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それ、甲「へうげもの」(山田芳裕)10
2010/01/31 [Sun]09:54
筆頭茶頭となって、笑いのパワーを身につけた織部が行く。
屋敷をゆがませて朝鮮半島へ。
身体を張る数奇者ぶりは最初からだけど、決意と野望は明白だ。

朝鮮半島でバカにされてる井戸茶碗だろうと、お辞儀が武家の作法だろうと、
自分が「いい(甲)」と感じたらそれでいい。
それも直観じゃなくて、わかいときから利休に学び、呆れられ笑われ試行錯誤してきたうえで「甲」と判断する。
いろいろ吸収して自分の好みや数奇を見抜き、オリジナルの数奇を作る姿勢は柔軟で好感が持てる。

一方で伊達は茶室に収まらない動きで(読者の)笑いを取りつつ、身を以て型にはまらない人物の存在を誇示するしね。
型にはまらないという、大きな型もあるよう?

秀吉はといえば、我が子の血統にもこだわらない。
武家じゃないからな、と思うところでもあるが、織部の数奇に照らせば、伝統や正統性なんてことよりも、
そこにふさわしくあることの重要性が伝わってくる。
挑戦の井戸茶碗だって、日本に伝えて芸術にできる(かもしれない)。そのためには新人絵師でも外国人でも仲間にする。
それを可能にするのが権力であり、数奇の権威だってことかも。

柔軟に吸収するのは家康も同じ。
清きも汚きも存分に学び、戦のない世でも柳生新陰流と交わる。

面々が自信満々で数奇を広げる様は、ギャグとして面白いのだが。
スワッと繰り返し振り返るとか、「うぎゃあ」なんてのは最たるもので、例によって大金時さまも大興奮だ。
そこで大笑いしつつ、大きなうねりもしっかり描かれていて、面白い漫画だなぁ。

へうげもの 10服 (モーニングKC)へうげもの 10服 (モーニングKC)
(2010/01/22)
山田 芳裕

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あとはよきにはからえ「週刊マンガ日本史 足利義政」
2010/01/30 [Sat]09:01
尊氏、義満ときて義政。
マンガは眠民。

人物像が薄いからか、漫画もあっさりめ。
鬼妻のはずの日野富子との関係が、漫画らしく「私に任せて」のドラマになっている。
史実に内面描写を重ねるのがシリーズの常道だからして。
しかし、主要人物となる細川勝元とか山名持豊とかのキャラも薄いんだよなぁ。ここがコッテリしてたら、涼やかな義政と対照になったか。
または、応仁の乱の悲惨さをもっと派手に。

無力な風流将軍は困るんだけど、それでも機能するようになってない幕府の体制がもっとよろしくないな。
跡目や実権を争うのは周辺の政治家として当然の上昇志向なんだから、そこを抑えて使う……って、飛鳥時代からやってることのはずなんだが。
なんだかだケンカが異常に強いとか、呪術を使うとか、潤沢な資産があるとか、そういうのを統治機構に組み込んでおかないとな。

付録の人物カードは「夢窓疎石」「足利直義」「北畠親房」「足利尊氏」「観阿弥」「足利義満」「尚巴志」「足利義教」「赤松満祐」。


いつもの不細工になるパターンの逆で義満がイケメンだったら面白かったのだが、わりとそのまま。
しかし、自分の歴史知識がアレなのだが、知らない人が多いぞ室町時代。
尚巴志は琉球王国の初代国王か。そのまんまチャイナ風。
足利義教の性悪さの顔がたまらんな。説明を読むとやはり万人恐怖の世を招いたとか。どんなだ。

紹介されている関連書籍は金閣銀閣の本、鎌倉室町の本。
石ノ森章太郎の「マンガ日本の歴史」から応仁の乱。
義政単独での資料がないのか? あわれだな、風流将軍。

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一介の夏目金之助として「坊っちゃんの時代・不機嫌亭漱石」(谷口ジロー・関川夏央)5
2010/01/29 [Fri]09:19
最終の第5部は、再び漱石が中心人物。
不機嫌どころではない、危篤、半死半生、いや30分の完全死を中心に、明治人としてどうあるべきかが語られていく。

日本という木に西洋の竹を継いだ明治時代は、いろんな可能性を見出しながら潰していった。
第4部の大逆事件を引っ張る読みだと、愚かなる政府が道を誤っていく端緒がここにあるとも思えるのだが、
啄木のような個人ではなんともならない人を思えば、無政府であっていいともいえない。
多元宇宙に答えはない。

間引きをして、竹を継ぐうえで、誰かがワリを食う。
そこに個人として何を申すか。漱石だって、自身の帰国の際に意図せずしてハーンを追いやっている。
そのまま教員として呑気に暮らすこともできたし、それができたら胃も壊さないかもしれないが糖尿で死んでたかもしれない。
そんなことはわからない。
前後に広がる歴史の中で、個人はほんの数十年なんだから、もしもあの時とか今のうちにとか、考えてる場合ばかりでもない。

個人も国も時代も変わる。絵は変わらずに、言葉は変わるとも記されている。
この言葉の意図は読み切れない部分もあるが、漱石は言葉の人だから、変わっていける可能性を自覚できるわけか。
対して、変わらない絵というのは、故郷のことだろうか。
心に刻まれた、啄木が見上げた蒼空のような、絵。ビジョン。ああ、理想のことかな。

理想は実現されなくてもいいが、変わらずに手元に置いておけばいい。
そして、変われる可能性の力を込めた言葉で時代と向き合う。

それがわかれば、時代がどう動こうとも、個人としてやっていける。
暑苦しい偉人伝もいいけど、この作品ですごく励まされる。

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関川 夏央谷口 ジロー

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国家と個人が対決する「坊っちゃんの時代・明治流星雨」(谷口ジロー・関川夏央)4
2010/01/28 [Thu]09:06
第4部の中心人物は秋水幸徳伝次郎と、菅野須賀子ら。
主義者として、はっきりと反近代の精神を表現した人たち。

洋に学んだのは同じで、たまたまロシアだったということだ。
正しいとか間違ってるとか、善とか悪とか、たかだか100年とかのことだからなぁ。
という、評価でなく活写に徹しているところが、この作品のいいところ。
今こそ秋水に学べとか、言わない。言われても困るし。

政府にモノ申しても通じないので、無政府主義者になる。
秋水はわかりやすく、個人の力を信じている。
個人の力で生まれた政府はすでに老害になっているのなら正せばよい。不器用なほど正直だ。
確かに取り巻きの進言を理解できず、秋水逮捕を決めてしまった山縣有朋の老けっぷりはひどい。

横道だが、優れた個人も老いて害になるというのなら、どうしたらいいんだろう。
仮に秋水らが無政府主義革命を成し遂げて、だ。維持できるのか。維持しないのか。
個人の力ってどこまで信じていいのか。現代の交通や通信インフラでも、個人って結束しきれてないんだよ。
原点の理想や思い(須賀子にいたっては生い立ちに根ざしてる)は継承できない。

システムを作らなきゃいけないんだけど、それはただの新政府だよね。
だから、爆裂弾を投げていても、何も変わらない。


やはり歴史に正しいも間違いも善悪もなく、ただ、そうだった、そうあったと。
あとは受け取り手次第なんだ。
だから、歴史の流れに対しては、爆裂弾を投げこむんじゃなく、思いを言葉などで定着させておくほうがいい。
秋水はそれをわかっていたんだな。ちょっとだけ間に合わなかったのと、呑気だった。

個を貫いた漱石、国や家を受け入れた鴎外、個に逃げ込んだ啄木、国と向き合った秋水。
明治人もいろいろだが、自分を通じて、個人の力や価値を見つめるのが人生よな。

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貧乏はぼくの病気です「坊っちゃんの時代・かの蒼空に」(谷口ジロー・関川夏央)3
2010/01/27 [Wed]09:49
第3部の中心人物は啄木石川一。
じっと手を見る、なのだが、不幸な不遇というよりも、自堕落なダメ人間である、と読めてしまう。
欲に弱く、借金まみれで、文芸ワナビー。

ただの貧乏ならかわいいが、自分の才能を信じる人や、勤め先から金を借りては飲みに行き女を買うのでは同情できない。
金田一はなんで啄木に入れ込んだんだろう。そこは(この作品では)わからない。


啄木は無用の人になりたいけれど、有用の世間に対してコトを構えきれない。
短い詩をつぶやくだけでは届かないというか、出版物に定着させて評価されるステップを踏めない。
才能はあるはずなのに、という自我もあって、なんとも苦しい青春だ(ってもいい大人なんだが)。
病気で表現を彩ろうとするのでなく(関連で平塚女史もクサされているのだが)、
真摯に言葉と向き合って表現の定着に努めなくちゃいけなかったんだなぁ。

漱石がたどりえた、アザーパターンの人生なのかも。無用の人を選んでも困るかもよ、と啄木の人生は言う。
たいていの人間にとって、有用の社会で働く、己を位置づける方がナンボか楽だ。


第2部で長谷川辰之助(二葉亭四迷)絡みのシーンに登場しているが、中心を張る第3部になってなんとも幼い顔になってしまったのは、客観的には大人でも主観では永遠の青二才だったんだろう。


啄木があくまでも安全なところで崩れていく(いや、一生懸命なのもわかるけど)のに対し、
脇で描かれる幸徳秋水、菅野須賀子の必死さはきらめく。命がけで表現、主張している。無用のものという逃げもない。
続く第4部はその秋水幸徳伝次郎が中心人物か。

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関川 夏央谷口 ジロー

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東は東、西は西「坊っちゃんの時代・秋の舞姫」(谷口ジロー・関川夏央)2
2010/01/26 [Tue]09:46
第2部の中心人物は鴎外森林太郎。
石川啄木も少し出てくる。さらりと描かれているが、同じ朝日新聞社員でも漱石との賃金格差がでかい。
「無用の人」を選びつつも、高い賃金や安定した生活を築いてたんだなぁ。それも才能といえばそうなんだが。

留学先でドイツ婦人エリスと出会い恋に落ちる一青年の鴎外と、森家の跡継ぎであり、近代日本に関わる公人の森林太郎がせめぎあう話。
せめぎあうといっても、漱石のように胃を壊して苦しむこともなく、静かに悩んだ末にエリスとの別れを選ぶわけだが、そこで「鴎外ひでぇな」で済まさないように描写が積み重ねられている。

エリスは日本を理解し、柔道の理に感心する。
個人にとって国も東西もないというのを地でいく人物だ。
対して鴎外も同じかといえば、似ているようであくまで武士なんだよな。
ドイツで母国をバカにされたら「心を鍛えて来た数千年」を持ち出し、「たかが数百年の洋智」と言ってのける。
日本人や武士道好きが喝采したくなるシーンではあるが、これは相手の自国文化自慢に対して自国文化自慢を持ち出しただけで、レベルは一緒だ。

分けることで整理するのは国や組織の理論。
分けずに融合(まさに結婚)するのが個人の生き方だろう。

鴎外が微妙に苦悩しつつも、エリスでなく家や日本を選んだのも当然だよな。
読んでいても若気の至り以上には思えない。
でも、なんだかだ個人の才能を発揮できる環境や時間があったんだから、もう良いとこ取りすぎるぞ鴎外。


個人の作家、つまり社会からは「無用の人」として亡くなった長谷川辰之助(二葉亭四迷)が、妙に幸せに見える。

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無用の道をつらぬくべし「坊っちゃんの時代」(谷口ジロー・関川夏央)1
2010/01/25 [Mon]09:52
谷口ジローにハマる流れで、新刊(復刻)ではなく歴史漫画を読んでみようと、明治時代の群像劇に手を出す。
子どものころに読んだ記憶だけあるのだが、もちろん楽しめていない。

紙幣のスマートな顔つきでおなじみの夏目漱石は神経症で胃弱。
留学から帰ってきたところに時代に浮かぶ青年たちが集まって、という、雰囲気ある出だしがいい。
漱石の伝記とか、「坊ちゃん」のメイキングとか、学習漫画ではなくて、
漱石を中心にぶわっと風呂敷を広げて、いろんな人を包む。

なので、思い返して「ストーリーの盛り上がりが!」「展開にハラハラ」みたいな感触はないのだよな。
包んであった「明治時代の一風景」の風呂敷を広げてもらった内容だから。
物語の盛り上がりとして、胃の痛みや葛藤が伏線や展開でねじ込まれて来ない。でも漱石の胃の痛みは鈍く伝わってくる。


風呂敷の中身は「新しい」「古い」に分けられていて、漱石は「新しい」側の知性として帰ってくる。
新しさに足場を置く余裕も金もある。

青年のひとりをモデルに「坊っちゃん」を書きつつ、時代と自分と作品を見つめては見つめ直す。
生来は呑気で、変化や上昇志向や対決を好まない人なのに、新しい側として煽るポジションに着いたんだから、そりゃ胃も痛くなろうというもの。

でも結局は自らが追いやった「古い」ハーンと同じ、無用の人として小説家を選ぶ。
胃の痛みを思えば、新しい側に徹して、教鞭を取り続ければ良かった。伊集院のように。
「坊っちゃん」が破れた柔道の試合を見ながら、小説家を決意するのだから、新しさを進める力に降参して、見限っているわけだ。

そんな漱石の「反時代の精神のありか」が主人公であり、結論も主張もない。
歴史はそうあった。漱石や「坊っちゃん」はそこにいた。
そういう面白さの漫画だな。空気、風景を読むもの。もちろん人物も面白いけど、読みどころは、その間だ。
だからかっこいいんだな。


第2部は鴎外森林太郎のお話。「舞姫」、高校生の現代国語で読んだっけ。

『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)
(2002/11)
関川 夏央谷口 ジロー

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坊ちゃんの時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (アクションコミックス)坊ちゃんの時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (アクションコミックス)
(1987/06)
関川 夏央

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秘すればこその花「週刊マンガ日本史 足利義満」
2010/01/21 [Thu]09:47
ログが「週刊マンガ日本史」続きだ。読んでる漫画はあれども、後回し。
「週刊マンガ日本史」については週一のペースを乱したくないという、誰に頼まれたんだソレって義務感だな。

漫画は、ふくやまけいこ。
尊氏に続いての義満なんだが、表紙のあどけない幼子と黄金色の怪僧のどっちも義満。
時の流れ(成長)の残酷さを思わせる構成だぞ。
愛犬の「黄金丸」は、マンガオリジナルの存在らしいので歴史を真面目に勉強する人は柱の注釈もちゃんと読もうぜ!

恵まれた生まれで、若くして権力を握って、金閣寺を始めとする贅沢もして、というイメージの義満だけど、
世阿弥の舞台にかかって、その内面が語られる。
目に見える権勢と、目に見えない悩み。
実際に金閣寺は文化融合した建物なんだから、意図は目に見えている部分もある。

南北朝の統一、公家と武家の文化融合。
それらを剛腕でまとめた「日本国王」義満は、ただ贅沢、オイシイ人物ってだけではなかったと。
漫画でも「身内で殺しあう源氏武者の血」への恐れを口にしていて、そりゃそうだよなと思う。
自分の代でいろいろ終わらせてまとめようという(少なくとも漫画ではそう読める)意識は素晴らしい。

ただ、自分の代でまとめようってのも権力者のセオリーで、仮にまとめられたとしても次の次くらいの世代で崩れていくんだよな。
統治の才能は継承できないし、時代が変われば違う才能が必要になるし、システムで固めればトップよりも周辺が強くなる。

次号予告を見れば、足利義政。やっぱり跡目争いだよ。はっはは。

付録の人物カードは鎌倉時代の人物ばかり。
強面の「日蓮」、胃が痛そうな「北条時宗」、踊れなさそうな「一遍」、
真面目そうな「竹崎季長」、アホ面の「北条高時」、暴れてそうな「楠木正成」、
ビジネスマンのような「新田義貞」、中華な「後醍醐天皇」、やっぱり筆を執っている「吉田兼好」。

時宗が胃弱そうな顔してるのはヒットだな。なるほど。
しかしこの時代の僧侶は新規開拓にいそしんでたんだな。
実際、仏教が伝来してから何度も困ったことが起きてるわけで、目先を変えていかないと人はついてこないのかも。
(って、過去の情報がどれだけ蓄積、参照されてた時代なんだか)

関連で紹介されている書籍は以下の3冊。
日本国王の記述については確かに気になる。

足利義満―金閣にこめた願い (NHKにんげん日本史)足利義満―金閣にこめた願い (NHKにんげん日本史)
(2005/01)
小西 聖一酒寄 雅志

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能楽入門〈1〉初めての能・狂言 (Shotor Library)能楽入門〈1〉初めての能・狂言 (Shotor Library)
(1998/12)
三浦 裕子山崎 有一郎

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足利義満 消された日本国王 (光文社新書)足利義満 消された日本国王 (光文社新書)
(2008/02/15)
小島 毅

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みな己の目的のために狂っている「週刊マンガ日本史 足利尊氏」
2010/01/18 [Mon]09:54
建武の新政から南北朝時代へ。主人公は源氏の棟梁だけど優しくて気配りがあったらしい足利尊氏。

漫画は森ゆきなつ。
武士は鬼だから、幕府を倒したら鬼が暴れだすぞーという前振りとシメが一致して、読みやすい。
だんだん漫画の語り方のクオリティが上がっている……ような。
テーマと史実と、人物像を漫画一遍として織り込むのが巧みというか、編んである感じが。

尊氏は「誰が天下人になったところで不平不満はなくなりはせぬ」という、至言を発する。
すごいな。よく見通している。
そのうえで、鬼の棟梁である自分の立場を見直してやってやろうじゃんということだ。

この時期の天皇がどんなポジションだったかはすごく気になる。
ライバル的なところ、対立するボスに後醍醐天皇がいて、呪術的な力や「竜」の幻想で尊氏を締め上げるけど、雰囲気がまるで中華なんだよな。
天下を取ったところで、取り巻きばかり優遇して批判されて新政失敗とか、どんな理想を掲げて立ったんだろうか。
とりあえず武家政権はおかしいだろ、ってことかなぁ。
正統性だけで支配は続けられなかったと見えるが、呪術的なパワーが語り継がれてきたっぽいから、皇族は何か違うと思われつつも支配者としては不適当だった…の?
正統性や権威は皇族、実権は幕府、生活圏は自治できてるってのが現実的なとこなのかもね、やはりね。


人物カードは「運慶」「北条義時」「北条政子」「慈円」「後鳥羽上皇」「藤原定家」「北条泰時」「道元」「親鸞」。
後鳥羽上皇を島流しにするとか、鎌倉幕府は半端ないな。そりゃ祟られるわ。
野蛮な(勝手にそういうイメージ)源氏の系譜で、冷静な気持ちで使命感を持って立った尊氏は確かに次世代リーダーに思えるなぁ。
(週刊マンガ日本史での歴史感覚)


掲載の関連資料は尊氏の人物伝、さいとうたかを「太平記」と、弥生時代から室町までの武具を収録した資料本。
最後のは絵を描く人に役立ちそうだなぁ。

徹底大研究 日本の歴史人物シリーズ〈4〉足利尊氏 (徹底大研究日本の歴史人物シリーズ (4))
太平記〈上〉―マンガ日本の古典〈18〉 (中公文庫)太平記〈上〉―マンガ日本の古典〈18〉 (中公文庫)
(2000/09)
さいとう たかを

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日本甲胄史〈上巻〉弥生時代から室町時代


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余はカエサルだぞ!「我が名はネロ」(安彦良和)1-2
2010/01/12 [Tue]09:08
遅ればせながら文庫で読む。

キリスト教の弾圧や、ローマを焼いた皇帝ネロの話。
1巻は母を乗り越えて、皇帝として自立していくのだが、精神的な歪みはともかくとして皇帝の業務をそこそこにこなしている。
政情が安定しているし、市民や元老院が不満を持っていないうちは皇帝は遊んでいられる。
ネロが「求めずして国から贈りゆだねられた王位」は安定と栄華に根ざしているのだが、
少年ネロはそれを窮屈に思い、贈り主の象徴たる母から離れていく。

ネロ個人の黄金時代はそこから始まるのだけど、皇帝は個人ではありえないし、変態母性がウザいからって親子関係すら拒絶したら孤独になるだろう。

孤独を埋めるように、脂肪をたくわえ、肉欲とギリシャから借りた芸術に興じる2巻の「ふっくら顔」が哀れなこと。
その対比に出てくるのは、節制や愛を訴えるキリスト教だ。
ペテロやパウロが、イエス不在の時代に復活や神の存在を説くのだから、ネロでなくとも怪しむのが当然なのだけど、不安な時代には人智を超えた柱が求められるわな。
(「イエス」の後日譚でもあるよね、この辺は。うさんくさいのも納得)

人間、理屈や実体験で理解できる範囲では、限界があるんだよな。
安定した時代ならそれでいい。しかし、不安定、不満足な状況では、人智を超えた方向性や理屈ではない存在にすがる。
計算にだって、ゼロや虚数を使うのだ。

社会性を切り離した俗物皇帝には、それがわからない。
皇帝はシステムのてっぺんでしかないのに、独り立ちできると思ってしまった。
哀れな少年の屈折と暴走と挫折だけど、個人と社会と人智を超えたものとの関係性は、重たく読める。

ただの大馬鹿野郎、ではない。
自律と孤独、欲望と指導力、演説と権威、権力と統治装置の、バランスと余裕。
ネロは必然的に歪んでいくんだよな。


我が名はネロ (1) (中公文庫―コミック版)我が名はネロ (1) (中公文庫―コミック版)
(2003/07)
安彦 良和

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我が名はネロ (2) (中公文庫―コミック版)我が名はネロ (2) (中公文庫―コミック版)
(2003/08)
安彦 良和

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「イエス」(安彦良和)の読みログ

イエスイエス
(2003/03)
安彦 良和

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死なれては困る「バクマン。」(小畑健・大場つぐみ)6
2010/01/11 [Mon]09:53
もう6巻か。さすが週刊連載。
作中でも単行本が出ているし、新妻エイジは大金を手にしている。
もちろん到達点は金銭的なところに設定されてないんだけど、思えばそんな人がいないのも不思議かな。

この巻では過労を気合いでねじ伏せるかどうか、というせめぎ合いで、
十分にワーカホリックであろう編集部の面々も説明役や狂言回しだけでない立ち位置で動いている。

過労常套! 仕事大事! って風にも読めて、労働、医療の両面から模範的ではない部分があるのだが、
題材がスポーツだったら根性で克服するのは当然だし、問題ない。
漫画を野球に置き換えて、2人を天才少年バッテリーにして、
「ここでローテーションに穴を開けたら、新人賞や沢村賞から遠ざかる!」
ってやってると思えば、ごく普通の少年漫画だ。

作中の価値観はわかりやすい一方で、一生地道に漫画を描く(仕事として)立場もアシさんに託している。
その辺も忘れてないね。

しかし、描く技術、人気を取るコツをつかんだ主人公チームの課題は健康だけか、と思ってたら、
本格推理モノで「レベル高い」競合作品があっさり出てくるところもシビアだなぁ。
天才少年コンビじゃなくて、目的を見つけて戦略的に頑張った努力と根性の主人公。

才能の壁がまたここにも現れた。
「バクマン。」全体の長さをどう想定しているか、だけど、ここで打ち切りでもいいのではないか。
新しい作品を作り直す過程の方が、読者にもウケそうな気がする。


しっかし、セリフ多いし、長いなぁ!
正直、読みにくい部分がある。絵が上手い作者のはずなのに、絵がすっと入って来ない。
もっと表情や状況で伝えられると思うが、ここまで書いてあげるのがジャンプなのかしら。
ジャンプ本誌を読まないからわからないところだが。

バクマン。 6 (ジャンプコミックス)バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
(2010/01/04)
大場 つぐみ

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これは解放だって「MOON LIGHT MILE」(太田垣康男)19
2010/01/10 [Sun]09:03
もはや近未来の宇宙開発漫画ではなく、月世界を舞台にした社会派漫画だ。

現代の地球を濃縮したような階層社会で読者をえぐる展開に。

テロリストはあっけなく排除され、アユムは父のゴローと対立する。
「父さんがこんなことをしてたなんて」とは。
ゴローにしても、アユムの安全のために看板役に甘んじている。人質を取られているようなもの。
理想と現実というか、しがらみの有無で語りの立場が変わる。
それは大人として当然だが、自分が享受している甘味への自覚は必要だ。

アユムはファベーラや里山で行きていけるのか。
行きていけることを己の身体で示せば、人類は身体的、精神的に宇宙にもう一歩、宇宙進出できたことになる。
身体を適応させられない前世代の大人たちは、バーチャルリアリティの中で過ごせばいいってことになるだろう。

極地を求めて宇宙に出たゴローも、安全な都市部の管理職に甘んじるのか?
主人公の座を降りたままなのかな。降り切ってしまっても、問題ない。アユムが歩き出したから。


ルナネクサス(アメリカ側)には、月社会としてこの先どうしようって視野はない。
過去の巻でも、地球に資源を送るためとして位置づけが学習されている。
この問題をヒューマニズムに掘り下げていくと、植民先の独立運動になるんだよな。宇宙世紀か。

すごいところを走ってる漫画だな。
最初は宇宙ステーションを見上げてるだけだったのに。

MOON LIGHT MILE 19 (ビッグコミックス)MOON LIGHT MILE 19 (ビッグコミックス)
(2009/12/26)
太田垣 康男

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ずいぶん手のひらを返してくれた「シマシマ」(山崎紗也夏)7
2010/01/09 [Sat]09:50
爽やかな草食系男子とバツイチの割り切りいい女性の漫画のはずが、みんなすっかり肉食になってしまった。

シオとガイとランの三角関係は、追いかけるベクトルが逆流して、でもまとまらない。
シオがガイの方を向いたときにはガイの心はなく、
ランは諦めてユミの方を向く。

もともとは、気をつかわないでいい仕事の仲間。
気をつかわなくていい心地よさを親近感や恋愛感覚に思ってしまって、近づきすぎたら調子が狂う。
だって、恋愛相手のことは考えて接しなきゃいけないんだもの。

ガイが実家の仕事でストレス解消できてるのは当然だ。
仕事のストレスなんてのは恋愛の負担に比べれば軽い。
(生活、生存に直結するストレスなので質は違うけど)

添い寝の仕事でつながってるのがベストな距離だったんだけど、その状況が自己コントロールの賜物だと思っちゃったんだなぁ。
仕事バリヤーのおかげでしかないのに。
そして恋愛感情についても、自己制御の自負があるもんだから相手にぶつけずに無理矢理解消させてこじらせる。
王道のランがむくれるはずだよ。蚊帳の外で解決されちゃってるんだから。

しかし、恋愛当事者はそこがわからないところも含めて、生々しい状態だと思う。ドロドロだね。
まるきり女性誌のような世界なのだけど、モーニングの幅の広さが伺える作品なのかも。

マシュやリンダの方面は落ち着いているようだが、根本の割れ鍋は修繕されることはないだろう。
学生は卒業するものだし。
どんな崩壊を見せるのか、楽しみだ。少女漫画を読むドキドキ。
シマシマ 7 (モーニングKC)シマシマ 7 (モーニングKC)
(2009/12/22)
山崎 紗也夏

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この曖昧な世界のどこかに「東京怪童」(望月ミネタロウ)2
2010/01/08 [Fri]09:48
心(?)に病を抱えた少年少女が暮らす、隔離環境の漫画。

「ホムンクルス」にも通じるような(単に連続で読んだからだが)、世界と自分との不一致に悩んでいる人たちが出てくる。
「東京怪童」の場合は子どもたちだから、悩みにノイズがない。剥き身の感情が出てしまう。
でも周りが悩んでいる人だらけだし、舞台は病院なので、悩みは受け止められているようであしらわれている感じだよな。

この手応えのなさは救いでもあって、悩みや世間と違う部分があってもいいんだ。世界は曖昧でよくわからないものなんだ、とも訴えている(んじゃないか)。
玉木先生にしても世間に照らせば異常に属する嗜好を持っているし、二本木にしてもやはりおかしい。

しかし「結局みんなおかしい」というぼやっとした包容では、解決しない漫画だろうなぁ。

孤独に耐え、悩んでいる者同士でいかにコミュニケーションするか。
母親やテレビといった「世間」の攻撃(普通で安心)をどうかわすか。
(かわさなくたっていいと自己解決しても、世間が許さないためストレスは募るだろう)

まだ何がなんだかわからない部分はあるが、絵も話も見せ方も、面白く読めている。
ハシの漫画も、とても魅力的なのだ。

どこに着地するのかなー。
東京怪童 2 (モーニングKC)東京怪童 2 (モーニングKC)
(2009/12/22)
望月 ミネタロウ

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一人いたじゃん「ホムンクルス」(山本英夫)11
2010/01/07 [Thu]09:25
トレパネーションをして、他人に自分を投影して見ることができるようになったカーホームレスの話。
最初は超能力漫画のような風味もあったけど、遠くへ来たもんだ。

本当の自分や過去のトラウマなんてものと向き合って、心が洗われるような簡単な漫画ではなく、いろいろ見た(見えた気になった)ところで、失った自分は返って来ない。
その辺はシビアで、簡単に「よし、やり直すぞ!」なんて大団円ではないのだよな。

人間の本質は内面でなく外見にあり、目線を送り、送られてこそ人間。
ホムンクルスが見えるという、物語の仕掛けはテーマの「見る/見られる」をいじくる可視ツールだ。

トレパネーションして、左目だけで他人(自分)を見るというのは、下を向いているのと同じで、見ていないのに見た気になっているってことだろう。
ホムンクルスなんて強烈なビジュアルを目にして、踏み込んだ対話してるけど、実は何も見えてない。
他者も自分も。

名越はそこに気付いていないし、目をそらしている。
左目に頼ってしまっているんだよな。見ていないのに他者と向き合っている感触に慣れたんだ。

2人語りで深みにハマっていた漫画内は、久しぶりに外の世界の空気が流れているのだけど、名越はじっと閉じたままだ。
11巻かけて、名越はどこにも進めていなかった。絶望的な面白さだ。

ホムンクルス 11 (ビッグコミックス)ホムンクルス 11 (ビッグコミックス)
(2009/12/26)
山本 英夫

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完全な存在になりたい「鋼の錬金術師」(荒川弘)24
2010/01/06 [Wed]09:51
前の巻のクライマックス感を引き継いだまま疾走。
ブラッドレイ大総統もむき出しに敵役で、本拠地を舞台に暴れる暴れる。

RPGでいうとラストダンジョンで乱戦をしている状態か。
ラスボスの姿は完全には見えず、目的や意思についてはいまいちつかめない。
RPGでいくと、ラスボスは変身を残しているのだよな。

キーワードは「完全な存在」。
いかにも人工的な言葉だ。対して、エルリック兄弟はとことん欠けている。身体的にも、心理的にも、家族のことでも。
欠けた肉体や家族を取り戻そう、完全なものに戻そうというのは過ちの発端なんだから、敵側の「完全な」なんてのはもう打破されるべき象徴みたいなものだよね。

父親は敵が抱えた過ちを克服している。
となると、ラスボスは過ちを克服するか無視できる力を持っていて、かつアクション漫画のボスらしい、具体的な力を伴って出現するのだろうなぁ。

まだまだクライマックスは続く。ちょっとしんどくなってきたが(緊張感に)、想像もつかない大団円になるのだろうなぁ。
(こんだけ想像しておいてなんだが)

鋼の錬金術師 24 (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師 24 (ガンガンコミックス)
(2009/12/22)
荒川 弘

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何にせよ国は守られた「週刊マンガ日本史 北条時宗」
2010/01/05 [Tue]09:08
新年一発目の人物は北条時宗。テーマは文永の役、公安の役。元寇だ。

漫画は桂遊生丸。
「この国を守れ」あたりの描き方が雰囲気あっていいなぁ。
準備すべきことはして、考え抜いた末に祈ったであろう時宗の思いが伝わる。
運が良かっただけってツッコミもできそうだけど、リーダーに必要なスペックの筆頭は幸運だよ。

元に攻め込まれたけど、台風のおかげでなんとか撃退できました、というのは有名だしわかりやすいことなので、
語りの軸に、戦うための大義と私欲を据えている。

この国を守るために戦う、という大義を掲げているようでいて、
実際は勝てば褒美がもらえるから、負ければ自分の領地や財産も失うから戦う。
実際、戦後は「御恩と奉公」に自縄自縛されてしまうのだし。
武士とはそういうものだと、かゆいところを猿楽師が突いてくる。

この猿楽師は本当に意味がわからないけど、登場人物紹介のところで「時宗に似ているような…」という無茶な説明があるので、自問自答だったと読むべきなんだろう。
(なにしろ顔が似てない。「似ているような」解説は編集部側の配慮なんではないか)
すべてわかっていて、人を動かし、祈った時宗は漫画の主人公らしいカッコよさだ。

確かにごく一部の貴族、武士以外にとって、政治の支配者が誰でも同じだったかも。
新しい「お上」の支配のもと、従来の生活習慣と新しい政治関係をうまいことすりあわせていったかもしれない。
でも民族的、文化的に絶滅させられてた可能性もあるわけで、現代に生きる者として「そっちでもよかったんじゃないの」とは軽々しく言えないよね。


付録の人物カードは
「源頼家」「重源」「法然」「平徳子」「栄西」「北条時政」「鴨長明」「源実朝」「公暁」
頼家、公暁のカードを読んでいると、やはりヤバいよ源氏の血。どうなってんだ。

カードにはないけど、裏の人物では日蓮も面白い。法然、栄西もいるし、仏教も原典から分かれて、ある意味で発展していた時代だったのだな。
不安の多い時代に、仏教を統治に利用できなあったのが鎌倉幕府の弱点だね。

関連書籍には、おなじみの学習まんがや子ども向けの解説本。
元の側の資料が少ないからか、諸説あって解説部分も楽しいテーマなのだな。
北条時宗―元寇のあらし (学研まんが人物日本史 鎌倉時代後期)
モンゴルが攻めてきた (ものがたり日本 歴史の事件簿)モンゴルが攻めてきた (ものがたり日本 歴史の事件簿)
(2006/09)
小西 聖一

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北条時宗と蒙古襲来がわかるQ&A100

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君には運がある!「宇宙兄弟」(小山宙哉)8
2010/01/04 [Mon]09:38
2010年一発目は(って予約投稿だけどさ)、景気よく宇宙飛行士漫画。

ムッタの宇宙飛行士採用試験の結果待ちの巻なのだが、表紙の顔を自信満々と取るか、ふっきれた笑みと取るか。
読む前に考えてしまう。どっちでもありうるよな。
主人公だから受かるんだけど、一回落ちて、でも誰かが事故なり辞退なりでムッタってのもありうる。
そう思って、じっくりと結果を待った。
(落選した人の周辺はもっと知りたかったけどさ)

兄弟で運の総量は決まっているのか、片方にいいことがあるともう片方に不運が舞い込む。
そういうバランスはここでも発揮されてしまう。

宇宙飛行士は支えられて飛び出す側だが、月面では支える人は遠く地球に待機している。
「仲間に頼る」スキルの重要性を提示したあとで、自信家のヒビトは支える側に回ろうとしてしまう。

あの局面で一度生き残った運、冷静な判断力を見せたヒビトはすごい。
でも他人の不幸までは背負えなかった。
ヒビトは支える側のスキルが足りなかったのかもしれない。

ムッタは支える側、支えられる側のどっちだろうか。後者っぽいんだよな。
そんなシンプルな対比で読んでしまった。

うー、しかし、新年一発目の景気のいい漫画のはずが、なんという重たいヒキだよ。
月は遠すぎる。新刊を早く!

宇宙兄弟 8 (モーニングKC)宇宙兄弟 8 (モーニングKC)
(2009/12/22)
小山 宙哉

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