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何かを待ち続けていたの心だった「夏の雲」(菅野修)
2009/08/23 [Sun]09:40
借りて読む。
奥付によれば480部限定。4800部じゃなくて480部だ。500部刷って20部は自分用、なんだろうか。
とにかくすごい小部数だが、バーコードが付いていてAmazonにも並んでいる。

なんの予備知識もなしに読んでみたので、表紙からしてヘタウマ鬼才を予想はしてたものの、そんな枠組みが通用しなかった。

短編集で、冒頭の数編こそトンデモない絵柄でマッタリした逸脱と妄想が絵柄れている。
場面展開もあるし、フリとオチってほどでもないけど、出かけてたどりつくとか、区切りがあってわかりやすい。

ところが「キスの味」になると、妻(?)の死体からカツラ(アデランズ)を作って女装し、被レイプ願望に耽るという語りに翻弄されるのみ。
このように後半はモノローグの作品が多く、詩的で幻想的で、良くも悪くもついていけない。
前半のヘタウマギャグみたいなのも、後半の詩的モノローグも、確信を持って描いてるのだな。振り返れば。
ヘタウマとかナンセンスとかシュールというのは普通があるからのモノサシで、作者と作品を取り出せば関係ない。作品だから当然、なんらかの確信を込めて生み出されている。

・・・・ん、だよな。と、とにかく圧倒されてしまった。なにこの説得力。居直り強盗に説教された気分。
面白いとか、買い集めちゃうとか、生きざまに憧れるとかじゃないけどさ。


表題作の「夏の雲」は、天然ヘタウマの作品としても面白く(だって勝手NPOですよ)、暑気にアテられた妄想の味つけもあり、かつ、展開があって、爽快な作品。

もっとも読みやすい。
きっと、脳内の編集者がうまいこと仕事したんだな。

忘れられない作品にはなった。

夏の雲 菅野修作品集夏の雲 菅野修作品集
(2009/06)
不明

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