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どんなにみじめな生命であっても「風の谷のナウシカ」1-7
2008/10/08 [Wed]23:33
古書店で1995円だったので、まとめ買い。このくらいの巻数、金額がまとめ買いしちゃいやすい。

映画はリアルタイムに劇場では見ていない。テレビやビデオで見た。DVD時代になってからは見てない。
記憶の中のナウシカは強く美しく、大地讃頌で自己犠牲の人だった。いかにも主人公らしい、賢くて良いモン側というか。
周りを固める人たちも王族だったり超能力者だったり、なんだかトクベツな人だらけだし。

漫画も最後の最後までその印象だったのだけど、6-7巻の突き詰めと大逆転、大決心にしびれた。二週も三週もした末の思い切りの良さは、カッコいい。正しいかどうかじゃない。決断するのが人間なんだよな。いやさ生命は常に決断を迫られているのであって、そこを放棄したらそれこそ「みじめ」なんじゃなかろうか。

1-2巻のころはコマがちょい窮屈だったけどだんだん大きく使われたりとか、そういうのは時の流れかもしれないけど、テーマや視座については、描いてるうちに時代が90年代に入ったとはいえ、そういう変化ではなかろうよ。


最初はナウシカが王蟲や大自然を勝手に代弁しているようで、うさんくさかった。
浄化される世界なんてのも幻想じゃないかと。人間だけ愚か者扱いで世界から排除してまーるく収まるのは都合が良すぎる。それは自己犠牲で自己満足してるだけだ。人間も動物だぜ。食いつくして自滅するバカは動物にもいるし。
世界は人間でも誰かの意志でもなく、愚かさ込みの自然な成り行きでソコにたどりついたはず。
そこを人間だけのせいにしちゃーいけないよ。

……なんて思ってたら、ちゃんとその違和感も回収してナウシカが強く立ち上がってびっくりした。
間違ってても、長い目で、すごく上からの目線で効率が悪くても。「今を生きる」者として進みだす。
それが自然だ。
(時代も関連もズレるけど「マップス」でブゥアーを否定したゲンを思い出した)

物語としては大きくおさまるが、思えば人類のたそがれが明るい方向にむけられたわけではないのだよな。
ナウシカは娘として現れて母になるが、子どもは残さなかった。
問題はあるけど、終末は見えてるけどしょうがないのでこのまま生きましょう、か。よく考えたら、フィクションにしてはなんも前向きじゃないな。
大見得切って、自信満々であきらめて先送りしただけ。
相手が千年単位の大変動なんだからしょうがないが、2008年で30代の自分としては、どうにも困ったメッセージを託されたなとも思った。

このバトン、どうしろって?
どうもしませんよ。もちろんね。
で、いいのだ。いいんだよ。人間単位では、それでいい。それでつないでいけばいい。
それ以上に長くがんばろうとすると、不自然になるのだ。

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