ永遠の愛だって変りうる、と言い切るだろう。

出だしでスベってる感はあるものの、スベリ芸としてリカバーして、続きも読みたいものなぁ。
計算か? 未来人だけに、予想されてたか?

漫画の「あるべき」展開を愛して、考えつくして、それから覆すという作風の人が、
こんがらがった超能力バトルをどう見せる(見せ続ける)のかな。

アスカ@未来系 1 (サンデーGXコミックス)アスカ@未来系 1 (サンデーGXコミックス)
(2009/07/17)
島本 和彦

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オレは芸術的画家だ「劇画ヒットラー」(水木しげる)
2009/07/14 [Tue]10:35
ちくま文庫で読む。
巻末に参考資料が列記されていて、戦争には一家言ある作者らしいリサーチに基づいている作品と思われる。

そのせいか、全体的に普通の「ヒットラーとナチス党のあらまし」ダイジェスト漫画になっていて、漫画としてはつかみどころがない。
でも水木世界は「こんなことがありました」「そりゃひでぇ」「ゲッゲ、ゲゲゲノゲー」だから、史実を基にしたらこんな感じかな。
「昭和史」もこんなだったような気がする。

なにしろ、ヒットラーが普通のバカである。もっと有体に狂人だったり。ユダヤ人にトラウマがあったりしたら、わかりやすいのだが、なんとも普通の、ドイツ人の復権を願うバカだ。純度が高いだけ。
とりつかれたように、点描を打たれた舌を出して「ムホーッ」とかやってくれたら、ヒットラーはオカシイねと笑えるのだが、剛腕で演説がうまい政治家って、現代にもいるじゃないか。

演説のうまいヒットラーを掲げたナチス党が少数の過激派から最大議席を確保し、数年のうちに「ハイルハイル!ウワーッ!」な国内になってしまったこと。
表立っての法的には問題もなく、まっとうな手続きでヒットラーが支配者になったこと。

こんな大失敗例があるのに、なんで民主主義なんてのがいまだに採用されてるのか。
間接民主主義なんて、共産主義と同じく、失敗の発明だろ。


漫画としての物足りなさから、問題はヒットラー個人にあるわけじゃないのだなと思った。

ドラマチックなヒットラーを読むんだったら、やっぱり「アドルフに告ぐ」かね。
読み返すかは未定。

劇画ヒットラー (ちくま文庫)劇画ヒットラー (ちくま文庫)
(1990/08)
水木 しげる

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生きてる意味ってゆーか「OLはえらい」(益田ミリ)
2009/07/10 [Fri]09:34
「すーちゃん」(読みログ)の作者のもの。初出は01年で、06年に文庫化。その際に書き直したそうな。

中小企業でOL(一般職)をしているロバ山さんと同僚のエッセイ4コマ。
上司が典型的なオヤジで、ツッコミの対象になっているのだが、ロバ山さん周辺の仕事も生活も実に典型的なOLで、まるで漫画だ。

お好み焼きや庶務の段取りのスキルが高くても、名刺を持った新人君に追い越されていく焦りと苛立ち。
会社としては、新人君とロバ山さんのスキル差は、あったとしても適材適所を考慮するほどのものではないってことだ。
採用して配置してまわってるなら、いじるコストをかける必要はないと。

もっとも、その(客観的には)ユルくて安定した職種の上に、ロバ山さんたちのささやかな幸せがあるわけで、難しい。
ケータイで私語はダメだけどカップスープは飲んでいい。
誰が決めたわけでもない。仕事の種類だって同じく見えない、感覚的な違いと区別だよね。

個人としては採用や配置の段階の不利や不満に立ち向かわなくちゃいけないのは不条理でもあるが、そんなオンデマンドのジョブシステムなんてないのよな。ロールプレイングゲームじゃないんだから。

ささやかな幸せと不満のお話。ま、楽しく読みましょうや。


てか、最近だともう「キャリアウーマンみたい?」なあこがれじゃなくて、
婚カツに邁進する肉食女性が目立つのかしら。

メディア内だけか。普通は、仕事してたら、認められたいものな。

OLはえらい (文春文庫PLUS)OLはえらい (文春文庫PLUS)
(2006/10)
益田 ミリ

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瓜から人が生まれることだって「ニッポン昔話」(花輪和一)上
2009/07/09 [Thu]09:39
昔の限定版も読んだことがあるのだが、より読みやすくて(金額でも、判でも)追加収録もある版で読みなおし。

よくある昔話、民話の改題とくくってもいいんだけど、因果や業を見せる民話と作風の合致がよろしい。

「舌切雀」はそのまま、
「浦島太郎」がありがちなタイムマシンものになりそうなところで牛を一枚かませてくるし、
「一寸法師」なんて、小さい人が姫様を救うってところだけ。ひょっとして原典はそうなのかと思ってしまうが、あんなツルっとした法師はいないよ、過去に。
で、「かぐや姫」では、得意の(?)仏教的な救済をゆったりと。

どこを切っても花輪和一の漫画なんだな。繰り返すが原典との相性がとてもいいのではないか。


因果を含める展開が続き、悪い人は悪い顔をしている。
花輪作品にはいい人がいい顔をしているとも限らないので、「瓜子姫」ではカエル顔の姫と天の邪鬼がそのままのポジションだったという、読み進めた末に「疑ってすいません!」となる構成。

素晴らしいな。しっかり童女にシンクロしてたぞ。


と、思えば追加分のニッポン現代話は救いがなくて、善行や素直さが報われない。
なんという……。落とし穴があるから油断できないんだよ、花輪和一は。

ニッポン昔話  上巻 (ビッグコミックススペシャル)ニッポン昔話 上巻 (ビッグコミックススペシャル)
(2009/06/30)
花輪 和一

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見てるとおり描くのさ「東のエデン」(杉浦日向子)
2009/07/08 [Wed]09:22
同名のアニメもあって、面白く見てたんだけど、まったく関係のない明治開闢のころの漫画。
本棚にあって、読んだような気がするが、楽しく読み返した。
江戸風俗をたしなむ(ってそれが本業だよ)作者の手で、明治3年とか6年の青年像が書き記されている。

激動する時代や国家へのメッセージとか、若者らしい野望とか、そういうのはない。

お上が変わったってねぇ、へぇ。ってな感じで、人々は暮らしを続けている。
泰平の世の流れ、雰囲気はそうそう変わらないってことと、上が幕府でも新政府の官僚でも、生活が変わるわけでもないんだよな。9割以上の百姓(多くの職能、生活者を指す意味での百姓)にとっては。
だから、駐在外国人の邸宅で、アダムとイヴは呑気に仕事ができる。
お上と外国人の距離感は一緒だろうし、もっと上の天皇/神様への意識があるから、呑気なのかなー。

と、作品での描写を唯一の正解として受け取ってもいけないのだな。
こういう生活もあったよと。光の当たり方によって見え方が違って「黒ン坊が隈取りをしてるみたい」だったりする。
だいたい、作中は現代語でしゃべってんだから「そのまま」だなんてね。

知識と愛情を伴って時代と向き合っている作者が、この風景を呑気さあるものとして切り取ったことで、読んでいる方はホッコリする。
時代錯誤な姫様のかわいらしさ。
トノサンと呼ばれて友情を預けられながら「そんなことさせられない」という、絶妙な扱い。

このへんの「江戸っぽさ」が、クスリと笑えるところが、この時代の面白いところなんだろうな。

東のエデン (ちくま文庫)東のエデン (ちくま文庫)
(1993/07)
杉浦 日向子

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私はロボットですよ「鉄腕アトム」(手塚治虫)13
2009/07/07 [Tue]09:18
「PLUTO」(浦沢直樹カテゴリの読みログ)を完結まで読み終えたきっかけで、原作の方を読み返した。
講談社の手塚治虫全集だと、13巻がまるっと「地上最大のロボットの巻」だ。

アブーラとゴジ、ロボットの関係。
ロボット同士が戦う虚しさ。それを仕掛ける人間の愚かさ。
人工知能の不完全さと、その成長(可能性)。
細かいところだと負けたロボットの顔にバッテンとか、ラストのアトムの佇まいとか。

比べるのもなんだけど、この辺りは、きっちり「PLUTO」に継承されている。
ロボットバトルの面白さは、原作でもなかなか。浦沢版の空中戦は現代の漫画としては迫力不足を否めなかった。
(正体不明のモノと戦う、パニックもの、モンスターもののテイストだったからね、前半は)

アトムやウランの優しい心に触れて、プルートゥが人間性を獲得し、ボラーの暴走を食い止める。
命令されたことしかできない不器用なプルートゥの成長が幹にある。
アトムはよき主人公として話に加わってるだけで、主人公はプルートゥだ。

原作アトムでは理性的なロボット(悲しみを知る人工知能)は、暴走する人間よりも正しい、という風合い。
手塚作品(だけでもないけど)によくある、欠けた者からの視点で批評するってやつだ。

でも、「PLUTO」では、そんないい子ちゃんにロボットをしておかなかったんだな。
人間らしさを追求するには憎しみも暴走も知らなくてはいけない。
なにしろ、暴力装置としてはロボットの方が危険なんだから、なおさらに。

というところまで掘り下げているから、21世紀版にふさわしいリメイクだったんじゃないだろうか。

と、どっちの作品の読みログだかわかんなくなったところでチョン。

あ、原作の方だと、一巻の中に個性的なロボットが出てきては戦う展開が面白い。
人間の顔をしちゃってた「PLUTO」よりも華があるよな。
なんでだかおっさんだらけなんだよな、「PLUTO」は。

鉄腕アトム (13) (手塚治虫漫画全集 (233))鉄腕アトム (13) (手塚治虫漫画全集 (233))
(2000)
手塚 治虫

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PLUTO (1)PLUTO (1)
(2004/09/30)
浦沢 直樹手塚 治虫

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お前はただの人工知能だ!!「PLUTO」(浦沢直樹・手塚治虫)8
2009/07/06 [Mon]09:59
手塚治虫原作、長崎尚志プロデュース、浦沢直樹作の21世紀版アトム。8巻で堂々完結。
こんだけ重たい冠が積んだ作品を、よく上手いことリメイクしたなぁ、というのが最初の感想。

原作も読み返してみたけど、手塚にしては長く、浦沢にしては短い分量だったんじゃないか。
浦沢直樹の漫画が巧すぎる。ザクッとした場面転換で引きつけながら読ませるのは、面白いんだけどページ数がかさむんだよな。
主人公が「エーッ!」とか言いながら(ただの例えだよ)、順序よくお話が進む手塚アトムの時代とは見せ方が違う。


プルートゥって何だ? どこから来たの? 何が目的なの?
という衝撃をきっかけにミステリーが始まって、
人工知能やサイボーグ技術を真ん中にロボットと人間ってどこが違うのと語る。
原作アトムから離れすぎないんだよな。でもどう読んでも浦沢(長崎)漫画。


付加されているテーマは人工知能の部分。
憎しみを与えることで、人口知能が完成(?)する。
でも、憎しみを覚えることで悲しみを得ることもできる、ということだろう。
暴走、欠落がない感情は完全ではないし、負の感情を乗り越えてこそ、「人間らしい」わけで、暴走や憎悪があるだけではただの迷惑で小賢しいヒトだ。

トラキアのマザー・コンピュータも、かわいい顔して憎悪を持ってたけど、抑えることを知らなかった。
それじゃ子どもなんだよ。

PLUTOを通じて、作品内のロボットは生まれたての子ども(才能はある)から、欠落と抑制を知る大人になった、なろうとすることができた。

なるほど、大人の漫画だよなぁ。

PLUTO 8 (ビッグコミックス)PLUTO 8 (ビッグコミックス)
(2009/06/30)
浦沢 直樹

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PLUTO 8 豪華版―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (ビッグコミックススペシャル)PLUTO 8 豪華版―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (ビッグコミックススペシャル)
(2009/06/20)
浦沢 直樹手塚 治虫

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鉄腕アトム (13) (手塚治虫漫画全集 (233))鉄腕アトム (13) (手塚治虫漫画全集 (233))
(2000)
手塚 治虫

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筒状になるのです「うちの妻ってどうでしょう?」(福満しげゆき)2
2009/07/05 [Sun]09:04
ほのぼのエッセイ漫画にも2巻が出た。
「生活」はどうなったんだ。漫画業の本編は。
と思いつつも、やっぱりカワイイは正義といおうか、面白い。

妻の生態をいじったり放っておいてネタが生成されるだけでなく、得意の世襲論、下層運命論を語る。カップルを妬む気持ちも衰えない。
バイトのダルそうな仕事を擁護する! 素晴らしく正しいが、解決策になってない逃避っぽさが作者らしい。

いきおい余って「僕の小規模な生活」とネタがかぶっていきそうだが、大丈夫なのか。
読んでる方が心配することでもないが。

もはや一種のキャラになった妻を転がすなら、妻が外に出る生活を始めると面白いかな。
または妻の実家、自分の親のこともネタにしていくと……。
や、そこは漫画家業の「小規模な生活」とは別の血染めネタが吹き出てきそうなんだよな~。

ほのぼのしてて、今でも十分面白い。(でも単価が高いな!)
でも、福満ファンは、無防備な本音とむき出しの刃も楽しみにしているはず。
(言ってくれてる! いっちゃってる!という)

ホントすいませんが、夫婦喧嘩してくれたらいいのに。読者のエゴ、おそるべし。

うちの妻ってどうでしょう? 2 (アクションコミックス)うちの妻ってどうでしょう? 2 (アクションコミックス)
(2009/06/27)
福満 しげゆき

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幸せになる薬か?「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平)15
2009/07/03 [Fri]09:22
一巻一エピソードになって、途中参加でも読みやすい。
表紙のメガネが闇金業者のウシジマで、客相手には田島と名乗っている。これだけ覚えておけばいいってか、それ知らなくてもわかるよな。

15巻はテレクラくん。主婦売春の話。
パチンコと売春で寂しさと貧しさをしのいでいる。その日常が闇だ。
どうしてパチンコに生活が破綻するまで通うのか、売春で安売りが止まらないのか。
経済的な合理性はないんだけど、ちょっと理想的に転がるように補正してしまうのが人間だ。
んで、その下方修正に慣れていく。下方修正した時点で、青写真のとおりにはならないのに。

バカだなぁ。
って、この感想は13巻の「出会いカフェくん」(読みログ)で覚えたものといっしょだな。
少女売春なら可憐な(爆笑)ケータイ小説風にもなろうが、主婦売春が主軸なので絵的にも精神的にもなお汚いこと。

若さ、時間の余裕があるうちに、闇から足を洗った方がいい。
ほんと、これ読んでるとホリエモンのベーシックインカムで世の中が良くなるとか、信じられない。毎月5万円バカに与えても、バカの間で回って闇に吸い込まれるだけだ。


いつもながら、最後にカッコつけそうになるウシジマがなんだか憎めない。
ここで、バカに天誅いれてやってんだ的なことを言わない、悪どさを自覚してるところが、強さだな。

バカと悪の戦いはまだまだ続く。一生か。一生なのか。

闇金ウシジマくん 15 (ビッグコミックス)闇金ウシジマくん 15 (ビッグコミックス)
(2009/06/30)
真鍋 昌平

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闇金ウシジマくん 13 (ビッグコミックス)闇金ウシジマくん 13 (ビッグコミックス)
(2008/11/28)
真鍋 昌平

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一本目はもちろん赤字です「小説手塚学校」(皆河有伽)1
2009/07/02 [Thu]09:10
国産テレビアニメの誕生の現場を再現した小説を読む。

小説とはいえ、個人の言動は資料に基づいており、フィクションらしくはない。
そのぶんだけ、当時の事情を追いながら、
“後年「~~~」と語っている。”
という回想も入るので、時制の面では読みにくくもある。

ドキュメンタリー番組の再現ドラマのような感じだ。
再現シーンに、後の本人の語りが挿入されて、脇に「ホニャ年当時の本人」とかテロップが浮いてる。
そんな脳内フレームで読んでいくと、把握しやすい。
もっとも、小説なんだから、もうちょっと手を入れてまとめてくれてもいいのに、と思う部分がある。
その辺は、あとがきでも作者は織り込んでいる。

多岐の資料を生かしてまとめる。さすが「ガンダム公式百科」の編著者の産物だ。
なにしろ「週刊実話」まで入っていて、記憶違いだろうと後の言い換えだろうと、まるっと含んでいる。


資料にひもづけられた物語だけに、信ぴょう性はあるし、個々人の言動のエキセントリックさや焦り、怒り、夢に野望が生々しく、面白い。
アニメ(アニメーションでなく)制作を実現するまでの手探りの不安感は、なんともいえない。30分に必要な枚数を逆算したら、ベテランから新人まで連日連夜の作業が確定って、積んじゃってる状況。
そんな状況を招いたのは全員のはずだが、手が早いのに多忙すぎて遅れる手塚への苛立ちが象徴的に立ち上がってきて、でもみんなで夢を見直してとにかく次へ、と。

現実なのに実にドラマチックだ。
毎週の放送を、週刊漫画雑誌のある日本で始めた功績はでかい。

で、よく言われる、手塚がアニメ制作費を安くしたおけがで今のアニメーターの劣悪な労働環境があるという話も、読むと少し印象が変わる。
制作費としてはそこそこで、しかも版権料が見込めるアニメは、ヒットが前提だが悪い賭けでもなかった(とされている)。
当時から海外でも売るんだって意識だし、実際に売ったんだし。
それでどうして、現在の産業、生業としては微妙なアニメ業界になっちゃったの。

その後の問題としては、テレビの力が大きくなって局や代理店が儲かっても、制作費へのフィードバックがさほどなかったってことじゃないかね。物価に連動しなかったというか。
うーむ。でも無料で放送するぶん、リスクは誰かが負ってるんだよな。
制作現場から、そっちに踏み込んで局と融合する仕事人が出なくてはいけなかったか。


2巻もすでに刊行が近いそうな。
資料の網羅をしながら書き下ろす、労作ぶりに敬礼。

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