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みんな妖怪ですよッ!!「水木しげるの遠野物語」(水木しげる)
2010/02/11 [Thu]09:19
御大、米寿にして新作を描く。原作は柳田國男の遠野物語。
いつでも描けたような気もするし、作者を不老不死と仮定するとこの先でもいいのだが、2010年は遠野物語100周年なんだそうな。

原作は読んだことないのだけど、聞いたままの説話集というのは知ってる。
ザシキワラシ、山神、ヤマハハ、河童、雪女、オシラサマら、遠野の神々や霊的な事象、人ではないものとの付き合いが描いてある。

説話らしく「こういうことがありました」でさくっと終わったところに、時折(わりと頻繁に)水木しげる自身が作中に登場して感想を添えるだけ。
短いものは短いまま。一コマで解説されていたりもする。
外国人だったんじゃないかとか、自然現象に名前をつけたのでは、教訓のためだとか、無理に解明しない。
神々、妖怪の仕業であると受け入れる。
御犬や山神はもう、どうしようもない。逆にまったくの幸運もある。
幸不幸について、行いがいいとか、無垢であるとか、その辺が関係ないのも面白い。

このあっけなく、無力感すらある世界は「考え込んでもなぁ…」という自然への畏敬となっているし、実に水木しげる作品らしい。
作中で遠野物語が作家活動の参考になったことも言っているけれど、神々や妖怪の事象から、接し方も影響受けてるのではないかと。
この調子でぜひ「遠野物語拾遺集」も描いていただきたい。
なにしろ前世を想起してしまうほどお気に入りなんだから。


しかし、柳田國男邸を移築した喜談書屋(緑蔭小舎遠野)の豪華さに、我に返るもであった。
充実した設備で、ぜひ妖怪会議を! って実際に民俗学の社交場になってるんだろうな、きっと。

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