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その行く先を知るは降りしきる雪「紅い部屋」(上村一夫)
2010/03/13 [Sat]09:05
「上村一夫 晩年傑作短編集 1980-1985」という冠のついた短編集。
表題作の「紅い部屋」と「一葉裏日誌」はまさに最晩年の作品。

「一葉裏日誌」は持ってないから、ここで読めてよかったと思いつつも、
でもつまみ読みでなく通しで3巻読みたくなる…。短編集ってそんなもんよね。

色恋にレズビアンとか貧乏とか女郎屋とか、ドブと酒の匂いがして土にまみれた場所を、生き生きと描くんだよな。
80年代にしてもポップな雰囲気ではなかったと想像するが、それだけに時代っぽさを浅はかに背負うことなく、明治や昭和を描き残せたんだろう。

お話にしても、無駄に入り組まず、それでいてじっとりとしみこむ重さがある。
必要以上に饒舌でもないのに趣のあるセリフと、キレのある動きで深く読めるのよね。
長く読まれる、受け入れられるってのは、こういう重みからか。

「白い夏」とペア刊行されているので、品切れにならないうちにそっちも読まなきゃ。
「白い夏」は1970-1972の初期作品集だそうで、絵や見せ方、語り口の違いを楽しめそう。
(意外と変わらないのかな)

紅い部屋―上村一夫晩年傑作短編集1980-1985紅い部屋―上村一夫晩年傑作短編集1980-1985
(2009/10)
上村 一夫

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