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読んだ漫画単行本をひたすら記録。読んだ端から。
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すげえ!若い!女!!「僕の小規模な生活」(福満しげゆき)3
2009/11/27 [Fri]09:47
露骨なエッセイ漫画の新刊を読む。
若い編集者に欲情し、ストーリー漫画や少年誌掲載への憧憬を隠さない。
自分の弱さや脆さを素直に出してきて、読んでいて逆にドキッとする。

普通は欲望を隠して生きるからな。描いてる人を見ると、やましくなるものだ。
他人のこともよく見ているが、思い込みも激しい。
それでも読めるのは、それはあくまでも僕の主観です、という断りも入れているから。
怒ったら目に見えてわかるけど焦ってるかどうかはわからないという。
その区別をしているからといって誠実だとは言い切れないのだけど(笑)、線引きがあることで漫画になり、現実を浸食せずにすんでいるのではないか。
これはカバーデザインの逡巡や、実は女性編集者がいたことなんて、ネタとして発酵させてた感もあるしな。

なにしろ、妻関連の大事件で、3巻にはクライマックスをきっちりと収録している。
「ある事情があって妻がアシスタントできていない」ことが描かれていたわけで、編集部の示唆があったかともかく、計算でもなんでも上手いまおとまりだ。
懸念の「薄さ」にも、本編で語られていた短編「東村山あたりの夕日」収録できているし、本人も周囲も、作風や本作りのコントロール力が上がっているような気がする。


関係者も読者も、他誌やちょっとした取材記事のB面が語られてたりするので、すべての福満関連情報を抑えたくなる、商売的にも非常に上手い作家だ。
ということは、できるだけリアルタイムで読みたい作品かな。
5年後に文庫でとか、あまりイメージできない。


面白い。
車谷長吉みたいな、偏屈老人になるんだろうか。

僕の小規模な生活 3 (モーニングKCDX)僕の小規模な生活 3 (モーニングKCDX)
(2009/11/20)
福満 しげゆき

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塩壷の匙 (新潮文庫)塩壷の匙 (新潮文庫)
(1995/10)
車谷 長吉

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たったひとり起きて歩いているんだな「散歩もの」(谷口ジロー・久住昌之)
2009/11/26 [Thu]09:36
「孤独のグルメ」のコンビによる散歩漫画。
掲載は通販生活で、買い物ネタが入っているのはそのためだそうだが、どうにも全体的に、くたびれた感じが漂っている。
そこが味なのだが、通販生活としてはいいのかわるのか。
ともあれ、こうして文庫になってしまえば「孤独のグルメ」関連作である。
谷口ジローの絵を思えば、文庫で読むのはもったいないが。


男が一人で東京の街並、路地を歩く漫画だから、「モヤモヤさま~ず2」や寄り道しない「ちい散歩」「ぶらり途中下車の旅」のよう。
うんちくがない「ブラタモリ」でもある。

散歩は隙間だと、久住昌之があとがきで記している。この作品で町の隙間に落ちているのは過去だ。吹きだまっている。
井戸や雪駄、ゴムボール、ヒッピー祭りの空気。ハーモニカ横町が消えるのもさびしいけど観光スポットになるのも違う。

考えてみれば贅沢な男のわがままだ。
自分は若さを切り捨てて、企業の部長になっている。停滞した町を懐かしみ、隙間に残った過去を愛おしむ。
自分はそんな立場にないと思いながら。

これで説教や愚痴を垂れようものなら、オヤジ語りに反吐が出るところだが、街の隙間の過去に、自分を重ねる回想は、実に孤独で味わい深い。
しかしジャスト同世代の東京育ちじゃないと共感しにくい、どうしても個人的なことに思える部分もある。
「孤独のグルメ」のように、食い物がテーマだと「あるある」と思うのだが、街や時代の記憶というのは感応しにくいのかも。

その意味で、本作の主人公、上野原の方がよっぽど「孤独」なんじゃないかと思った。
散歩もの (扶桑社文庫)散歩もの (扶桑社文庫)
(2009/10/29)
谷口 ジロー久住 昌之

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屁理屈を言いながら世直しをしていく「バクマン。」(小畑健・大場つぐみ)5
2009/11/25 [Wed]09:52
ジャンプ漫画家漫画の新刊を読む。
連載が始まって、サイコーの病欠フラグがチラチラしてきたところまで。

連載が始まっての試行錯誤なので、全体が起承転結の承の雰囲気。
「ジャンプっぽさ」を巡って、主人公2人、編集部、ライバル、アシスタントがいろいろ語る。テーマを揉んでるところだね。
背景には新年会や新担当者、アンケート推移の「ジャンプ内部情報」描写があって、これはもうモデルや資料があるんだから生々しくて面白いに決まっている。
今後も物語と内部情報を小出しに組み合わせていくんだろう。
でも、作中でジャンプの誌面の方向性まで革命が成功してしまったらどうなるのか。
なにしろ写実の鳥嶋氏まで出ているほど、リアルを打ち出しているのだしな。

テーマを揉んでる中で、中井さんがドラマを担当している。漫画だよあの人。もう中井さん主役でいいだろう。
この巻で友情努力勝利が揃ってるのは中井さんだけだろ。
展開の落ち着きが速くてもったいない気もする。コージーと付き合ってから返って来てもいいと思うが。
作中漫画でも解決までの展開は速いわけで、ジャンプだからそういうことか。

でも展開が速い一方で、サイコーとアズキの恋愛は成就してしまうとバクマンが終わってしまう呪縛なので、進展のしようがない。
若さが暴走しても、やっぱり「2人の夢」で片付くパターン。
ジャンプ漫画としてはヒロインがほかとくっついて返ってくるとか、ドロドロはないだろうしなー。そこはちょっと退屈なんだよ。
サイコーとシュージンの関係にしても、強固で安心なんだよなぁ。

でもなんでか面白いんだよな。ジャンプの内部を知りたいでもないのに。
なんでかなー。わかりやすいところではキャラがことごとく異常で笑えるからなんだけど。
バクマン。 5 (ジャンプコミックス)バクマン。 5 (ジャンプコミックス)
(2009/11/04)
大場 つぐみ

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勇者はもういない「マップスネクストシート」(長谷川裕一)8
2009/11/24 [Tue]09:15
デス銀河の地球、つまり前作の歴史を踏まえた地球が舞台だが、勇者はじめ登場人物に欠落もあるし認識もずれてるしで、正直言って、ようわからん。
わからんように描いてあるんだけどね。

非常にややこしいうえに、パラレルワールドかもしれないし、下手したらブゥアーの夢の一つだった可能性もあるだろう。
そんな設定だから、読み解こうって集中力がなくなるのだよな。

読んでるのは前作の読者であり、小説のサイドストーリーも追っているコアな人だろうから、それでいい。
(小説を読んでないのに言うのもなんだが)

8巻は終止、リリス戦で、これといった進展はない。
地球が割れて、主人公が身体を張る。勇者がいないいないと強調された上で、前作のシーンが繰り返されるのだから、勇者復活への布石は十分だ。

いまのところは設定や装置、お話のギミックが先に立っているけど、このまま勇者と、チラっと出たあの船が帰って来てしまったら、主人公の立場はどうなるか。
ちゃんと父親を克服してほしいものだ。
「待たせたな」でいいところを持っていかれてはかわいそうだぜ。

マップス ネクストシート 8 (Flex Comix)マップス ネクストシート 8 (Flex Comix)
(2009/11/12)
長谷川 裕一

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珍しいですか?「乙嫁語り」(森薫)1
2009/11/23 [Mon]09:28
19世紀の中央アジアを舞台にしたとか、12歳男子と20歳女性の結婚とか、そんなことはおいといて、民族衣装を描きたい欲が満天に輝く漫画。
こんな趣味的なもの、「エマ」で当ててなければ描けないだろ。
共通項は、敬語を使うスーパー女子、か。

節制はしているが、食べ物や着るものに不自由していない社会なので、じっくりと生活描写できる。
生活描写のディテールありきでエピソードが紡がれるというか、現状のところではストーリーとディテールの割合が3:7くらい。
衣(布の使い方や衣装)、食(ザクロや狩り)、住(木彫りの柱で家を建てるのと、幕屋の暮らし)で、定住と遊牧の違いを出していくのだが、大半の読者にはどっちも未知のことなので、どちらを基準に読むわけでもないだろう。

ときにはアミル、ときにはカルルクと、視点を変えながら読んでいくことになる。
両者で文化が違うなと、解説でなく生活から読み取っていく。
情報量が多いから満足感がある。

もっともふさわしい視点は眼鏡の研究者なのだが、彼が主役になると物語が前に出過ぎる。ディテールの美が抑圧されるのはよくない。

嫁入り後の物語であり、「嫁」を軸に話も動きを見せていくようだが、2巻以降はストーリーが前に出てくるんだろうか。
生活描写と物語がもっと絡むといいと思うんだが。結婚文化とからめた展開になるんだろう。


しかし、アミルの完成度がすごい。能力でなくて、登場人物として。
作者があとがきで「天然」「野生」「強い」などキーワードをちりばめて「こんなキャラ」としているが、漫画のキャラっだからって絵に描いたようなお嬢様が出て来たりするじゃないか、最近は。
ああいう雑な造型でなく、キーワードを踏まえて、生活描写に織り込んで読ませてくれる。
本編に出てこない裏設定って、あまり興味もないし意味も感じないけど、設定を読んでしっかり腑に落ちる描写だからな。
それをあとがきで示すってのは、ここまで読んだ人にはご存知の通りという、自信ではないかとも思った。
乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
(2009/10/15)
森 薫

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何をしてしまったのだ!!「旧約聖書 創世記」(藤原カムイ)
2009/11/22 [Sun]09:44
藤原カムイの歴史ものを読んでみよう気分で購入。
白泉社文庫だけど、コア出版、徳間書店と渡って来た作品。

ビッグバン的な「光あれ」から、地球ができて生物が発生してという、わりと理科的な描写からいきなり、土の人アダムが誕生。
スケールのデカさを示すのに宇宙を描くのはこれに限らずよくあるんだけど、作品によっては現実の宇宙や惑星を出すと逆に興ざめじゃないかと思う。
人類は月に行ってるのに、ファンタジーのフィクションが同じ惑星での出来事だったら、スケール小さく見えるじゃんか。

というのはおいといて(理科的な演出はここだけだし)、解釈や読み解きを抑えた構成、テキストをベースに、高い画力で「完全なる神」と「罪深い人間」の話を描いている。
なんでカインの供物をシカトしたのかとか、神の指示や反応はいまいちわからない部分もあるんだが、解釈しない。
わからないのか愚か者め、ということだろう。旧約聖書は。なにしろ神は完全だ。
意味わかんないまま、不完全な人間はおろおろするしかない。

読み進めるほどに、人の罪が増えること増えること。
天使も秩序を破り、そのために巨人(人でもないような微妙な存在)が生まれてしまう。
視点がゼロサムというか、完全でないものはとことんダメでもがくべしという、絶望が底にあって、なんだか恐ろしいわ。
旧約聖書の利用目的に、説教と脅迫があったんだろうな。

系図がしっかり書いてあり、俺たちも神の子だよってことは明記してある。
俺カンケーないぜとは言わせない。しっかりしている。
100点取らないといけない、答えの知りようもない問いに挑むストレスから逃れられないなんて、ひどい。

怖いな、旧約聖書。

旧約聖書-創世記 (白泉社文庫 ふ 2-1)旧約聖書-創世記 (白泉社文庫 ふ 2-1)
(2007/03)
藤原 カムイ

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説法ライブはまさに宇宙!!「週刊マンガ日本史 空海」
2009/11/21 [Sat]09:06
鑑真に続いて空海、弘法大師が登場。
漫画は箸井地図。
これまでの人に比べて、空海については資料や功績が多いらしく、漫画の情報量も増している。
それでいてもったりしないのは、絵がシンプルで見やすいことと、シリーズで初めて架空のキャラを立てたところ。
「密教スペシャル 空海のすべてに迫る!!」というテレビ特番の取材をする、という体裁なので、話に合わせて情報を構成していく必要がない。
ある意味でズルいけど、うまい作り。

讃岐の満濃池を指揮した行動的な人であり、実践派。
対して先輩の最澄は文献寄りの理論派で、書斎型のようだ。
対立というか、密教への姿勢の違いも描かれていて、これだけ読むと「最澄は頭でっかち」みたいな感じも残るのだが、仏教、仏典に対してストイックに、慎重に接してたんじゃないかな、最澄。
空海は、それを踏まえて行動しちゃおう、という、大胆な人だっただけで。
大胆だったから功績が具体的だが、僧、仏教の探求者としてどっちがいいとかではないよね。
もちろん作中でも最澄を十分にフォローしているのだが。

読んでいて、大日如来がアマテラスと同一視されるようになったのっていつだっけ、と思った。平安? もうちょい先?
密教が曼荼羅を持ち込んでから、だよな。それにしても、対応速いなぁ。


付録の人物カードは「道鏡」「吉備真備」「早良親王」「和気清麻呂」「阿弖流為」「桓武天皇」「藤原薬子」「坂上田村麻呂」「最澄」。
最澄の不細工ぶりがまた面白い。白豚じゃんか。って画像検索したらだいたい合ってた。
坂上田村麻呂と阿弖流為、道鏡と和気清麻呂のライバルペアを収録している。
カードで、という意味はわからないが、これが付いてることでテーマの人物以外の歴史も含めていけるのだな。

関連書籍は「空海と真言宗」(学習研究社)と「暮らしを守り工事を行ったお坊さんたち」(瑞雲舎)という、
空海の両面をフォローする2冊と、北大路欣也主演の「空海」(東映ビデオ)!
DVDにもなってるのか。ドラマチックな内容らしい。

次号は藤原道長。平安時代へ。
漫画として面白そうな人だ。

目からウロコの空海と真言宗 (わたしの家の宗教シリーズ)目からウロコの空海と真言宗 (わたしの家の宗教シリーズ)
(2006/01)
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暮らしをまもり工事を行ったお坊さんたち―道登・道昭・行基・良弁・重源・空海 空也・一遍・忍性・叡尊・禅海・鞭牛 (土木の歴史絵本 (第1巻))暮らしをまもり工事を行ったお坊さんたち―道登・道昭・行基・良弁・重源・空海 空也・一遍・忍性・叡尊・禅海・鞭牛 (土木の歴史絵本 (第1巻))
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空海 [DVD]空海 [DVD]
(2008/03/21)
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なかなかね……死ねないもんだよ「犬を飼う と12の短編」(谷口ジロー)
2009/11/15 [Sun]09:27
なんだか単行本発売ラッシュの谷口ジローを、この機会に少しずつ読んでいく。
自分の読みログからして、読んだのは「飢狼伝」と「孤独のグルメ」か。思い返してもこれら以外読んでない。
どっちも原作付きだから、個人作を読むのは初めてになる。

最初の「犬を飼う」からして、じんときた。これはすごい短編集だぞと、いきなり確信した。
老いた犬が弱り、死んでいく。犬の命は人間より軽いとされているが、それだけに「たかが犬」の感覚が描写に重たい抑制を働かせている。
というゴタクはおいといて、描写から逃げていない。
老いて、傷ついて、ボケて、汚れて、痙攣して死んでいく。現実でも目を背けたいし、漫画/フィクションでわざわざ見たくないものをそのまま出している。

絵がうまいだけじゃないんだよなぁ。生命感まで捉えているような表現だ。

それに続いて「そして…猫を飼う」の短編が続くのも、キレイゴトの漫画ならナシなんだけど、現実のペット愛玩としてはアリ。ありうる。
読んでる方も「ええ~っ」と思いながら、猫に「かーわい~~」となってしまう。
そのわがままというか、気ままな人間とも向き合ってる……のではないかと。

それでいて露悪的にならないのは、紳士的な登場人物たちのおかげだろうな。
なんというか、「シャツをイン」しているきっちり感。
暴言や激高とは無縁ではないかと思える、ジェントルな空気。
その落ち着きの上に、緻密な描写がのっかり、安心して自然の情緒を汲み取れる。

だって、松華樓に独り住まいしている貧乏青年が自室でごろっとしているときですら、シャツをインしているのだ。
なんというキッチリ感。


で、残念なのは、この単行本、初出が書いてない。
書いた時期は知りたいものだと思うんだけど、なんでだろう。

というわけで、小学館と双葉社の作品フェアに乗るようにして、谷口ジローを読んでいこうかなと。
犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)
(2009/09/30)
谷口 ジロー

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どうしたらいいか分かんないよ「新ブラックジャックによろしく」(佐藤秀峰)7
2009/11/14 [Sat]09:12
臓器移植は当事者の問題だが、当事者には家族もいる、という7巻。
手術の段取りも停滞しているので、事態と気分が一致している。

6巻は過去の事例とか、個人の欲望とかを突きつけて来て、事態が進まないなりにも読み応えがあったのだけど、7巻はちょっと停滞感が否めない。
また皆川さんとモメるとか、斉藤先生側とはいえ家族の問題がぶりかえすとか。

本気で臓器移植と向き合っている漫画なので、書き漏らしがないように、じっくりと筆が進められているのだけど、漫画としての盛り上がりは難しい。
練り込まれた長編として(まとめて)読むと、この感情のいったりきたりも味わいなんだろうな。

「正しいと信じています」は、確信であり信仰だ。
ヒロイックに、赤城さんは僕の大切な人なので、理屈じゃないんだよ!と大ゴマ使って主張してくれたら、なんぼ納得できることか。
この作品はすでに漫画、物語でなく、臓器移植を想定した問答/思考の疑似ドキュメンタリーになっている。
フィクションらしい力押しが一切通用しない。

漫画のようなシチュエーションに置かれた医者と女性2人。
女性2人がやたらに劇的な感情になってしまうのは、疑似ドキュメントの劇的な状況に酔ったのではないかという、一周半の感情ではないかと思った。
なんというか、カメラが回ってるから皆川さん、よくわかんないこと言い出したんじゃないかと。
漫画だけどドキュメントで、ドキュメントだから劇的な言動になる。それほど世界へ踏み込んだかと感じた。

新ブラックジャックによろしく 7 (ビッグコミックススペシャル)新ブラックジャックによろしく 7 (ビッグコミックススペシャル)
(2009/10/30)
佐藤 秀峰

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おまつりにいきたいな♫「電波の城」(細野不二彦)9
2009/11/13 [Fri]09:45
テレビ局を舞台にした女子アナ漫画かと思ったら、社会を揺るがした事件や企業の闇を背景にした一大ミステリーものだったのね。
良い方向に予想を裏切られて、これは面白いぞ!

もう新しいライバル女子とか、あまり意味がない。
テレビ局漫画として、格闘技興業の話題も興味深く読めるけど、もう本筋じゃない。
このまま順番で報道女王を目指すだけじゃあ、物足りないのだ。
そんなところで主人公の過去も背景もぐっと色濃くなる。
テレビ局より格闘技より女の執念より、雨宮本人がいちばん面白い。

でもそもそも謎だった「雨宮はなんで女王を目指すのか」が、これで見えて来た、とするのはおそらく早計。
トラウマから脱するなら、表舞台に立つのは危険だ。
おまつりに憧れて、スポットライトで快感を覚える変態に育っただけではないだろう。きっと。
日本全国を揺るがすような、でっかい仕掛けのために動いてるのではないか。

と、思わせてくれたところでもう、長編漫画を読み進める魅力は十二分なんだよな。

女子アナ漫画でしょ、と思ってる人、9巻まで一気読みしてみなさいって。

電波の城 9 (ビッグコミックス)電波の城 9 (ビッグコミックス)
(2009/10/30)
細野 不二彦

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これも修行のうちよ「週刊マンガ日本史 鑑真」
2009/11/12 [Thu]09:29
5号目にして仏教偉人の鑑真がようやく登場。
漫画は高遠るい。

なんで命を賭けて日本に来たのか、来ようとしたのか、いまひとつ理解できないのだが、
「これも修行」
の一言が奥深いということなんだろう。
唐の国内でも仏教は重要なポジションだったために、出国そのものを邪魔されたわけだが、本人の意思をおいといてってのはどうなんだ。

あげく海南島に漂流してそこで仏僧活動とか、鑑真の天然100%僧侶ぶりに感動を覚える。
無邪気に仏を信じていなければ、できないだろう。

段取りも下手なような気がするが、それはサポートも悪かったのではないかと思えてしまう。
大伴古麻呂の船に乗ったらちゃんと日本に着いたというのは、普照の立場がなさすぎる。ぜひ普照に「これも修行」のコメントを贈りたい。

唐でも日本でも、仏教勢力に利用された天然信仰の人(身体は丈夫)じゃないかなぁと思ったが、苦労を積むほど偉くなれる修行ヒエラルヒーにおいて鑑真が最強の座に座るのは間違いない。

付録の人物カードは
「藤原広嗣」「行基」「聖武天皇」「橘諸兄」「光明皇后」「鑑真」「藤原仲麻呂」「阿倍仲麻呂」「孝謙天皇」。
鑑真が苦労してわたってきたら、地元で頑張ってた行基の立場ないよね……。

関連書籍にはもちろん「天平の甍」が紹介されている。

次号は「空海」。寺を建てたり政治的な世界で仏教するだけじゃない僧侶がやってくるぜ。

天平の甍 (新潮文庫)天平の甍 (新潮文庫)
(1964/03)
井上 靖

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唐招提寺と鑑真和上物語唐招提寺と鑑真和上物語
(2001/02)
田中舘 哲彦安土 じょう

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もっと仏のお力が欲しい「週刊マンガ日本史 聖武天皇」
2009/11/11 [Wed]09:05
里中満智子が描く聖武天皇。
中大兄皇子から持統天皇、長屋王、孝謙/称徳天皇を描いているわけで、実に違和感がない起用。
関連で紹介されてる書籍にも「女帝の手記」がある。(これも読みたい)


天武天皇のひ孫にあたる天皇で、妻が藤原氏の聖武天皇。
壬申の乱以降、天武と持統の代で天皇中心の体制が作られて、天皇が弱くても国が揺れないようにした……というのは「天上の虹」の知識なんだけど、その後日譚としての短編として読んだ。
天武や持統は個人が強いけど、属人的に強くても長続きしないから、という。

で、聖武天皇はその想定に見事に応えたようなひ弱、気弱な天皇であり、見事に藤原氏に牛耳られている。
天変地異で「天がお怒りなのだ!」って、天武は現人神を演じてみせたってのにな。

皇族のカリスマは失われていくらしく、代わりに仏教が伸びてくる。
藤原氏から聖武天皇に嫁いで皇后になった光明子は
「仏に願うのは欲望だ。ただ祈りましょう」と諭すが、これは天皇に実行力を求めていないコメントだ。
聖武はそれにも気付かないうえに、「もっと仏のお力が欲しい」と祈る始末。
「欲しい」って、それは欲望だろう。
漫画では記されてないが、光明子も「まるでわかってねーな」と呆れてたんじゃないかと思うダメキャラだ。

そんなんで大丈夫かなー。それでも国が動いてるところで改革成功なんだよな。
次号は「鑑真」で、次次号は「空海」と、仏教の偉人が続くのもむべなるかなだよ。


付録のカードは
「大友皇子」「柿本人麻呂」「天武天皇」「稗田阿礼」「持統天皇」「藤原不比等」「太安万侶」「長屋王」「山上憶良」。
カードは藤原カムイが描くのだけど、こちらの天武天皇がすんげーブサイクに描いてある。
しゃくれアゴに口を尖らせて、禿頭で王冠をちょこんとしている間抜け面だ。
禿頭ってことは壬申の乱の前に出家したころの絵なのかと思ったが、それなら大海人皇子のカードになるよな。
里中満智子のファンだと「天上の虹」のイケメン大海人皇子を想像するから、この号だけ買った人はびっくりするだろう。
女帝の手記―孝謙・称徳天皇物語 (1) (中公文庫―コミック版)女帝の手記―孝謙・称徳天皇物語 (1) (中公文庫―コミック版)
(1998/01)
里中 満智子

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天上の虹―持統天皇物語(第一期) 全6巻セット  講談社漫画文庫天上の虹―持統天皇物語(第一期) 全6巻セット 講談社漫画文庫
(2002/02/08)
里中 満智子

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長屋王残照記 (1) (中公文庫―コミック版 (Cさ1-16))長屋王残照記 (1) (中公文庫―コミック版 (Cさ1-16))
(1998/03)
里中 満智子

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国の未来を作る手「週刊マンガ日本史 中大兄皇子」
2009/11/01 [Sun]09:21
3号目は中大兄皇子。大化の改新が主軸なので、天智天皇でなく中大兄皇子。

この漫画で「乙巳の変」という記述が一般的なのかと知った。
元号の大化が不確かだし、クーデター自体は改革を指さないから、ということだろうか。
歴史教科書も変わるんだなぁ。

人物カードは「蘇我入鹿」「蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだのいしかわまろ)」「旻(みん)」「孝徳天皇」「高向玄理(たかむこのくろまろ)」「皇極天皇」「中臣鎌足」「中大兄皇子」「額田大王」。

孝徳天皇の顔が悪役しぎて、黒幕っぽさがアリアリのカードであるな。


漫画はシュガー佐藤。石ノ森章太郎の弟子なので、「マンガ日本の歴史」からの起用と思われる。3号目にして実に歴史学習漫画らしいタッチ。
シナリオは氷川まりね、と記載がある。


乙巳の変でクーデターを起こし、ライバルを手にかけながら国造りを固めていく中大兄皇子の苦悩、という漫画部分は、重みを含んでいて短いながらなかなかのドラマになっている。
母の皇極天皇(熟女の色気あり)に「そなたが天皇になればいい(すぐにはなれないけど)」とか、「理想など信じられぬ(でもなぜか期待しちゃう…)」とか言われ、自らも己の手の汚れに病んでいる。

振り返りがあったところで、強引な粛正を「よかったね」と済ませられないけど、3号目でようやく人物伝と歴史描写が並走したようだ。
(資料がある時代だからだよね)

紹介されている関連書籍は、
NHK古代史ドラマスペシャル「大化の改新」(NHKエンタープライズ)、
「日本の歴史 パノラマ絵地図1 縄文~飛鳥」(学習研究社)、
「天の果て地の限り」(講談社)

「天の果て地の限り」は大和和紀の漫画で、額田大王と中大兄皇子、大海人皇子がメインらしい。
ここは「天上の虹」だろ!と思ったが、まだ完結してないし、大化の改新だけの漫画じゃないのよね。

で、4号目は聖武天皇を里中満智子が描く、と。
3号と4号の間こそ「天上の虹」で読んでね、ってことだなこれは。

天の果て地の限り (講談社漫画文庫 や 1-43)天の果て地の限り (講談社漫画文庫 や 1-43)
(2007/11)
大和 和紀

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