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長いようで短い「エマ」はまだ続く
2006/06/12 [Mon]02:06
週末に読んだ漫画「エマ」のメモ。一気読みしたかいのある、ゆったりとしてそうで実はスピーディな展開。

なぜだろうって、ヴィクトリアンな生活に描写が割かれているが、スジとしてはわりとストレート。1巻に結末が書いてあるようなものではないか。
でも読むのに時間をかけられる情報量が詰まっている。旅行したみたいな読後感。
服装、調度品、仕草、言葉遣い(これは雰囲気)。どれも、さらっと書いてあるようで全部意味があるんだろう。副読本も持ってるが、本編ではそこを過度に強調しないところが華麗だ。

この、自然に描き込んじゃうんです、そこが大事なんですって情熱を(欄外を読みながら強制的にではなく)自然に受け止めて読めるのが、作品全体の好感度を上げている。物語るトーンがエマのように知的で落ち着いていて、密かに情熱的だ。

あとがきで男か女かわからんと言われるようなことも書いてあったけど、すんごく女性的だと思う。漫画はね。


しかし読み手の自分が男の子だからか、もっと歴史・社会・経済に燃えたい気もした。
せっかくの産業革命。ジョーンズ家の生業はなにか、どうのしあがったのか、ハキムとの出会いにもなるインド時代の仕事は? その辺の社会ディテールが生活描写に比べて薄い。個人の周辺にカメラがとどまっている。それは最大の魅力なんだけど、スケールを小さくしてるような。恋愛モノだからいいのかな。池田理代子じゃないし。

エマがアメリカに渡って、ジョーンズが子爵にケンカを売ったあたりと、時代が貴族から産業へ移りつつある機運はシナリオ的にリンクできるような気もする。
それだけにラストはやや拍子抜け。もっと突き抜けるかと思った。そうじゃなくてあくまでも社交界ありき、か。
(英国社交界を追い出され気味になってアメリカで一旗あげるという、展開もありそうだった・・・って、知識がないから簡単に言えるってのはある)

ともあれ外伝で事実上、続いているようで、まだまだ上品なウンチクを楽しめそうでなにより。

エマ (7) エマ (7)
森 薫 (2006/05/25)
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